ファイル名は「現実逃避」/ 会社員だった僕が、10席の映画館をやってく覚悟を決めた話。
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こんにちは。大阪・蒲生四丁目(通称:がもよん)の路地裏にある、
定員10席だけの映画館「土間シネマ」のカンチョーです。
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前回の記事では、
自宅の土間リビングに見知らぬおばちゃんが入ってきて、
「ここ映画館にしたら?」という観音様の啓示(父命名)を
受けた話をしました。

「いい話だなぁ」とか思ってくださった方もいるかもしれません。
が!
現実はそう甘くありません。
当たり前ですが、おばちゃんが来たからといって、
すぐに会社を辞めて映画館ができるわけではありません。
当時の僕は、ごく普通のサラリーマン。
当時、会社の組織変更などゴタゴタもあり、
ちょっぴり参っていた時期でした。
今日は、そんなモヤモヤとした仕事中に、
僕がこっそりと会社のパソコンで作っていた
「あるファイル」のお話をしたいと思います。
霧の中から「妄想」に逃げる日々
当時、色々と変わっていく社内の状況に
なんとも言えない気持ちを持ちながら
目の前の仕事をやりくりしておりました。
そんな状況ですから、
気を抜くと「このままここで働き続けて、幸せなんだろうか?」
なんていう問いが、「宇宙はどこまで広いんだろう」と同じくらい
考えても考えても答えに辿りつかない問いの様に思えてきて。
ずっと霧の中にいるような、そんな感覚で過ごしていました。
そんな時、僕が心の安定を保つために開いていたのが、エクセルです。
業務用の資料を作っているフリをして、
僕はあるファイルに数字を打ち込んでいました。
(ホント、ごめんなさい)
ファイル名は、「現実逃避.xlsx」。

冗談でもなんでもなく、本当にこのファイル名で保存していました(笑)。
初めは、映画館なんてことも考えず、
現実離れした数字を打ち込んでは、
「よっしゃ!年収2000万円突破!」という
脳内起業した会社の売り上げを打ち込んで、
自分の年収を上げ続けると言う、
今考えると狂気の沙汰のような現実逃避を繰り返していました。

ホンマにあの頃は、意識して現実逃避しないと、
やっていけなかったんだと思います。
そのうちに、なんだかんだと社内の状況が変わったり
「観音様の啓示(父命名)」があったりして、
そこに、もしも「土間シネマ」を本当に仕事にするなら…
という、少しずつ仮定の数字を当てはめていったのです。
•上映料はこれくらいかな(結構高いな…)。
•光熱費は自宅だからこれくらいか。
•仮にお客さんが1日これくらいとして…
•逆に、満席になったらこれくらいの売上になるのか。
仕事中の休憩時間や、嫌なことがあった後の現実逃避として、
このシミュレーションをしている時だけが、僕の心が安らぐ時間でした。
「儲からない」けど「即死ではない」
パズル感覚で数字を埋めていくうちに、ある一つの事実に気がつきました。
「これ、絶対に大儲けはできないな」
10席という規模では、どうあがいても売上の天井が決まっています。
億万長者になる未来は、エクセルのどこを見てもありません。
でも、同時にこうも思ったのです。
「儲からないけど、即死もしないな」
一般的な店舗経営で一番重いのは「家賃」と「人件費」です。
しかし、土間シネマは自宅なので追加の家賃がかかりません。
そして、スタッフは僕一人なので人件費もゼロ。
「固定費」が極限まで低い。ということは、
損益分岐点(赤字にならないライン)も低くできる。
「あれ?これ、意外といけるんじゃないか?」
ただの現実逃避だったはずの数字の羅列が、
いつしか僕の中で「事業計画」へと変わっていきました。
そしてある夜。
僕は意を決して、我が家の「財務大臣」に
プレゼンをすることにしたのです…
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