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sinoayakouri
【読了】両手にトカレフ
ただ漂うしかない昼下がりに読む、ブレイディみかこさんの『両手にトカレフ』には落涙を禁じ得なかった。
同著者の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』も大変わたし好みの本ではあったが、今作はそれを受けての「フィクション作品」ながら、より辛辣により"リアル"に描いてることに、著者のただならぬ熱量を感じた。
以前、小田嶋隆さんの話でも少し書いたが
ノンフィクション作家がフィクションの作品を書くときに発生する熱や化学変化、みたいなものにグッと胸が熱くなる時がある。
ノンフィクションを書く時は、事実を事実として書く責任や規律や矜持みたいなものが作家にとっては時に重圧になったりするだろう。
だから良い意味でそういう責務から解放された文章に、あぁ、物語はどこまで広がっていっても良いのだ、という筆の走りを感じてこちらまで熱くなってしまう。
小説を書く時も、曲を書く時も、絵画を描く時も、創作者はせめて「こうあって欲しい」という祈りを載せたりするが、現実はより深刻だということも少なくないのが、辛い。
たかが作品、されど作品。
しかし物語の方が現実を引っ張っていくこともままある、というのが創作の力だろ、とも思った。
