EMConf JP 2025 パネルディスカッション備忘録
EMConf JP 2025が終わりました
運営のコアスタッフとして立ち上げから関わったEMConf JP 2025が、本日2025年2月27日、大盛況のうちに幕を閉じました。
見たかった景色を見ることができたか?でいうと、見たかったどころではない忘れがたい光景が目の前には広がっていて、その感想を言葉にする語彙を私は持ち合わせていません。とにかくいまこの瞬間は語りたいことが尽きないのですが、クロージングキーノートのあとモデレーターを務めたパネルディスカッションについて、備忘録としてまとめておきます。
増幅と触媒
パネルのモデレーターをやることになり、さて誰にパネリストとして登壇してもらおうか?を考えるときに主軸においたのは、カンファレンスのテーマである「増幅と触媒」でした。
カンファレンスには熱量が渦巻いています。人ひとりを動かすには造作もないほど、時には人の人生を変えてしまうほどの力があります。
では、カンファレンスで熱量を浴びたその人が、現場に戻るとどうでしょうか。おんどさの前に打ちのめされたり、思うように前に進められなかったり…。そんな経験をしたことがある人は、少なくありません。
もっとうまく伝えるためには、学びを言葉としてまとめ上げることが必要ですし、それを伝えるべき人に伝えるべきタイミングで伝えることが求められます。
それを、達人たちはどうやっているのか?学びを言葉にし、人の心を動かす秘訣はなにか?
そんな話を引き出したくて、スピーカーでもあるこにふぁーさん、daiksyさん、Kuman さんに登壇をお願いしました。全員、是非!と快諾してくださったのは本当にありがたかったです。

テーマ1 学びの言語化(増幅)
ひとつめのテーマは「学びの言語化」。言語化といえば、ZATSUのこにふぁーさん!ということでこにふぁーさんに話を引き合い振ったところ、「今回はパーソナルな話が中心であまり言語化できている感覚はない」とのことでした。めちゃくちゃいい話するじゃん!って思いながら聞いていた身としては「えっ?」ってなりましたが、具体の話から抽象化していく過程を言語化と捉えると「言語化できていない」と感じる、というのは、登壇資料をつくっているときに自分も陥る感覚なのですごくわかるなーと思いました。
では言語化とはなんぞや。daiksyさんはセッションの中で「100人程度ならダンバー数におさまる。全員と関係を構築することはてきないことではないからチャレンジする」という話をされていたのですが、これはまさに「ダンバー数」というものを引き合いに出すことで対象を理解しやすくなるという、模範的な言語化でした。

抽象化・構造化といえばKumanさんということでスピーカー間でも質問が飛び交うほどでしたが、Kumanさんの「再現性をもたせるには抽象化・構造化が必要になってくる」というのは誰もが納得するアプローチでした。
テーマ2 学びの伝搬(触媒)
さて、学びをうまく言語化できたとして、それをどうやって伝えようか…ということを2つ目のテーマに据えました。
幅広く伝えていくこと、一回伝えたからといって伝わっているとは限らないから、伝わるまで伝えること、などが語られました。
伝えたい人にどう伝えるか?の問いに対しては、良かった資料のurlを共有する、ログとして残しておいて社内の人が興味をもったタイミングで伝えられるようにする、といった生きたノウハウが共有されていました。
一回では伝わらないから何度も言い続ける、伝えたい相手が興味をもったときに備えてログを残しておく。「何度も話す」「文書化する」はマネージャーならずとも大事なことだと言われるものですが、第一線のEMたちが自分の実践を踏まえて伝えるそれには、人を突き動かすであろう説得力が宿っていました。
Q&A
パネルディスカッションに2つしかテーマを持っていかない、というのはなかなか勇気が要りましたが、このメンバーなら一つ一つ深く掘り下げられるし、逆に浅くなるのはもったいないと思って2つに絞りました。
Q&Aはslidoでたくさんのご質問をいただいたのですが、時間の関係であまり拾えず申し訳なかったです。
うまくいかないこと
最も票を集めていた質問はこちら。
EMの仕事はうまくいくことだけではないと思っています。むしろ辛く泥臭いことが連続することも多いと思っています。そうなった時のモチベーションの維持の仕方を教えてほしいです
この質問に対し「サボる!」と答えたdaiksyさん。会場でしっかり笑いを誘いつつ、これってめちゃくちゃ大事な姿勢なんですよね。ストレスの源からいったん距離を置く。Kumanさんもこにふぁーさんも、EMに辛みはつきものだよねという話はしつつ、サウナに行って解消する、言語化することで辛みから抜け出す、といった回答がありました。
Kumanさんの「過去の知恵に学ぶ」、哲学に触れるというのは僕もけっこう好きで、うんうんわかるよねーと思いながら話を聞いていました。でも、哲学ってとっつきづらくない?すくなくともエンジニアは苦手意識ある人いるよなーという観点から、初心者向けのおすすめを尋ねたところ、論語など中国の思想家がおすすめとのことでした。
そして、これらの本はマンガだったりかなり噛み砕いた入門書があるのでそれから入るといいかも、というのがとてもいいヒントだと感じました。
メッセージ
EMなりたての身なのですが、そんな人に対して何でもいいのでアドバイスが欲しいです!また、モチベを高めるようなEMの良いところ、楽しいところもできたら教えていただきたいです。
最後は参加いただいたみなさんにパネリストからメッセージを、と考えていたら、あまりにもうってつけな質問がきていたのでそれで締めくくりました。
さきほど「基本辛いことが多い」とは異口同音に語られたものの、その裏返しで「楽しい」「やりがいがある」というのは共通見解でした。
自分ひとりではできないようなことをマネジメントの力で達成できる。難しい課題と向き合うスリル、忙しいからこそ得られる充実感。
たとえ会社が変わっても続く人間関係と、関わった人たちのキャリアに少なからずなにかをgiveできたこと。
3人の話を聞きながら、ああそうだ、こういった根源的な喜びがあるからこそ、僕はマネジメントが好きなんだなと噛み締めていました。
余談
パネルディスカッションは、なんと机と椅子を撤去し、ギュウギュウに詰めて座ってもらうというライブハウスのような状況で開催されました。なかなかこういう環境で登壇することはないので、新鮮で楽しかったです。

僕達が増幅と触媒の起点になる
予定時間を5分ほどオーバーし(ごめんなさい!)、それでも「時間足りないよ!」とフィードバックされるくらいには盛り上がりをみせたパネルディスカッションでした。あらためて、パネリストのこにふぁーさん、daiksyさん、Kumanさんには感謝です!
そして参加いただいたみなさん、参加してないけどたまたまこのエントリーを目にしたあなた、学びを増幅させ触媒となり、自分の半径5mを変えていくのはあなた自身です。もし少しでも心に火が灯ったなら、こんなに嬉しいことはないです。
