最近、旅行に行ってない
宿泊ありのツーリングに、今年は一度も行っていない。
忙しいと言えば忙しい。
暇がないと言えば、確かにそうだ。
でも原因はそれだけじゃない気がする。
SSTRも今年は参加をやめたし、週末の予定も近場ばかりだ。
地図を広げて遠くの土地を眺めても、「よし行こう」と以前ほどならない。
やっぱり歳を取ると、行動範囲も行動力も少しずつ縮んでいく。
そんなことを考えていた時、Xで妙な広告を見つけた。
「ツーリング代行」
最初は完全にジョークだと思った。

忙しいあなたに代わってツーリングを代行します。
マスツーリングもソロツーリングも対応可能です。
そんな内容だった。
思わず笑ってしまった。
「そんなもの誰が頼むんだ」
そう思ったのだが、不思議なことに少し時間が経つと別の感情が湧いてきた。
……ちょっと利用してみたいかもしれない。
私は普段からモトブログやツーリング動画をよく見る。
人の運転を見ていても違和感はない。
むしろ楽しんでいる。
景色を眺めたり、道を追体験したり。
知らない土地を走る映像を見るだけで十分面白い。
もし将来、自分がバイクに乗れなくなったらどうだろう。
体力的な問題かもしれない。
病気かもしれない。
あるいは時間が取れないだけかもしれない。
そんな時に誰かへ依頼して、
北海道の富良野・美瑛から旭川へ。
そして稚内、宗谷岬まで。
そのルートを走りながら映像を撮ってほしい。
そう思うかもしれない。
特に昔走ったことのある道ならなおさらだ。
画面越しでも、
「ああ、このカーブ覚えてるな」
「ここで休憩したな」
そんな感情が蘇るだろう。
人間の記憶は案外いい加減だ。
でも風景を見ると、一気に呼び起こされる。
もしそれが普通の動画ではなく、Apple Vision Proのような立体映像だったらどうだろう。


道路の起伏。
空気感。
海の広がり。
ただ見るだけではなく、その場所に少しだけ戻れるかもしれない。
さらに細かく注文する。
朝はこのルートで走ってください。
昼はこの店でラーメンを食べてください。
夕方はここで夕日を撮影してください。
そんなオーダーメイドのツーリング映像。
発注する側は旅行に行けない。
でも記憶や憧れを追体験できる。
考えてみると、これって単なる映像制作ではない。
「体験の代行」だ。
もちろん実際にやるとなれば相当な金額になるだろう。
移動費もかかる。
宿泊費もかかる。
撮影も編集も必要になる。
でも人間は不思議なもので、歳を取るほど物より体験にお金を払うようになる。
そして体験できなくなるほど、その価値は上がる。
だから案外需要はあるのかもしれない。
もしかしたら、もう誰かが始めているサービスなのかもしれない。
でも正直、私は受注する側も面白そうだと思っている。
誰かの思い出の場所へ行く。
誰かがもう行けなくなった道を代わりに走る。
それを映像として届ける。
ちょっとロマンがある。
というわけで。
もしオーダーがあるなら、隠岐の島一周ツーリングの撮影くらいなら喜んで行きます。
