【実験的作品】『提出資料.wav』
※本作には人によっては心理的・官能的に過敏な描写と感じられる表現があります。予めご了承ください。
0:04:18
サァァァァァァァァ…………………………
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ………
ガララァァ!
…ガラガラガラ…トン。
スッ、ス、スッ、ス…
「あ…はい、はじめまして」
「…はい、そうです、智美です」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
「…そうですね、こういうのは初めてです…」
「はい…ちょっとだけ緊張してます」
「二十七です」
「ひとりです」
「仕事は…ホテルの清掃を」
「10年くらい…ですかね」
「ゃ、楽しいとかは…別に…」
「黙々とできるので…」
「えと、ツイッターで、あの、催眠療法で、……その……トラウマを、なんとかしたくて…」
「そうです」
「…えっ…?。…確かに…、
このソファ、とってもふかふかですね」
「それ、ずっと思ってました。
…柑橘系の、いい匂いだなぁって」
「…へぇぇ、葡萄……意外…」
「はい、好きです。落ち着きます」
…スッ スッ スッ スッ スッ
…カチャン、カチャ…
「あ、えーっと、紅茶で」
パカッ………パッ。
ピ、 ジョオオオォ……………
……カチャ……カチャ。
……スッ、 ス、 スッ スッ スッ、
コトッ………コトッ。
「ありがとうございます」
「頂きます…」
カツ………カチャ……
フゥゥ……スゥ…
「……おいしい…。
紅茶って、こんなに美味しかったんですね…」
0:15:05
「へぇぇ…。
あ…確かに、ちょっと楽に…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
スーーーーー、 スーーーーー、……
コトッ。
「はい。
………私、その……、
…好きだった人に見捨てられたことがあって…
…どうしても忘れられなくて…
その時の絶望というかが…」
「…それで、人を好きになるのが怖くて…」
「はい、なれないです…」
「…それと、人から頼られるとどうしても、断れなくて…。でもそれが、結構苦痛で…」
「はい…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「暴力は無かったです。
でも……うちは、貧乏で…
…夜逃げしたことも何回かあって…
思い出の品みたいなのもなんにも持ってないです」
「…はい」
「それで、中学に入ってからバイト始めて…」
「高校生って嘘ついて」
「そうです、家族のためです…」
「お金が無くなると機嫌が悪くなるんです。
…このブス、とか、邪魔、どっか行けって怒鳴られたり…。
…家に、入れてもらえないこともあって」
「そういう時は公園に行ったり、レンタルビデオ店でうろうろしたり…」
「…中学まではちゃんと行ってました。
…勉強は全然でしたけど。
高校は、通信制に行ったんですけど…
その…定期代すら出せなくて…諦めました…」
「あの頃は仕方なかったと思ってます。
だから、恨んでとかはないんです」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「それで…その時の心の支えが、
その……
元彼だったんですけど…」
「二十一の時に…」
「ある時から、帰りが遅くなって……」
「だんだん帰ってこない日も出てきて」
「一緒ににいる時も不機嫌そうで……」
「しました……」
「そしたら……」
スゥーーー、
「毎日毎日鬱陶しいんだよ、
お前なんかいらねえんだよ、
はやくどっか行けよ、
って………別人みたいで…」
「頭が、真っ白になって、
怖くて、何も言い返せなくて…」
「馬鹿みたいですよね。
この人は、ずっといっしょにいてくれるんだって、
勝手に思ってたんです……」
サ、サ……スン…スン
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「……………」
スン………スン……
「…全部やり直せたらいいのに、なんて……」
…スス…
「はい…」
スゥーーーー、
「お願いします…」
「あの、
急に変なこと言っちゃうんですけど、
先生の声、なんか不思議です。
お腹の奥までじんわり響いてくるっていうか…
聴いてると、その………」
「…え?…」
「ほんとですか…?」
「…はい…」
パン。
………………………。
………スゥ…………………
…スゥ………………………
「……………」
パンッ。
「…………っ」
「…………うそぉ」
「…こんな一瞬で…?」
「ぇぇ…かかりやすい体質…」
「…ぇぇ…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「はい。お願いします」
「はい」
スタッ、 スタッ……
ファサ。
「…はい、丁度いいです…」
0:42:20
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
……すぅーーーーーー 、
…………ふーーーーーーー 、
……すぅーーーーーー 、
…………ふーーーーーーー 、
「…からだじゅうのちからが、ぬけていく…」
「…うでのちからがぬけていく…」
「あしのちからも…ぬけていく…」
「…ちからが…はいらなくなる…」
「からだが…べっどにしずんでいく…」
「…ここちよいじゅうりょくに…
…こころも、からだも、あずけます…」
0:45:01
「…わたしは今、制服を着ています」
「…中学生だからです」
「三年生です」
「…エリが水色の…白いセーラー服です」
「半そでです」
「はい…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「……ドアが…あります」
「はい…」
「ここは……学校です」
「教室の、手前の、ろうか…」
「アンズちゃんとミサキちゃんがいます」
「…いやです」
「断りたい…」
「言えます」
……スゥーーーーーーーー、
「ごめん……ちょっと、むり」
「…簡単でした」
「私は、いつでも、
自分の気持ちを
…優先できる」
「ここは…彼氏のへやの前…」
「…………」
…スス………
「うん…」
……スゥーーーーーーーー、
「…………うん、
……わたしはだいじょうぶ」
「…はいった…」
「うん…大丈夫…」
「おき、てがみ……」
「………書けた…」
「さようなら、ありがとう。って」
「…ユウくん、いままでありがとう。」
「…せんせ?…」
「ありがと…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
ササッ…
「………………………」
「…先生の…へや…」
「ふわふわで…」
「おちつく…」
「とっても…安心する」
「ここちいい…」
「…うん」
「ずっといたい」
「せんせ?」
「…ふふっ」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ……
「…もっと、はやく会いたかったな…」
「先生に会うまでに、いっぱい汚れちゃった…」
ツ、 ツ、 ツ、 ツ 、……
「………………タイムリープ………」
「長時間の連続的オーガズムによる
時間跳躍…」
「……意識を…過去に…」
「……そしたら……
もっとはやく、先生に、
…会えるね……」
「……会いたい」
「やってみるね…」
「ふふっ…」
1:19:09
ハァ…………………ハァ……
「……んん……」
「…ぅぅ……あつぃ…」
スッ、 スッ。
「ムズムズする…」
「どうしよぅ…」
「せんせ…」
ススッ。
「あっ…」
「あ…」
「…んっぅぅ…」
ファサ…ファサ…
……ササー……スーッ…
「はあっ……………、 ハァっ……」
「……っ…せんせぇ!」
「んっ…!!」
…はーーーーっ、
……はぁーーーーーっ…
「いきたい…過去に……いきたいっ…」
「キレイな頃に…戻って」
「ぜんぶっ…
…せんせいにっ!
ささ、げ…、 ますっ!」
「…ううっ…!」
はーっ、はーっ、
「いっ!」
「いぃっ! いぃっ!
いきます!!」
「うううぅーーーーっ!!」
バタッ…バタッ…
ふーーーっ、ふーーーーっ、
「っ……!」
「うぅっ、うぅっ…!」
「………あああああっ………
あああーーーっ!!」
はぁ、はぁ、
「はーーぅっ!!」
ダンッ、ダンッ、
「せっ…せんせっ!」
「とまら、な、いです」
「あぁァ、あぁァああああーー」
「……ぐぅっっ!
ふぅっっ、う"ぅぅぅぅ!!」
バサッバサッ
はぁはぁ、はーーっ、はーーっ…
「ああああああぁああっ…!」
「ふーっ、ふーっ…!」
「…あーーっあーーーっまたっ!!!」
「あぁあぁあぁああああおおおっっ……」
4:20:14
………っはぁ、 はぁっ…!
「うううううぅ!、うううううぅっ!」
ドタドタドタッ…
ふーっ、 ふーっ、
ふーっ、 ふーっ、
………………。
っはぁぁ、はぁぁ!
「っ!………っ!……」
「うううううぅ…」
「だっ……だんだん!…」
っはぁぁ、はぁぁぁ、
「ちかっ!づいて、るう!!!!」
「んんっ……くぅぅぅっ!!」
「お、お、お、おおおおっっ!!」
はーーーっ、 はーーーっ
「…っ!!……ああああぁぁあああっ!!」
ドタッ、ドタッ
…………。
…ふぅっ、ふぅっ…
「みえるっ…」
「ああぁああぁあ!!」
バタッ、バタッ、バタッ!
「うーっ! うーっ!
ううううぅぅぅくぅうう!!!
みえる!、みえるみえる、
みえるうう"う"う"う……!!!」
7:52:24
……………ピチャッ…………
……………ピチャッ……
……………ピチャ………
「……ぅ"っ!………
……ぅ"っ!…………」
「ぁぁぁ……ぁぁぁ……」
「……………………………」
「あぅ………ぁぅ………あぅぅ…」
「ぁぁ………………………ぁぁ…………」
「………………………………」
…………………………………。
サァァァァァァァァ…………………………
ツ、 ツ、 ツ、 ツ、 ………
スッ スッ スッ スッ スッ、スッ。
ゴソゴソゴソッ。
……フーーーーー。
「……智美ちゃん、無事にタイムリープできたかな…」
カタ…。
