米中角逐時代における日本の「バランサー」外交と心強い「北東」の絆
米中角逐時代のバランサー
今、世界は、米中という二つの巨大な力が、まるで綱引きをするかのように、あらゆる分野で激しく競い合う時代を迎えています。この競争はしばらく続きそうで、私たち日本も、この大きな波の中でどう立ち振る舞うかが問われています。日米同盟を大切にしながらも、どちらか一方に偏るのではなく、地域の安定のために「バランサー」として動くことが、日本の大切な役割になるでしょう。ただ、日本一国でその重責を担うのは難しいため、共に歩んでくれる国々との「協力の輪」を広げることが、カギとなります。
これまで、この協力の輪の中心にあったのは、地理的にも重要な東南アジアの国々でした。私たちは彼らと「自由で開かれたインド太平洋」を目指してきましたが、彼らの多くは米中の間で慎重なバランスを取っているため、私たちの期待するほどの深い連携には限界があるのも事実です。だからこそ、私たちは、これまでの「南」だけでなく、新しい地域、新しい仲間に目を向ける必要があります。
北東の仲間:カナダ
そんな中で、カナダのアルバータ州が日本の石油開発に協力しようと動き出したというニュースは、単なるビジネスの話以上に、大きな意味を持っています。カナダは今、頼りすぎるアメリカとの関係を見直し、自国の安全保障のためにも、外交や経済の舵取りを少し変えようとしています。中国との関係も慎重になる中で、民主主義という共通の価値観を持つ日本は、本当に信頼できるパートナーとして注目され始めたのです。
私たちにとっても、この「北(北東)」の新しい絆は、とても心強いものです。カナダの豊かな資源は、私たちがエネルギーや鉱物を調達する際のリスクを減らし、暮らしの安心につながります。
また、メルカトル図法の地図で見ると遠そうですが、カナダの西海岸は太平洋を挟んで実は日本にとても近いので、物流や資源のルートとしても合理的です 。そして、日米加、あるいは日米加豪という形で、価値観を共にする国々と手を取り合うことは、私たちが世界のバランスを取る上で、さらに大きな力となるでしょう。
南と東北という「厚みと深さ」
米中の角逐という困難な時代は、同時に、私たちが外交の視野を広げ、本当に大切なパートナーを見つけるチャンスでもあります。従来の「南」の友好関係を深めながら、カナダという新しい「北東」の仲間と手を携えることは、日本のバランサーとしての役割に「厚みと深さ」を与えてくれます。私たちは、この新しい絆を活かして、エネルギーや経済の基盤をより強くし、世界の平和と安定に貢献する頼れるバランサーとしての地位を確かなものにしていくべきでしょう。
