「ロケットランチャー出番なし」
※四百字にこだわらなくなってきました。
「あなたはいつだってロケットランチャーを使うつもりなんてなかったんだわ」
プラトンの言葉に私は首を振った。
「銀行強盗にそもそもロケランは必要ない」私たちは強盗団で、プラトンは武器調達係だった。いつも不必要なまでの数の武器弾薬を用意していた。おかげで金はすぐに底を尽きて、強盗を繰り返さなければいけなかった。
「嘘よ。前回、ロケランを使っていたら、ゴルギアスは死なずに済んだのに」ゴルギアスはプラトンの恋人だった。なんだこの通り名は。大体ゴルギアスは実行前日にソロキャンプに行って、毒キノコにあたって今でも入院中だ。死んでない。前回のヤマが失敗したのは、ロケラン以外に用意された武器が潜水艦と空母だったからだ。遥か彼方の洋上で待機しっぱなしだった。仕方なくロケランを構えて銀行員を脅すと、拳銃などではない分現実感がないせいか、行員は「大変ですねえ」という感じでお金を鞄に詰めるのを手伝ってくれた。
ロケランを互いに構えて、私とプラトンはホテルの一室で向かい合っている。
「撃てないくせに」
「撃てるさ」
どちらが撃ってもどちらも終わる。いっそ終わりにしてみたい気もする。
「『せーの』で一緒に撃とう」
「ただいま! キノコパーティしようぜ!」退院してきたらしいゴルギアスが急に部屋のドアを開けた。
私とプラトンはうっかり引き金を引いてしまった。毒キノコが抜け切れていない満面の笑みのゴルギアスに、二人の放ったロケランの砲弾が吸い込まれていく。かと思ったがそんなことはなかった。
「どうせ使わないと思って砲弾を売ってキャンプ用品買ったから」ゴルギアスはそう言って笑い、週末に三人でキャンプに行った。もちろん大喧嘩した。
関連作品。Tales連載「小説を書いている」内「恋愛小説を書いている」
いいなと思ったら応援しよう!
入院費用にあてさせていただきます。