悲しみ・不安・怒り PMSのときに強く出るのはどれ?タイプ別すぐできる対処法と漢方
PMS(月経前症候群)の時期に、「いつもより感情が強くなる」と感じる方はとても多いです。ただ、その出方にはパターンがあります。臨床的には大きく「悲しみタイプ」「不安タイプ」「怒りタイプ」に分けて考えると、対処がしやすくなります。
その感情は、「性格的な特徴」というよりは、ホルモン変動によるでやすい感情の体質として理解するほうがいいです。月経前の時期でも、自分のタイプに合った対処法が見つかると、少し過ごしやすくなることがあります。
■①悲しみタイプ(落ち込み・涙もろさ)
●特徴
理由もなく気分が沈む
涙もろくなる
自分を責めやすい
「どうせ私は…」という思考が増える
このタイプは、セロトニンの低下が関係していると考えられています。
●すぐできる対処法
あえて泣ける環境をつくる
→映画や音楽で感情を出す「悲しい気分」を否定しない
→「今はそういう時期」とラベリング小さな達成感をつくる
→「洗濯した」「外に出た」などでOK
ポイント
「元気になろう」とするよりも、感情を流すことが大切です。
●漢方
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
→冷え・貧血傾向・落ち込みやすさ加味逍遙散(かみしょうようさん)
→気分の波・イライラ+抑うつ
■②不安タイプ(そわそわ・心配・身体症状)
●特徴
落ち着かない、そわそわする
未来のことを考えて不安になる
腹痛・動悸・息苦しさなど身体症状
「うまくいかなかったらどうしよう」が止まらない
不安は「考え」と「身体反応」の両方から強まります。
●すぐできる対処法
不安を書き出す(頭の外に出す)
→「何が不安か」「どうなったら困るか」呼吸を整える(身体から落ち着かせる)
→4秒吸って6秒吐く“考えても意味がない時間”を区切る
→例:夜は考えないルール
ポイント
不安は「考えすぎるほど強くなる」ため、外に出す・区切るが重要です。
●漢方
加味逍遙散(かみしょうようさん)
→不安・イライラ・自律神経の乱れ抑肝散(よくかんさん)
→緊張・神経過敏・眠りの浅さ
■③怒りタイプ(イライラ・攻撃性)
●特徴
些細なことでイライラする
家族や周囲に当たりやすい
自分でもコントロールできない感覚
後から自己嫌悪になる
このタイプは、感情コントロールと関係しています。
●すぐできる対処法
「理想を下げる」
→完璧を求めない物理的に距離をとる
→一度その場を離れる身体を動かす
→走る・ストレッチなどで発散
ポイント
怒りは「抑える」より、外に逃がす・環境を変えるが効果的です。
●漢方
抑肝散(よくかんさん)
→イライラ・怒り・衝動性加味逍遙散(かみしょうようさん)
→怒り+気分の波
■どのタイプにも共通する考え方
PMSの感情は、「本来の自分」ではなく、状態としての揺らぎです。
そのため、
判断を先送りする
重要な決断をしない
自分を評価しない
といった「守りの姿勢」が有効です。
また、
睡眠を整える
軽い運動をする、入浴をするなど体をあたためる
血糖を安定させる、日々タンパク質をとるなど栄養に気を配る
といった生活面も、感情の安定に大きく影響します。
■まとめ
PMSの感情は、
悲しみ(内向き)
不安(未来への揺れ)
怒り(外向き)
という形で現れます。
そしてそれぞれに対して、
悲しみ:流す
不安:整理する
怒り:逃がす
というアプローチが有効です。
「コントロールしよう」とするよりも、扱い方を知ることが楽になるポイントです。
■最後に(漢方について)
漢方は比較的安全性が高く、PMSのセルフケアとして取り入れやすい選択肢です。ただし、市販の漢方製剤には乳糖(賦形剤)が含まれていることがあり、乳糖アレルギーや不耐症の方には合わない場合があります。体質に合うかどうかも含め、必要に応じて医療機関で相談することをおすすめします。
PMSは「我慢するもの」ではなく、「整えていくもの」です。
自分のタイプを知ることが、その第一歩になります。
*著者(蟹江絢子)は2026年2月から西荻窪駅であじさいクリニック 児童精神科・精神科・心療内科を開業しています。
実際のご相談をご希望の方は、こちらをご覧ください。
https://ajisai-clinic.com/
協力させていただいた「ソフィ YES to ME -私がわたしの味方になるプロジェクト-」でも詳しく説明しています。
https://www.sofy.jp/ja/yestome/index.html?utm_source=pr&utm_medium=site&utm_campaign=sofy_yestome_20260305
