Claude Codeで、UIデザイン改善を毎朝Issue化してPRを出す仕組み
なかなか改善ポイントを見つけるのって、時間がかかりますよね。正直、面倒くさい。アナリティクスは入れている。でも、なんかピンとこない。感覚でIssueを決めている。ヒューリスティックなテストも大事です。でも、やはり根拠がないとだめだな、と思っていました。
毎日分析して、Issueを作成して、あわよくばPRまで作ってくれないかな——と。んで、構築してみました。
ひとことで言うと、「毎朝、サイト/プロダクトの状態を見て、改善案をIssueにし、安全に直せるものは自動でPRまで出す」仕組みです。
なぜ作ったか
日次レポートを読んでも、改善が止まると意味がない。数字を見る、課題を言語化する、Issueにする、実装する、効果を見る。この一連を、人の記憶や気合に依存せず回すために作りました。
全体の流れ
計測 → 分析 → Issue化 → 優先順位付け → 自動実装 → PR → レビュー → 効果検証。毎朝(JST 8:00)に GitHub Actions が走ります。
計測では GA4 / Search Console / GitHub指標 / 依存関係の脆弱性などを取ります。分析では Claude が前日比・週次比から異常と改善案を出し、重複を避けて GitHub Issue を作成します。優先度はインパクト ÷ 工数で並べ替え、バックログを更新。安全に直せるものだけブランチを切って実装し、PRを出します。main への直pushはせず、人がレビューしてマージする。対応後の指標変化は、あとから振り返ります。
大事にしている設計原則
ひとつ目は、人が最後に判断すること。自動で直しても、本番反映は人が承認します。「無人で壊す」ではなく、「無人で下書きまで作る」が目的です。
ふたつ目は、重複Issueを増やさないこと。同じ指摘が毎日再提案されないよう、オープンIssueだけでなくクローズ済みも重複判定に含めます。ここを雑にすると、バックログがすぐ汚染されます。
みっつ目は、対応可能なものだけ自動実装すること。コードで直せるものは自動PR。管理画面の操作、外部資産、ビジネス判断が必要なものは Issue にコメントして見送り。権限追加や DOM selector 削除など危険な変更は、手動レビュー必須にしています。全部を自動ではやりません。やる範囲を狭くしています。
よっつ目は、セキュリティも同じサイクルに入れること。依存関係の脆弱性も毎日監査し、検出 → Issue化 → 優先度付け → 修正PR(または手動対応)までつなぎます。改善とセキュリティを別運用にしないほうが、続く気がしています。
適用した2つの事例
同じ骨格を、プロダクト種別に合わせて移植できることがポイントです。
ひとつは Webサイト/LP。目的は PV / CTA / 回遊 / 問い合わせ遷移まわりで、指標は GA4 や Search Console など。CTA導線や UTM、構造化データの整備、重複Issue防止、依存脆弱性の自動Issue化といったところが回るようになります。マーケ寄りのサイトでも、日次で「次に触るべきもの」が見える。
もうひとつはブラウザ拡張。目的は拡張の健全性維持で、DOM互換、UX、ストア公開まわりを見ます。指標は GitHub の活動指標、静的解析、依存脆弱性など。GA4がないプロダクトでも回せるよう、計測層だけ差し替えました。
サイトと拡張では見る数字が違います。でも、Issue化 → 優先度 → 安全な自動PR、という骨格は同じです。
仕組みの部品
部品はざっくり六つです。
Daily Report:指標取得・差分・異常検知
Claude Analysis:改善案と優先度の生成
Issue Sync:重複防止つきIssue作成
Backlog:優先度順の固定Issueを更新
Auto Implement:安全なIssueだけ実装してPR
Security Scan:依存脆弱性の検出とIssue同期
全部が毎回フル稼働する必要はありません。計測が薄いプロダクトなら、静的解析と依存監査からでも回せます。
何を自動化し、何を自動化しないか
ここが一番大事だと思っています。
自動化する:
数値の収集と比較
改善案のたたき台作成
Issueの整理と優先順位付け
低リスクなコード修正とPR作成
脆弱性の再検出・解消検知
人がやる:
文言・ブランド判断
外部管理画面の操作
危険な変更の最終判断
PRレビューとマージ
AIに全部やらせたい気持ちはわかります。でも、壊したあとの復旧コストのほうが高い。なので、下書きまでで止めています。
うまく回すためのガードレール
仕組みだけで安心しないために、上限と禁止も入れています。
1回の実行で試行数・PR数に上限を置く
既存PRがあるIssueは再実装しない
見送りでも次の候補へ進む
ビルド/拡張検証が通らない変更は捨てる
触ってはいけないファイル・権限変更を禁止する
「毎朝がんばるエージェント」ではなく、「毎朝、安全な候補だけを積むバッチ」くらいの感覚です。
導入に必要なもの
最低限はこれです。
GitHub リポジトリ
GitHub Actions
Claude Code 用トークン
(任意)GA4 / Search Console など計測基盤
GitHub だけで始められます。計測が薄いプロダクトは、静的解析と依存監査からで十分です。数字が揃ってから、分析の解像度を上げればいい。
このサイクルで得られること
「見て終わり」のレポートから、「直すところまで進む」レポートになります。改善の優先順位が毎日更新され、対応済み課題の再発行が減り、小さな修正が止まらず積み上がる。セキュリティ対応も同じ運用に乗ります。派手な成果というより、止まらなくなる感じです。
まとめ
改善は、アイデアより運用です。毎日の小さな差分を Issue と PR に変える仕組みがあると、プロダクトは静かに強くなります。
この自動サイクルは、完璧なAI開発者を目指すものではありません。「毎日、次にやるべきことを可視化し、安全なものは下書きまで進める」ための、地味で強いPDCAです。
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