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ミリアの日々8月8日「今日は、ちゃんと笑おう。」



令和8年8月8日

「ねえ、ミリア」

朝から、陽菜がスマートフォンを片手に嬉しそうにしている。

「今日って、令和8年8月8日なんだよね?」

「そうだね」

「じゃあ……」

陽菜が画面を見せる。

令和8年8月8日。

「8が三つ!」

「8・8・8……」

ミリアも少し笑った。

「なんか、いいことありそうじゃない?」

「そうだね。今日はちょっと期待してみようか」

たった数字が並んでいるだけなのに、不思議と気分が明るくなる。

令和8年8月8日。

888。

それだけで、今日は少し特別な日に思えた。


今日は「笑いの日」

そして8月8日は「笑いの日」でもある。

陽菜は、それを知った途端に宣言した。

「じゃあ今日は、いっぱい笑わないとね!」

「そんな目標、初めて聞いたよ」

「だって、せっかくの笑いの日だもん」

「じゃあ、何をするの?」

「それを今から考える!」

結局、二人はいつものように街へ出かけることにした。

特別な予定はない。

ただ、一緒に歩く。

それだけだった。


くだらないことで笑える幸せ

駅まで歩いている途中、陽菜が突然立ち止まった。

「ミリア、大変!」

「どうしたの?」

「靴ひも!」

見ると、陽菜の靴ひもがほどけている。

「……それだけ?」

「危うく転ぶところだった!」

「ちゃんと結んでおけばいいのに」

ミリアが呆れた顔をする。

すると陽菜が、

「ミリアって、そういうところお母さんみたい」

と言った。

「誰がお母さんなの」

「はい、お母さん」

「違うって」

二人は顔を見合わせる。

そして、どちらからともなく笑い出した。

何がそんなに面白いのか、自分たちでもよく分からない。

でも、笑ってしまう。

そんな瞬間が、二人には何度もある。


笑うと、少しだけ軽くなる

カフェに入り、冷たい飲み物を注文する。

窓の外は、相変わらず暑い。

8月の太陽。

蝉の声。

行き交う人たち。

いつもの夏の風景。

陽菜がストローをくわえながら言った。

「ねえ、ミリア」

「なに?」

「笑うって、不思議だね」

「急にどうしたの?」

「だって、笑ったからって何か問題が解決するわけじゃないじゃん」

「うん」

「でも、笑った後って、ちょっと元気になってる」

ミリアは少し考えた。

「……確かに」

悩みがなくなるわけではない。

嫌なことが消えるわけでもない。

明日になれば、また仕事もある。

面倒なこともある。

それでも。

誰かと笑ったあとには、少しだけ心が軽くなっている。

「笑うって、すごいね」

ミリアがそう言うと、陽菜が笑った。

「ほら、また笑った」

「陽菜のせいでしょ」

また二人で笑う。


平和だから、笑える

ふと、ミリアは数日前のことを思い出した。

8月6日。

二人で「平和って何だろう」と考えた。

そして昨日は、立秋。

夏の中にある、小さな季節の変化を探した。

今日は笑いの日。

そう考えると、三日間がどこかつながっているように思えた。

平和だから、笑える。

笑えるから、明日を楽しみにできる。

明日を楽しみにできるから、季節の変化にも気づける。

何気ない日常。

友達との会話。

くだらないことで笑う時間。

それは、とても小さなものに見える。

でも、きっと大切なものなのだ。


888の一日

夕方。

二人は公園のベンチに座っていた。

空が少しずつ夕焼けに染まっていく。

陽菜がスマートフォンを取り出す。

「今日、写真撮ろうよ」

「何の?」

「令和8年8月8日の記念!」

「そんなに?」

「だって888だよ?」

ミリアは笑った。

「じゃあ、一枚だけね」

二人で並んで写真を撮る。

画面に映った二人は、少し照れながら笑っていた。

陽菜が写真を見ながら言う。

「いい写真だね」

「うん」

「来年も撮れるかな?」

ミリアは少しだけ空を見上げた。

「来年は888じゃないけどね」

「じゃあ、889?」

「それ、ただの数字だよ」

「じゃあ、来年も笑ってればいいか」

ミリアは笑った。

「それが一番いいね」


今日は、ちゃんと笑おう

令和8年8月8日。

8が三つ並ぶ、ちょっと特別な日。

そして、笑いの日。

大きな幸せがなくてもいい。

何か特別なことを成し遂げなくてもいい。

好きな人と話して。

くだらないことで笑って。

「また明日」と言える。

そんな一日があれば、それだけで十分なのかもしれない。

8月6日に、平和について考えた。

8月7日に、季節の変化を感じた。

そして今日は、笑った。

きっと人生も、そんな小さな一日の積み重ねなのだろう。

陽菜が立ち上がる。

「そろそろ帰ろうか」

「うん」

二人は並んで歩き始める。

夕暮れの街。

まだ夏の暑さが残っている。

でも、二人の足取りは軽かった。

令和8年8月8日。

888。

特別なのは、数字だけじゃない。

今日、二人が笑えたこと。

そして――

明日もまた、笑えるといいと思えたこと。

それだけで、今日は十分に素敵な一日だった。

今日は、ちゃんと笑おう。

そして明日も。

また、笑おう。

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