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【ショートショート】告りびと

 俺たちの住むの家は、ガラス張りになっていて中が丸見えだ。
 俺たちは他の人間と少し違う。
 そんな俺たちの行動を他の人間は面白がって、わざわざ家の前まで見にくる。
 俺たちは会社と契約して、その収入で暮らしている。
 衣食住も全て会社負担だ。
 食事は、担当者が持ってくる。
 皆、服に無頓着なので服装はあまり気にしていない。
 プライバシーの問題さえ気にしなければ、俺たちはこのガラス張りの家で普通に暮らすだけで良い。こんな楽な仕事はない。
 俺たちの中でも、この『俺』はとくに野生的だ。
 とにかくガツガツ行く。
 最近気になっている人がいる。毎週金曜の夕方に来る女性だ。
 彼女を見た瞬間、俺は一目惚れをした。
 それから彼女が来る度、告白をしている。
 好きだ! と。
 他の奴からは『告りびと』だなんて言われてる。
 でも彼女は振り向いてくれない。
 俺が愛の言葉を叫んだ瞬間、怪訝そうな顔をする。
 何故だろう。

 ……私は飼育員さんに声をかけられた。
「よく来られますね。好きなんですか」
「ええ。サルが好きで。でも一匹だけ私に威嚇してくるサルがいて……」

                 (486字)

今週も、たらはかに(田原にか)さんの企画、『毎週ショートショートnote』に参加させていただきました!

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