心不全ってどんな病気? ②前負荷・後負荷を知ろう❤️🔥
前回、心不全の定義と分類についての話をしました。
今回は心不全の症状について考える土台になる、心臓のポンプ機能の仕組み
「前負荷・後負荷・収縮力」について整理していきます!
🫀 心拍出量を決める3つの要素
心臓は全身に血液を送るポンプです。ポンプがどれだけ血液を送り出せるか(心拍出量)は、次の3つの要素で決まります。
前負荷 — 心臓が収縮する直前に、どれだけ血液が溜まっているか(容量負荷)
後負荷 — 心臓が血液を送り出すときに、どれだけの抵抗に逆らわないといけないか(圧負荷)
収縮力 — 心筋そのものがどれだけ力強く収縮できるか
このどれかに異常が起これば、心拍出量は保てなくなります。心不全のケアでは、この3つのどこに問題があるかを見極めることがとても大切です。
💧 前負荷ってなに?
前負荷は、簡単にいうと「心臓に戻ってくる血液の量」のこと。
静脈から心臓に戻る血液(静脈還流量)や、循環している血液量そのものが増えると、前負荷は大きくなります。
前負荷が高すぎると、心臓の手前で血液や体液が滞り、肺うっ血や浮腫といった「うっ血」症状につながります。
前回の記事で触れた心不全の定義に記載されている"うっ血"の症状は、
この前負荷の異常と直結しているんですね。
臨床では、「輸液量の管理」や「利尿薬の使用」が、
この前負荷をコントロールする代表的な手段です。
🧱 後負荷ってなに?
後負荷は、「心臓が血液を送り出すときに立ちはだかる抵抗」のこと。
主に血管抵抗や血圧の高さで決まります。
後負荷が高い(=血管がぎゅっと締まっている、血圧が高い)状態だと、心臓はより強い力で血液を押し出さなければならず、心臓への負担が増えます。
この状態が続くと心臓が疲弊し、心拍出量が保てなくなることで、
"低灌流系"の症状につながっていきます。
臨床では、「血管拡張薬」や「降圧薬」が、
後負荷を下げる目的で使われます。
🔁 なぜ前負荷・後負荷は上がってしまうのか
心不全になると、体は心拍出量の低下を補おうとして、
交感神経やRAAS(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系)といった
「循環調節機構」を働かせます。
これが心不全の定義に出てきた"代償機転"の正体です。
交感神経の興奮 → 血管収縮 → 末梢血管抵抗が増える → 後負荷が上がる
RAASの活性化 → アンジオテンシンⅡが血管を収縮させて後負荷を上げ、アルドステロンが水とNaの再吸収を促して前負荷を上げる
つまり、体が心臓を助けようとする反応そのものが、結果的に心臓の負担を増やしてしまう。この悪循環こそが、心不全の怖いところなんです。
次回予告
次回は、ここまで整理してきた前負荷・後負荷・代償機転のつながりを、
関連図でまとめていきたいと思っています。
次回も読んでいただけると嬉しいです(^^)
