商談化の基準がわからない時に営業と確認すべきこと
商談化の基準がわからない。
マーケティング担当者なら、一度はこの悩みにぶつかったことがあると思います。
リードは獲得できている。
資料請求も増えている。
セミナー参加者も集まっている。
問い合わせもゼロではない。
それなのに、営業からはこう言われる。
「このリードはまだ商談じゃないですね」
「温度感が低いです」
「追ってもなかなか進まないです」
「マーケから来るリードの基準がちょっと曖昧です」
こう言われると、マーケティング側としてはかなり苦しくなります。
「では、どの状態なら商談化なのか」
「アポイントが取れたら商談化でいいのか」
「資料請求した人は営業に渡していいのか」
「営業が追いたいリードと、マーケが渡したいリードの違いは何なのか」
このあたりが曖昧なままだと、マーケティングの成果も営業の動きもかみ合わなくなります。
私自身も、広告代理店でプランナーをしていた時、BtoCの会社でマーケターをしていた時、そして今のように大手町の企業でBtoBマーケターとして仕事をしている中で、何度もこの問題に向き合ってきました。
特にBtoBマーケティングでは、リード獲得数だけでは成果を語れません。
資料請求が増えた。
問い合わせが増えた。
セミナー参加者が増えた。
もちろん、それ自体は大事です。
ただ、そのリードが営業にとって追う価値のある状態なのか。
商談として進められる状態なのか。
最終的に受注につながる可能性があるのか。
ここまで見ないと、本当の意味での成果は判断しにくいです。
結論から言うと、商談化の基準がわからない時に最初にやるべきことは、営業と一緒に「どの状態を商談と呼ぶのか」を言語化することです。
マーケティング側だけで基準を作っても、営業が追いにくければ使われません。
営業の感覚だけで決めても、マーケティング施策に落とし込めません。
だからこそ、商談化の基準は、営業とマーケティングが一緒に作る必要があります。
商談化の基準には、いくつか見るべきポイントがあります。
・顧客の課題が明確になっているか
・導入を検討する理由があるか
・予算や費用感の会話ができているか
・決裁者や関係者が見えているか
・導入時期や検討スケジュールがあるか
・次回の具体的なアクションが決まっているか
・自社のターゲット企業や提案先に合っているか
こうした条件を営業と確認せずに、リード獲得数だけを追ってしまうと、後でズレが起きます。
マーケティング側は「これだけリードを渡しているのに」と感じる。
営業側は「追っても商談にならないリードが多い」と感じる。
経営側は「広告費や施策費をかけているのに、売上につながっているのか」と不安になる。
この状態は、どの立場にとってもよくありません。
この記事では、商談化の基準がわからない時に、営業と何を確認すべきかを順番に整理していきます。
具体的には、次のようなことを見ていきます。
・そもそも商談化とはどの状態を指すのか
・リード獲得と商談化を混同していないか
・営業が商談と呼んでいる案件の条件は何か
・商談化基準が曖昧だと何が起きるのか
・営業と確認すべき基本条件は何か
・MQLとSQLをどう分けるべきか
・スコアリングにどう落とし込むか
・基準を運用し、改善していくには何を見るべきか
この記事を読むと、商談化の基準がわからない状態から、営業と話し合うべき項目が具体的にわかるようになります。
「とりあえず資料請求があったから営業に渡す」
「アポイントが取れたから商談化とする」
「営業が商談と言っているから商談化で数える」
こうした曖昧な運用から抜け出して、営業もマーケティングも納得できる基準を作るための考え方を整理できます。
商談化の基準は、難しい言葉で作る必要はありません。
大事なのは、営業が追いやすい状態を具体的にすることです。
受注につながりやすいリードの共通点を見つけることです。
そして、一度決めた基準をそのまま放置せず、運用しながら見直すことです。
商談化の基準がはっきりすると、マーケティングの改善も進めやすくなります。
どのチャネルから質の高いリードが来ているのか。
どの資料請求が商談につながりやすいのか。
どのセミナー参加者を営業が優先すべきなのか。
どの条件のリードは追わない方がいいのか。
こうした判断ができるようになります。
商談化の基準は、マーケティング部門だけの話ではありません。
営業と一緒に売上を作るための共通言語です。
だからこそ、わからないままにせず、今日からひとつずつ言葉にしていきましょう。
商談化の基準がわからない時に最初に確認すべきこと
商談化の基準がわからない時、最初に確認すべきなのは、言葉の定義です。
実は、営業とマーケティングで「商談化」という言葉の意味がズレていることはよくあります。
マーケティング側は、営業に渡した時点で商談化と考えている。
営業側は、顧客と具体的な課題や予算の話ができて初めて商談化と考えている。
経営側は、売上見込みが立ち始めた案件を商談と見ている。
同じ言葉を使っているのに、中身が違う。
これが一番危ない状態です。
商談化とはどの状態を指すのかを営業とそろえる
まず営業と確認したいのは、「商談化とはどの状態を指すのか」です。
アポイントが取れたら商談化なのか。
初回打ち合わせを実施したら商談化なのか。
顧客の課題が明確になったら商談化なのか。
提案機会が生まれたら商談化なのか。
見積もりや提案書の話になったら商談化なのか。
ここを曖昧にしたまま数字を見ても、正しい判断はできません。
たとえば、マーケティング側が「今月は30件商談化しました」と言っても、営業側が「いや、実際に提案まで進みそうなのは5件です」と感じていたら、完全にズレています。
このズレがあると、数字の会話がかみ合いません。
マーケティングは成果が出ていると思う。
営業は質が低いと思う。
経営はどちらを信じればいいかわからなくなる。
だから最初に、商談化の定義を言語化する必要があります。
おすすめは、営業と一緒に次のように決めることです。
・商談化と呼ぶ最低条件は何か
・アポイントだけで商談化に含めるか
・課題確認ができていない案件を含めるか
・予算や時期が不明でも商談化にするか
・営業が案件として追う状態を商談化とするか
商談化の基準は、マーケティング側の報告都合ではなく、営業が案件として前に進められる状態から考えることが大切です。
リード獲得と商談化を同じ意味で扱っていないか確認する
次に確認したいのは、リード獲得と商談化を同じ意味で扱っていないかです。
これはBtoBマーケティングでかなり起きやすいです。
資料請求があった。
問い合わせフォームが送信された。
セミナーに参加した。
ホワイトペーパーをダウンロードした。
これらはリード獲得です。
でも、それだけで商談化とは限りません。
リード獲得は、相手の連絡先や興味のサインが取れた状態です。
商談化は、営業が具体的に案件として進められる状態です。
この2つは似ていますが、同じではありません。
たとえば、資料請求をした人が、ただ情報収集しているだけの可能性もあります。
セミナーに参加した人が、学生や同業他社の人かもしれません。
問い合わせをした人が、対象外の企業規模かもしれません。
それでもリードではあります。
しかし、営業が追うべき商談とは限りません。
ここを混同すると、マーケティングの評価がズレます。
リード数は増えているのに売上につながらない。
営業に渡す件数は増えているのに、商談化率が低い。
営業から「数はあるけど質が弱い」と言われる。
こうした問題が起きます。
確認すべきなのは、リード獲得の数と商談化の数を分けて見ているかです。
・リード獲得数
・有効リード数
・営業引き渡し数
・商談化数
・受注数
このように段階を分けると、どこで詰まっているのかが見えます。
リード獲得は入口です。
商談化は営業が案件として前に進める状態です。
この違いを営業とそろえるだけで、会話はかなり前に進みます。
アポイント獲得だけで商談化と判断してよいか見直す
アポイントが取れたら商談化と数えている会社もあります。
これは悪いことではありません。
ただし、本当にそれでよいかは確認した方がいいです。
なぜなら、アポイントにはいろいろな質があるからです。
ただ話を聞いてみたいだけのアポイント。
情報収集目的のアポイント。
明確な課題があるアポイント。
比較検討中のアポイント。
導入時期が決まっているアポイント。
同じアポイントでも、商談としての重みは違います。
営業からすると、アポイントが入っていても、課題が曖昧で、予算も時期もなく、関係者も見えていない場合は、商談と呼びにくいことがあります。
一方で、マーケティング側はアポイントを獲得した時点で成果と見たくなります。
ここでズレが出ます。
もちろん、初回アポイントを商談化の基準にすること自体はできます。
ただ、その場合でも、アポイントの質を別で見る必要があります。
たとえば、次のように分けるとわかりやすいです。
・初回アポイント獲得
・課題確認済み商談
・提案可能商談
・見積もり提出済み商談
・受注見込み商談
このように段階を分ければ、アポイントの数も見ながら、質も確認できます。
アポイントだけで商談化と判断するなら、その後にどれくらい提案や受注につながっているかを必ず見ましょう。
アポイントは大事な前進です。
でも、アポイントがあることと、受注に近い商談であることは同じではありません。
営業が「商談」と呼んでいる案件の条件を洗い出す
商談化の基準を作る時は、営業が実際に「これは商談だ」と感じている案件を洗い出すことが大切です。
会議室で理想の基準を作るだけでは、現場で使えないことがあります。
営業が普段どのような案件を商談と呼んでいるのかを見た方が早いです。
まずは、直近で受注した案件を営業と一緒に振り返ります。
その案件は最初、どんな問い合わせだったのか。
誰から来たのか。
どんな課題を話していたのか。
予算感はあったのか。
決裁者は早い段階で見えていたのか。
導入時期は決まっていたのか。
こうした情報を見ていくと、受注につながる商談の共通点が見えてきます。
逆に、商談化したけれど失注した案件も見ます。
なぜ失注したのか。
課題が弱かったのか。
予算がなかったのか。
決裁者に会えなかったのか。
競合に負けたのか。
そもそもターゲット外だったのか。
この両方を見ることで、商談化基準は現実的になります。
営業に聞く時は、抽象的に「良い商談の条件は何ですか」と聞くだけでは足りません。
実際の案件を見ながら、「これはなぜ商談だと思ったのですか」と聞く方が具体的です。
商談化の基準は、理想論ではなく、受注と失注の現実から作る方が強いです。
商談化の基準が曖昧だと起きる問題
商談化の基準が曖昧だと、いろいろな問題が起きます。
最初は小さなズレに見えます。
でも、そのまま放置すると、マーケティング施策の評価も、営業活動の優先順位も、経営への報告もズレていきます。
特にBtoBでは、リード獲得から受注までの期間が長いことが多いです。
だからこそ、途中の基準が曖昧だと、どこを改善すべきか見えなくなります。
マーケティングの成果が正しく評価されなくなる
商談化の基準が曖昧だと、マーケティングの成果が正しく評価されなくなります。
マーケティング側は、リード数や商談化数を増やしているつもりでも、営業や経営から見ると「売上につながっているのか」がわかりにくくなります。
たとえば、資料請求が100件あったとします。
そのうち営業に50件渡したとします。
でも、実際に商談として進んだのが5件しかなければ、どこかにズレがあります。
この時、リード数だけを見ていると「成果が出ている」と見えてしまいます。
一方で、営業から見ると「追う価値のあるリードが少ない」と感じます。
これでは、同じ数字を見ても評価が分かれます。
マーケティングが本当に評価されるためには、リード獲得数だけでなく、商談化、受注、売上へのつながりを見せる必要があります。
そのためには、商談化の基準が必要です。
どの状態を商談化とするのかが決まっていれば、施策ごとの貢献が見えます。
・広告から来たリードは商談化しやすいのか
・セミナー参加者は商談化しやすいのか
・資料請求の中でもどの資料が強いのか
・どのチャネルが受注に近いリードを生んでいるのか
こうした判断ができるようになります。
商談化の基準は、マーケティングの成果を守るためにも必要です。
営業に渡したリードが放置されやすくなる
商談化の基準が曖昧だと、営業に渡したリードが放置されやすくなります。
マーケティング側からすると、「せっかく獲得したリードなのに、なぜ営業が追ってくれないのか」と感じることがあります。
でも営業側からすると、追うべき理由が見えていない場合があります。
この人はなぜ今検討しているのか。
どんな課題があるのか。
いつまでに導入したいのか。
誰が決めるのか。
予算はあるのか。
こうした情報がないままリードだけ渡されても、営業は優先順位をつけにくいです。
営業には既存案件もあります。
提案中の案件もあります。
受注に近い顧客対応もあります。
その中で、温度感のわからないリードを優先して追うのは難しいです。
だから、リードを営業に渡す時は、商談化の基準に沿った情報が必要です。
・どの施策から来たリードか
・どんな資料を見たか
・どんな課題に反応したか
・企業規模や業種はターゲットに合っているか
・次に何を知りたそうか
こうした情報があると、営業は動きやすくなります。
リードが放置されるのは、営業が怠けているからとは限りません。
追う理由が見えていないだけのこともあります。
営業がすぐ動ける状態で渡すこと。
これも商談化基準の大事な役割です。
商談化率の数字だけを見ても改善点がわからなくなる
商談化率は大事な指標です。
ただし、商談化の基準が曖昧なまま商談化率だけを見ても、改善点はわかりません。
たとえば、商談化率が低いとします。
この時、何が問題なのでしょうか。
リードの質が悪いのか。
営業の対応が遅いのか。
渡すタイミングが早すぎるのか。
ターゲットがズレているのか。
CTAが軽すぎて温度感の低い人を集めているのか。
商談化率だけでは判断できません。
数字は結果です。
原因を知るには、商談化の条件を分解する必要があります。
たとえば、商談化しなかった理由を記録しておくと、改善点が見えます。
・ターゲット外だった
・課題が曖昧だった
・予算がなかった
・時期が未定だった
・連絡がつかなかった
・競合調査だけだった
・営業が追うには情報が不足していた
こうした理由がわかると、マーケティング側で改善できます。
ターゲット外が多いなら、広告配信やフォーム項目を見直す。
課題が曖昧なら、コンテンツで課題を深める。
予算がない人が多いなら、訴求やCTAを見直す。
連絡がつかないなら、対応スピードや連絡方法を見直す。
商談化率は、理由とセットで見て初めて改善に使えます。
営業とマーケティングの認識ズレが大きくなる
商談化の基準が曖昧だと、営業とマーケティングの認識ズレが大きくなります。
マーケティングは「リードを渡している」と思う。
営業は「追えるリードが少ない」と思う。
マーケティングは「営業が対応してくれない」と思う。
営業は「マーケのリードは質が低い」と思う。
この状態になると、だんだん関係が悪くなります。
本当は同じ売上を目指しているはずなのに、互いに不満を持つようになります。
私もBtoBの現場で、このズレの怖さを感じることがあります。
数字の話をしているようで、実は言葉の定義がそろっていない。
同じ「商談」という言葉を使っているのに、見ている状態が違う。
これでは議論が前に進みません。
認識ズレを防ぐには、営業とマーケティングで共通言語を作ることが大事です。
・商談化とは何か
・MQLとは何か
・SQLとは何か
・営業が追うべきリードは何か
・追わないリードは何か
・どの情報があれば営業は動きやすいか
こうしたことを、言葉にしてそろえます。
曖昧なまま「質が低い」「もっと追ってほしい」と言い合っても、解決しません。
営業とマーケティングのズレは、感情の問題に見えて、実は定義の問題であることが多いです。
受注につながらない商談が増えてしまう
商談化の基準が曖昧だと、受注につながらない商談が増えることがあります。
一見すると、商談数が増えるのは良いことに見えます。
でも、商談の質が低ければ、営業工数が増えるだけです。
営業が時間をかけて対応しても、予算がない。
決裁者がいない。
導入時期が決まっていない。
課題が弱い。
ターゲット企業ではない。
このような商談が増えると、営業は疲弊します。
さらに、営業が本当に追うべき案件に時間を使えなくなる可能性もあります。
これはかなり大きな問題です。
商談化数を増やすことは大事です。
ただし、受注につながる商談を増やすことがもっと大事です。
そのためには、商談化の基準に質の条件を入れる必要があります。
・課題が明確か
・検討理由があるか
・予算感があるか
・決裁者や関係者が見えているか
・導入時期があるか
・自社のターゲットに合っているか
これらを見ずに商談化数だけを追うと、見かけの成果は増えます。
でも、受注にはつながりにくくなります。
商談化の目的は、商談数を増やすことだけではありません。
受注につながる可能性のある商談を増やすことです。
営業と確認すべき商談化の基本条件
商談化の基準を作る時は、営業と確認すべき基本条件があります。
難しいフレームワークを使う前に、まずはシンプルに考えた方がいいです。
顧客は何に困っているのか。
なぜ今検討しているのか。
お金の話はできるのか。
誰が決めるのか。
いつ導入したいのか。
このあたりが見えていると、営業は動きやすくなります。
顧客の課題が明確になっているか
商談化の基準で最初に見るべきなのは、顧客の課題が明確かどうかです。
課題が見えていない状態では、営業は提案しにくいです。
たとえば、「なんとなく情報収集しています」という状態と、「リードは増えているのに商談につながらず困っています」という状態では、商談の進めやすさがまったく違います。
課題が明確なら、営業は深掘りできます。
提案の方向性も作れます。
事例も出しやすくなります。
次回の話も進めやすくなります。
一方で、課題が曖昧なままだと、営業はサービス説明をするしかなくなります。
サービス説明だけの商談は、相手の温度感が上がりにくいです。
マーケティング側でできることは、リード獲得の段階で相手の課題を少しでも見えるようにすることです。
フォームで聞く。
資料のテーマから推測する。
セミナーの参加テーマを見る。
広告の訴求別に反応を分ける。
インサイドセールスで確認する。
こうした情報があるだけで、営業はかなり動きやすくなります。
課題が見えているリードは、営業が会話を始めやすいリードです。
解決したい目的や背景を聞けているか
課題が見えているだけでなく、なぜその課題を解決したいのかも大事です。
同じ課題でも、背景によって優先度は変わります。
たとえば、「商談化率を上げたい」という課題があるとします。
その背景が、経営から売上成長を求められているのか。
広告費が増えているのに成果が見えないのか。
営業からリードの質について不満が出ているのか。
新しい事業の立ち上げで早く案件を作りたいのか。
背景が違えば、提案の切り口も変わります。
目的や背景が聞けていると、営業は相手の本気度を判断しやすくなります。
ただ興味があるだけなのか。
本当に解決しないと困る状況なのか。
社内で問題として認識されているのか。
ここが見えると、商談化の質が上がります。
マーケティング側でも、コンテンツやフォームで背景を拾う工夫ができます。
・なぜ資料をダウンロードしたのか
・現在どんな課題があるのか
・いつまでに改善したいのか
・社内で検討しているテーマは何か
全部を最初から聞く必要はありません。
ただ、営業に渡す前に少しでも背景が見えていると、会話の入り方が変わります。
課題だけでなく、なぜ今それを解決したいのかを知ることが、商談化の質を高めます。
導入を検討する理由があるか
商談化の基準では、導入を検討する理由があるかも確認すべきです。
興味があることと、導入を検討する理由があることは違います。
たとえば、資料を見たい人はたくさんいます。
セミナーに参加する人もいます。
でも、その全員が導入を検討しているわけではありません。
導入を検討する理由がある人は、何かしら変えたい状況があります。
今のやり方に限界がある。
既存ツールに不満がある。
人手で対応するのが厳しい。
目標に対して成果が足りない。
上司から改善を求められている。
競合に遅れたくない。
こうした理由があると、営業は商談を進めやすくなります。
逆に、導入理由が弱い場合は、情報提供で終わることが多いです。
「参考になりました」
「社内で必要になったら検討します」
「今すぐではありません」
こうした反応で止まりやすくなります。
導入理由を確認するには、営業との初回会話が重要です。
ただ、マーケティング側でもヒントを拾えます。
たとえば、価格ページを見ている。
事例を複数見ている。
比較資料をダウンロードしている。
問い合わせ文に具体的な課題が書かれている。
こうした行動は、導入理由がある可能性を示します。
商談化の基準では、興味の有無だけでなく、導入を考える理由があるかを見ましょう。
予算や費用感の会話ができているか
BtoBの商談では、予算や費用感の会話も重要です。
もちろん、初回から詳しい予算がわかるとは限りません。
相手もまだ情報収集中かもしれません。
社内で予算が決まっていないこともあります。
それでも、費用感についてまったく話せない状態だと、商談として進めにくいことがあります。
営業が確認したいのは、細かい金額だけではありません。
お金をかけて解決するつもりがあるのか。
予算を取る可能性があるのか。
既存サービスにいくら使っているのか。
費用対効果をどう見ているのか。
誰が予算を判断するのか。
こうした会話ができるかどうかが大事です。
マーケティング側としては、予算が不明なリードをすべて除外する必要はありません。
ただし、営業に渡す時に「予算感は未確認です」とわかるようにしておくことは大切です。
予算の話が少しでもできているリードは、営業が次の提案を組み立てやすくなります。
逆に、費用感をまったく考えていないリードは、商談化まで時間がかかるかもしれません。
予算は、お金の有無だけを見るものではありません。
本当に解決に投資する意思があるかを見るための情報です。
決裁者や関係者が見えているか
商談化の基準では、決裁者や関係者が見えているかも重要です。
BtoBでは、ひとりだけで導入を決められることは多くありません。
担当者、上司、部門長、情報システム部門、購買部門、経営層など、複数の人が関わることがあります。
最初に接点を持った人が担当者だったとしても、それ自体は問題ありません。
大事なのは、その先に誰がいるのかが見えているかです。
決裁者は誰なのか。
影響力を持つ人は誰なのか。
利用する部門はどこなのか。
稟議に関わる人は誰なのか。
社内説明には何が必要なのか。
こうしたことが見えていると、営業は商談を進めやすくなります。
逆に、担当者だけが興味を持っていて、社内で話が広がらない場合は、商談が止まりやすいです。
マーケティング側でできることもあります。
たとえば、資料の中に上司へ説明しやすい情報を入れる。
導入事例を用意する。
費用対効果の考え方をまとめる。
比較表を用意する。
担当者が社内で話を進めやすい材料を渡すことも、商談化の支援になります。
商談化は、目の前の担当者だけでなく、その先の関係者まで見えているかで質が変わります。
導入時期や検討スケジュールがあるか
導入時期や検討スケジュールも、商談化基準に入れたい項目です。
いつか導入したい。
そのうち検討したい。
情報収集しているだけ。
この状態と、3か月以内に比較したい、次の期初までに導入したい、来月中に候補を決めたい、という状態では、商談の進み方が違います。
時期が見えていると、営業は優先順位をつけやすくなります。
次回提案のタイミングも決めやすくなります。
必要な資料や関係者の巻き込み方も考えやすくなります。
もちろん、時期が未定だからといって価値がないわけではありません。
BtoBでは検討期間が長いこともあります。
今はまだ早くても、将来的に大きな案件になることもあります。
ただし、商談化の基準としては、時期があるかどうかを見た方がよいです。
時期があるリードは、営業がすぐ追うべき可能性が高い。
時期が未定のリードは、マーケティングでナーチャリングする方が合うかもしれない。
このように分けられます。
導入時期は、営業が今追うべきか、マーケティングで温めるべきかを判断する大事な材料です。
BtoBマーケティングで商談化基準を作る時の考え方
BtoBマーケティングで商談化基準を作る時は、営業に渡す前の状態と、営業が追うべき状態を分けることが大切です。
すべてのリードを同じように扱うと、営業の優先順位がつけにくくなります。
資料請求した人。
問い合わせした人。
セミナーに参加した人。
価格ページを見た人。
事例を読んだ人。
それぞれ検討度は違います。
MQLとSQLの違いを営業と明確にする
商談化基準を作る時に大事なのが、MQLとSQLの違いを明確にすることです。
MQLは、マーケティング側が有望だと判断したリードです。
SQLは、営業が実際に追うべきだと判断したリードです。
この違いが曖昧だと、営業とマーケティングの会話がズレます。
マーケティング側は「このリードは反応が高いので有望です」と考える。
営業側は「でも、まだ案件として追うには情報が足りません」と感じる。
どちらも間違っていません。
見ている段階が違うだけです。
だから、MQLとSQLの基準を分ける必要があります。
MQLでは、行動や属性を見ることが多いです。
・資料をダウンロードした
・セミナーに参加した
・価格ページを見た
・ターゲット業種に合っている
・企業規模が合っている
SQLでは、営業が追える状態かを見ます。
・課題が確認できている
・導入理由がある
・予算や時期の会話ができている
・関係者が見えている
・次回アクションがある
この違いを営業とそろえると、リードの扱いが整理されます。
MQLは営業に渡す候補。
SQLは営業が案件として追う状態。
このように分けて考えると、商談化の基準が作りやすくなります。
問い合わせ、資料請求、セミナー参加で基準を変える
すべてのリードを同じ基準で見ると、判断を間違えることがあります。
問い合わせ、資料請求、セミナー参加では、ユーザーの温度感が違います。
問い合わせは、比較的検討度が高いことが多いです。
相手から具体的に連絡してきているため、営業が早く対応すべき場合が多いです。
資料請求は、興味の幅が広いです。
情報収集の人もいれば、比較検討中の人もいます。
資料のテーマによって温度感も変わります。
セミナー参加は、テーマへの関心はあります。
ただ、参加しただけで導入意向が高いとは限りません。
参加後の行動やアンケート回答を見た方がよいです。
このように、入口によって基準を変えることが大切です。
たとえば、問い合わせは営業がすぐ確認する。
資料請求は属性と行動を見て優先順位をつける。
セミナー参加はアンケートや参加後の行動を見て判断する。
このように分けると、営業も動きやすくなります。
すべてを同じ基準で営業に渡すと、温度感の高いリードが埋もれることがあります。
リードの種類ごとに商談化基準を変えることで、営業の優先順位がつけやすくなります。
行動データだけで商談化を判断しない
MAやCRMを使っていると、行動データを見てリードの温度感を判断したくなります。
資料を何回ダウンロードした。
メールを何回開封した。
サイトを何ページ見た。
価格ページを見た。
セミナーに参加した。
こうした行動データは大事です。
ただし、行動データだけで商談化を判断するのは危険です。
なぜなら、行動が多くても、ターゲットに合っていない場合があるからです。
たとえば、同業他社の人が調査目的で資料を見ているかもしれません。
学生が勉強のために資料を見ているかもしれません。
対象外の企業規模の人が興味本位で見ているかもしれません。
行動量だけを見ると高スコアに見えます。
でも、営業が追うべきリードとは限りません。
商談化を判断する時は、行動データと属性情報を組み合わせる必要があります。
どんな企業なのか。
どの業種なのか。
どの部署なのか。
役職は何か。
自社のターゲットに合っているか。
検討度の高い行動をしているか。
ここまで見て、営業に渡すか判断します。
行動データは関心の強さを見る材料です。
ただし、商談化にはターゲットとの適合も必要です。
属性情報と検討度を組み合わせて判断する
商談化の基準では、属性情報と検討度を組み合わせることが大切です。
属性情報とは、その人や企業が自社のターゲットに合っているかを見る情報です。
・業種
・企業規模
・部署
・役職
・地域
・導入対象の部門
・既存の利用環境
検討度とは、どれくらい具体的に検討しているかを見る情報です。
・価格ページを見ている
・事例を読んでいる
・比較資料を見ている
・問い合わせをしている
・セミナー後に個別相談を希望している
・導入時期を入力している
この2つを分けて見ると、判断しやすくなります。
たとえば、属性は合っているけれど検討度が低いリードは、すぐ営業が追うよりもナーチャリングが合うかもしれません。
検討度は高いけれど属性が合っていないリードは、営業が追っても受注しにくいかもしれません。
属性も検討度も高いリードは、営業が優先して追うべきです。
この考え方を入れると、商談化基準が現実的になります。
リードを一律に良い悪いで判断するのではなく、どの状態かを分ける。
商談化は、関心の高さだけでなく、自社に合う相手かどうかも合わせて見る必要があります。
受注しやすいリードの共通点から逆算する
商談化基準を作る時は、受注しやすいリードの共通点から逆算することが大切です。
理想の基準を頭の中で作るより、実際に受注した案件を見る方が確実です。
直近で受注した案件を並べてみると、共通点が見えてきます。
・特定の業種が多い
・一定以上の企業規模が多い
・課題が明確だった
・決裁者が早く出てきた
・導入時期が決まっていた
・既存サービスへの不満があった
・比較検討が進んでいた
こうした共通点は、商談化基準に使えます。
逆に、商談化しても受注しにくい案件にも共通点があります。
・ターゲット外だった
・予算がなかった
・担当者だけで話が止まった
・時期が未定だった
・課題が弱かった
・競合調査だけだった
これも基準に反映できます。
受注しやすいリードを増やすには、受注した案件の入口を見直すことが大切です。
どの施策から来たのか。
どの資料を見たのか。
最初にどんな言葉に反応したのか。
どんなフォーム回答だったのか。
ここを見れば、マーケティング施策にも戻せます。
商談化基準は、受注につながるリードから逆算して作ると強くなります。
商談化の基準に入れるべき確認項目
ここからは、商談化の基準に入れるべき確認項目を整理します。
すべてを毎回完璧に確認する必要はありません。
ただ、営業と話す時の共通項目として持っておくと便利です。
何となく温度感が高い。
何となく良さそう。
何となく営業に渡した方がいい。
こうした感覚だけで判断しないために、確認項目を持っておきましょう。
企業規模や業種がターゲットに合っているか
まず確認したいのは、企業規模や業種がターゲットに合っているかです。
どれだけ興味が高くても、自社サービスに合わない企業だと受注しにくいことがあります。
たとえば、一定以上の従業員数が必要なサービスもあります。
特定業種に強いサービスもあります。
逆に、特定の業種では導入が難しい場合もあります。
企業規模や業種が合っていないリードを営業に大量に渡すと、営業工数が増えます。
対応しても受注につながりにくいため、現場の負担になります。
マーケティング側としては、ここを最初に見ておくことが大切です。
・自社の主要ターゲット業種か
・導入実績のある業種か
・企業規模は合っているか
・サービスの価格帯に合う規模か
・導入後に成果が出やすい企業か
もちろん、ターゲット外に見えても可能性がある場合はあります。
ただし、基準としては、まず自社が勝ちやすい相手を明確にしましょう。
商談化の基準では、興味の強さだけでなく、自社が価値を出しやすい相手かを見ることが大切です。
部署や役職が提案先として適切か
次に見るべきなのは、部署や役職です。
BtoBでは、誰が問い合わせたかによって商談の進み方が変わります。
現場担当者からの資料請求。
マネージャーからの問い合わせ。
部長クラスからの相談。
経営層からの直接問い合わせ。
同じ問い合わせでも、提案の進め方は違います。
もちろん、担当者からのリードが悪いわけではありません。
担当者が情報収集し、上司に提案して、導入につながることもあります。
ただ、商談化基準としては、その人が提案先として適切かを見た方がいいです。
その部署は導入に関係しているのか。
その人は課題を理解しているのか。
社内で話を進められる立場か。
決裁者につなげられる可能性があるか。
ここを営業と確認します。
部署や役職がわかると、営業は話し方を変えられます。
現場担当者には業務課題や使いやすさを話す。
責任者には成果や投資対効果を話す。
経営層には事業インパクトを話す。
部署や役職は、商談の進め方を決める大事な情報です。
課題の緊急度が高いか
商談化の基準では、課題の緊急度も見たいポイントです。
課題があることと、今すぐ解決したいことは違います。
たとえば、次のような状態なら緊急度は高いかもしれません。
・今期中に成果改善を求められている
・既存のやり方で限界が出ている
・営業や現場から強い不満が出ている
・人手不足で業務が回らなくなっている
・上司や経営から改善指示が出ている
・今使っているサービスの更新時期が近い
こうした背景があると、商談は進みやすくなります。
一方で、「いつか改善したい」「情報として知っておきたい」という状態だと、すぐには商談化しにくいです。
マーケティング側で緊急度を確認するには、フォームやアンケートで聞く方法があります。
・現在の課題
・検討時期
・導入予定
・最も困っていること
・解決したい優先順位
こうした項目があると、営業が優先順位をつけやすくなります。
課題の緊急度が高いリードほど、営業がすぐ対応する価値が高くなります。
既存の解決策に不満があるか
既存の解決策に不満があるかどうかも、商談化の判断材料になります。
すでに何かしらの方法で対応している。
でも、うまくいっていない。
今のツールや外注先に不満がある。
手作業が多くて限界がある。
このような状態は、導入検討につながりやすいです。
BtoBでは、完全に何もしていない人よりも、すでに何かを試していて不満がある人の方が、商談が進みやすいことがあります。
なぜなら、課題の痛みを感じているからです。
比較する基準も持っています。
改善したい理由もあります。
営業としても、既存の不満がわかると提案しやすくなります。
今の何に困っているのか。
どこを改善したいのか。
何が満たされれば乗り換えを考えるのか。
こうした会話ができます。
マーケティング側でも、コンテンツでこの不満を拾うことができます。
・現在のやり方に限界を感じていませんか
・既存ツールで成果が出ない時の見直しポイント
・外注先を変える前に確認すべきこと
こうしたテーマに反応したリードは、既存の解決策に不満がある可能性があります。
不満は、商談のきっかけになります。
何に不満があるのかを見えるようにすることが大切です。
比較検討しているサービスがあるか
比較検討しているサービスがあるかどうかも、重要な確認項目です。
すでに他社サービスを見ている。
複数社から資料を取り寄せている。
社内で候補を比較している。
見積もりを集めている。
この状態なら、検討度は高い可能性があります。
ただし、競合比較があるということは、営業としては早く動く必要もあります。
相手が何を比較しているのか。
価格なのか。
機能なのか。
実績なのか。
サポートなのか。
導入のしやすさなのか。
ここを把握できると、提案の方向性が変わります。
比較検討中のリードは、商談化しやすい一方で、失注リスクもあります。
だから、営業とマーケティングで連携して、必要な情報を出すことが大切です。
・比較表
・導入事例
・よくある失敗
・選び方の資料
・料金の考え方
・社内説明用の資料
こうしたコンテンツがあると、比較検討中の相手を支援できます。
比較検討しているリードは、営業が早く状況を把握し、相手の判断基準に合わせて動く必要があります。
次回の具体的なアクションが決まっているか
商談化の質を見る時、次回の具体的なアクションが決まっているかはとても大事です。
初回で話して終わり。
資料を送って終わり。
また必要になったら連絡しますで終わり。
この状態では、商談として前に進みにくいです。
一方で、次のようなアクションが決まっているなら、商談化の質は高くなります。
・次回打ち合わせの日程が決まっている
・上司を含めた打ち合わせが決まっている
・追加資料を送った後に確認する予定がある
・見積もり提出のタイミングが決まっている
・社内検討後の連絡日が決まっている
次回アクションがあるということは、相手が検討を続ける意思を持っているということです。
営業としても、次に何をすればいいかが明確になります。
マーケティング側で商談化を判断する時も、アポイントが取れたかだけでなく、その先に具体的なアクションがあるかを見るとよいです。
次回が決まらない商談は、温度感が低い可能性があります。
もちろん、すぐに決まらない場合もあります。
ただ、その理由は記録しておいた方がいいです。
商談化は、話したことではなく、次に進む約束があるかで質が見えます。
営業とマーケティングで認識を合わせるための質問
商談化基準は、マーケティング側だけで考えても精度が上がりません。
営業に聞くべきことがあります。
営業が日々顧客と話しているからです。
ただし、聞き方も大切です。
「良いリードの条件を教えてください」と聞くだけだと、抽象的な答えになりやすいです。
具体的な案件を思い出してもらいながら聞く方が、使える基準になります。
どの状態なら営業がすぐに追いたいと思うか
最初に営業へ聞きたいのは、「どの状態ならすぐに追いたいと思うか」です。
営業にも優先順位があります。
すべてのリードを同じ熱量で追うことは難しいです。
だからこそ、営業がすぐ追いたい条件を明確にする必要があります。
たとえば、営業は次のような状態なら追いたいと感じるかもしれません。
・課題が具体的に書かれている
・導入時期が近い
・企業規模がターゲットに合っている
・役職者から問い合わせが来ている
・価格ページを見た後に資料請求している
・過去に商談履歴がある企業から再度反応があった
こうした条件がわかれば、マーケティング側でも優先順位をつけられます。
大事なのは、営業の感覚を責めるのではなく、言語化することです。
営業が「このリードは良さそう」と感じる時、そこには理由があります。
課題の書き方かもしれません。
会社名かもしれません。
問い合わせ文の具体性かもしれません。
過去の経験から見た受注可能性かもしれません。
その理由を聞き出すことで、商談化基準にできます。
営業が追いたいと思う状態を言葉にすることが、基準作りの第一歩です。
どのリードは商談化しにくいと感じるか
良いリードの条件だけでなく、商談化しにくいリードの条件も聞きましょう。
ここを聞くと、無駄な営業対応を減らせます。
商談化しにくいリードには、よくある特徴があります。
・ターゲット外の企業
・個人利用目的
・競合調査目的
・学生や情報収集だけの人
・課題が曖昧
・予算がまったくない
・導入時期が未定
・担当者だけで社内展開できない
もちろん、最初から完全に判断できない場合もあります。
ただ、営業がいつも困っている条件は基準に入れた方がいいです。
たとえば、営業から「この業種は毎回予算が合わないです」と言われるなら、スコアを下げる判断ができます。
「この資料経由は温度感が低いです」と言われるなら、営業に渡す前にナーチャリングする方がいいかもしれません。
商談化しにくいリードを把握すると、マーケティング施策も改善できます。
・広告配信のターゲットを絞る
・フォーム項目を追加する
・資料の訴求を変える
・営業に渡すタイミングを遅らせる
・ナーチャリング用のコンテンツに回す
追うべきリードを決めるには、追わないリードの条件も決める必要があります。
過去に受注した案件は最初にどんな反応だったか
商談化基準を作る時、過去に受注した案件の最初の反応を見ることはとても有効です。
受注した案件は、最初から受注しそうに見えていたのか。
どの施策から入ってきたのか。
どんな資料を見ていたのか。
問い合わせ文には何が書かれていたのか。
最初の会話でどんな課題を話していたのか。
ここを見ると、受注につながるリードのサインが見えてきます。
たとえば、受注案件の多くが、最初に事例資料を見ていたとします。
それなら、事例閲覧は商談化に近い行動として見る価値があります。
受注案件の多くが、問い合わせ時に具体的な課題を書いていたとします。
それなら、問い合わせ文の具体性を基準に入れる価値があります。
受注案件の多くが、部長クラスからの反応だったとします。
それなら、役職情報も重要な判断材料になります。
過去の受注案件は、商談化基準の答えに近い情報です。
感覚で基準を作るより、実際に売れた案件から逆算した方が強いです。
受注した案件の入口を見ることで、商談化しやすいリードの特徴が見えてきます。
失注した案件にはどんな共通点があるか
受注案件だけでなく、失注案件も見ましょう。
失注案件には、商談化基準を見直すヒントがあります。
なぜ失注したのか。
最初から予算がなかったのか。
決裁者に会えなかったのか。
競合に負けたのか。
時期が合わなかったのか。
課題が弱かったのか。
ターゲット外だったのか。
こうした共通点を見ると、商談化前に確認すべき項目が見えてきます。
たとえば、失注理由に「予算なし」が多いなら、早い段階で費用感を確認する必要があります。
「決裁者に会えない」が多いなら、関係者の確認を基準に入れた方がいいです。
「時期未定」が多いなら、導入スケジュールの確認が必要です。
失注は嫌な結果に見えます。
でも、基準改善の材料としてはとても重要です。
営業に失注理由を聞く時は、責める雰囲気にしないことが大切です。
目的は誰かを責めることではなく、次に受注しやすいリードを増やすことです。
失注案件を振り返ることで、商談化基準に入れるべき注意点が見えてきます。
商談化前にマーケティング側で確認してほしいことは何か
営業に必ず聞きたいのが、「商談化前にマーケティング側で何を確認してほしいか」です。
営業がリードを受け取った時に、毎回不足している情報があるかもしれません。
課題がわからない。
導入時期がわからない。
企業規模がわからない。
部署や役職がわからない。
資料請求の背景がわからない。
どの施策から来たのかわからない。
こうした不足情報があると、営業は初動で困ります。
マーケティング側が事前に少し確認するだけで、営業の動きやすさは変わります。
もちろん、フォームで聞きすぎるとCVRが下がることもあります。
だから、何でも聞けばいいわけではありません。
大事なのは、営業が本当に必要としている情報を絞ることです。
・営業が初回連絡で使える情報
・優先順位を判断する情報
・商談化しやすさを見分ける情報
・提案の切り口を作る情報
このあたりを中心に確認します。
マーケティング側で事前に確認する情報は、営業が動きやすくなるものに絞ることが大切です。
商談化基準をスコアリングに落とし込む方法
商談化基準を作ったら、次はスコアリングに落とし込むことを考えます。
スコアリングとは、リードの行動や属性に点数をつけて、優先順位を判断しやすくする方法です。
ただし、スコアリングは作れば終わりではありません。
設計を間違えると、営業が追いにくいリードばかり高スコアになることもあります。
行動スコアと属性スコアを分けて考える
スコアリングでは、行動スコアと属性スコアを分けて考えることが大切です。
行動スコアは、どれくらい興味を示しているかを見るものです。
・資料ダウンロード
・メールクリック
・価格ページ閲覧
・事例ページ閲覧
・セミナー参加
・問い合わせ
属性スコアは、自社のターゲットに合っているかを見るものです。
・業種
・企業規模
・部署
・役職
・地域
・既存環境
この2つを混ぜて見ると、判断がしやすくなります。
たとえば、行動スコアは高いけれど、属性スコアが低いリードがいます。
この場合、興味はあるけれど営業が追うべき相手ではない可能性があります。
逆に、属性スコアは高いけれど、行動スコアが低いリードもいます。
この場合、ターゲットには合っていますが、まだ温度感が低いかもしれません。
両方が高いリードは、営業が優先して追う候補になります。
商談化をスコアで見る時は、興味の強さとターゲット適合度を分けることが大切です。
資料ダウンロードだけで高スコアにしない
資料ダウンロードは大事な行動です。
ただし、資料をダウンロードしただけで高スコアにするのは危険です。
資料ダウンロードには、いろいろな目的があります。
情報収集。
勉強。
競合調査。
社内共有。
将来の検討。
すぐに導入したい検討。
このすべてを同じように扱うと、営業に渡すリードの質がばらつきます。
特にノウハウ系の資料は、幅広い人がダウンロードします。
便利なチェックリストや入門資料ほど、温度感の低い人も集まりやすいです。
だから、資料ダウンロードはスコアに入れつつも、それだけで商談化と判断しない方がよいです。
見るべきなのは、資料の種類とその後の行動です。
・導入事例を見たか
・価格ページを見たか
・複数回サイトに戻ってきたか
・比較資料を見たか
・問い合わせにつながったか
・セミナーにも参加したか
このような行動が重なると、検討度が高い可能性があります。
資料ダウンロードは入口です。
その後の行動と組み合わせて見ることで、商談化の判断がしやすくなります。
価格ページ閲覧や事例閲覧など検討度の高い行動を見る
スコアリングでは、検討度の高い行動を重く見ることが大切です。
すべての行動を同じ点数にすると、温度感が見えにくくなります。
たとえば、ブログ記事を1本読んだ人と、価格ページを見た人では、検討度が違う可能性があります。
ノウハウ資料を見た人と、導入事例を複数見た人でも違います。
検討度が高い行動には、次のようなものがあります。
・価格ページを見る
・導入事例を見る
・比較資料を見る
・料金資料をダウンロードする
・サービス資料を複数回見る
・問い合わせフォームまで進む
・セミナー後に個別相談を希望する
こうした行動は、具体的な検討に近い可能性があります。
特にBtoBでは、導入事例の閲覧は大事です。
自社に近い企業の事例を見る人は、導入後のイメージを持とうとしているかもしれません。
価格ページを見る人も、費用感を確認しようとしている可能性があります。
もちろん、これだけで商談化とは言い切れません。
ただ、営業が優先して確認するサインにはなります。
検討度の高い行動を見つけることで、営業が追うべきタイミングをつかみやすくなります。
営業が追いやすいリードに加点する
スコアリングでは、営業が追いやすいリードに加点することも大切です。
マーケティング側から見て反応が多いリードと、営業が追いやすいリードは必ずしも同じではありません。
営業が追いやすいリードとは、会話のきっかけが明確なリードです。
・具体的な課題を書いている
・導入時期を入力している
・役職が提案先に近い
・ターゲット企業に合っている
・過去に商談履歴がある
・事例や価格ページを見ている
・問い合わせ内容が具体的
こうしたリードは、営業が初回連絡をしやすいです。
「先日ダウンロードいただいた資料について」だけでなく、「リード獲得後の商談化について課題をお持ちとのことで」と話せるからです。
営業が追いやすいリードに加点すると、対応の優先順位が明確になります。
ただし、加点ルールは営業と一緒に決めた方がいいです。
マーケティング側だけで決めると、現場感とズレることがあります。
スコアリングは、点数をつけるためではなく、営業が動きやすくするために設計するものです。
商談化しにくい条件には減点ルールを入れる
スコアリングでは、加点だけでなく減点も大事です。
反応が多くても、商談化しにくい条件があるリードは、優先順位を下げた方がいい場合があります。
たとえば、次のような条件です。
・ターゲット外の業種
・企業規模が合わない
・学生や個人利用目的
・競合調査の可能性が高い
・フリーメールのみで企業情報が不明
・営業対象外の地域
・過去に明確な理由で失注している
こうした条件をすべて営業に渡すと、現場の負担が増えます。
もちろん、減点したからといって完全に捨てる必要はありません。
マーケティング側でナーチャリングする。
メルマガで情報提供する。
対象外として別管理する。
このように扱いを変えればよいです。
減点ルールがないスコアリングは、行動量が多い人ばかり高くなりがちです。
でも、行動量が多いことと、商談化しやすいことは別です。
商談化しにくい条件を減点することで、営業が本当に追うべきリードを見つけやすくなります。
商談化基準を作る時によくある失敗
商談化基準を作る時には、よくある失敗があります。
基準を細かくしすぎる。
営業の感覚だけで決める。
マーケティングの都合だけで作る。
一度決めたら見直さない。
商談化数だけを追って質を見ない。
どれも現場で起きやすいです。
基準を細かくしすぎて運用できなくなる
商談化基準を作る時、細かく作りすぎることがあります。
課題、予算、決裁者、時期、業種、企業規模、役職、行動履歴、資料閲覧、フォーム回答。
すべてを細かく条件に入れたくなります。
もちろん、細かく考えること自体は悪くありません。
ただし、運用できなければ意味がありません。
営業もマーケティングも忙しいです。
毎回複雑な基準を見ながら判断するのは大変です。
入力項目が多すぎると、CRMやMAの運用も崩れます。
基準は、現場で使えることが大切です。
最初から完璧な基準を作ろうとしなくて大丈夫です。
まずは重要な項目に絞ります。
・ターゲットに合っているか
・課題があるか
・検討理由があるか
・営業が追うべきタイミングか
・次のアクションがあるか
このくらいから始めても十分です。
運用しながら、必要に応じて追加すればよいです。
商談化基準は、精密さよりも、現場で使えることが大切です。
営業の感覚だけで決めてしまう
営業の意見はとても大事です。
営業は顧客と直接話しています。
受注や失注の感覚も持っています。
だから、商談化基準を作る時に営業の声を聞くことは欠かせません。
ただし、営業の感覚だけで決めるのも危険です。
営業によって、良いリードの感じ方が違うことがあります。
経験豊富な営業と新人営業では、判断基準が違うかもしれません。
得意な業界や商材によっても、感覚は変わります。
そのため、営業の声は大事にしつつ、データでも確認する必要があります。
過去に受注した案件はどうだったか。
商談化後の受注率はどうか。
チャネル別に違いはあるか。
失注理由には何が多いか。
こうしたデータと営業の感覚を合わせて見ると、基準の精度が上がります。
営業の感覚は、現場の知恵です。
ただし、それをそのままルールにするのではなく、言語化し、数字で確認することが大切です。
営業の感覚は出発点です。
基準にするには、データと合わせて検証する必要があります。
マーケティングの都合だけで基準を作ってしまう
マーケティングの都合だけで基準を作るのも失敗しやすいです。
たとえば、リード数を多く見せたい。
商談化数を増やしたい。
施策の成果を良く見せたい。
こうした気持ちが強くなると、基準が甘くなることがあります。
資料請求したら商談化。
アポイントが取れたら商談化。
フォーム送信があれば商談化。
このようにすると、数字は増えます。
でも、営業が追っても受注につながらなければ意味がありません。
マーケティングの成果は、営業や売上とつながって初めて強くなります。
だから、基準を作る時は営業が追える状態かを必ず入れる必要があります。
営業が追いにくいリードを大量に渡すと、関係が悪くなります。
営業から信頼されなくなると、マーケティング施策の価値も伝わりにくくなります。
マーケティングの都合だけで作る基準は、短期的には数字を良く見せるかもしれません。
でも、長期的には改善を難しくします。
商談化基準は、マーケティングの報告のためではなく、営業と一緒に売上を作るためのものです。
一度決めた基準を見直さない
商談化基準は、一度決めたら終わりではありません。
市場も変わります。
商品も変わります。
営業体制も変わります。
ターゲットも変わります。
チャネルも変わります。
それなのに、昔決めた基準をずっと使い続けると、現状と合わなくなります。
たとえば、以前は資料請求から商談化しやすかったけれど、今はノウハウ資料のダウンロードが増えて温度感が下がっているかもしれません。
以前は特定の業種が強かったけれど、今は別の業種の方が受注しやすいかもしれません。
以前は問い合わせが少なかったので全部営業が追っていたけれど、今は件数が増えて優先順位が必要になっているかもしれません。
このように、基準は変わります。
だから、定期的に見直す場が必要です。
月に一度でもよいです。
四半期に一度でもよいです。
営業とマーケティングで数字を見ながら、基準が今も合っているかを確認します。
商談化基準は、作ることよりも、運用しながら見直すことが大切です。
商談化数だけを追って質を見なくなる
商談化数を追うことは大事です。
ただし、商談化数だけを見ると、質が見えなくなります。
商談化数が増えた。
でも、受注率が下がった。
営業工数が増えた。
失注が増えた。
温度感の低い商談が増えた。
これでは、良い改善とは言えません。
商談化数を見る時は、必ず質も見ます。
・商談化後の受注率
・商談化後の失注理由
・平均受注単価
・営業対応工数
・商談獲得単価
・チャネル別の商談の質
こうした指標を一緒に見ることで、商談化の本当の価値がわかります。
マーケティングとしては、数を増やすことも必要です。
でも、営業と一緒に売上を作るなら、質を見ないわけにはいきません。
商談化数は入口の成果です。
本当に見るべきなのは、その商談が受注につながっているかです。
商談化基準を運用するための仕組み
商談化基準は、作っただけでは機能しません。
現場で使われる仕組みにする必要があります。
CRMやMAの項目。
リード引き渡しのルール。
営業からのフィードバック。
商談化しなかった理由の記録。
定例会での確認。
こうした仕組みがあって、基準は初めて運用されます。
CRMやMAで商談化の定義を統一する
商談化基準を運用するには、CRMやMAで定義を統一することが大切です。
口頭で決めただけでは、現場でズレます。
ある営業は初回アポイントで商談化にする。
別の営業は提案書を出してから商談化にする。
マーケティングは営業に渡した時点で商談化として見る。
このようになると、数字が信用できません。
だから、CRMやMAのステータスをそろえる必要があります。
・リード
・MQL
・SQL
・商談化
・提案中
・受注
・失注
このように段階を定義します。
それぞれの状態に入る条件も決めます。
どの条件ならMQLなのか。
どの条件ならSQLなのか。
どの条件なら商談化なのか。
誰がステータスを変更するのか。
ここまで決めておくと、数字がそろいます。
商談化の定義は、会議で話すだけでなく、CRMやMAの運用に反映して初めて機能します。
リード引き渡し時の必須項目を決める
営業にリードを渡す時は、必須項目を決めておくとよいです。
何の情報もないままリードだけ渡されると、営業は困ります。
会社名とメールアドレスだけ。
どの資料を見たか不明。
何に困っているか不明。
導入時期も不明。
過去接点も不明。
これでは、営業は初回連絡の切り口を作りにくいです。
引き渡し時に必要な項目は、営業と相談して決めます。
たとえば、次のような情報です。
・会社名
・部署や役職
・流入元や接点
・ダウンロードした資料
・問い合わせ内容
・関心テーマ
・想定課題
・導入時期
・過去の接点
・優先度
すべてを必須にすると大変です。
だから、最低限必要な項目と、あればよい項目を分けると運用しやすいです。
リード引き渡しは、連絡先を渡すことではありません。
営業が会話を始められる情報を渡すことです。
営業が対応した結果をマーケティングに戻す
商談化基準を改善するには、営業が対応した結果をマーケティングに戻す必要があります。
営業に渡して終わりでは、マーケティングは学べません。
そのリードは商談化したのか。
商談化しなかったのか。
なぜ商談化しなかったのか。
商談化した後、受注したのか。
失注したなら理由は何か。
こうした結果が戻ってくることで、マーケティング施策を改善できます。
たとえば、ある資料経由のリードは商談化率が高いとわかれば、その資料を強化できます。
逆に、ある広告経由のリードは数は多いけれど商談化しにくいとわかれば、訴求やターゲットを見直せます。
営業フィードバックは、マーケティング改善の材料です。
ただし、営業に細かすぎる入力を求めると運用されません。
選択式でもよいので、簡単に戻せる仕組みが必要です。
営業の対応結果が戻ってこないと、マーケティングは本当の改善ができません。
商談化しなかった理由を記録する
商談化しなかった理由を記録することも大切です。
これをやっていない会社は意外と多いです。
商談化しなかったリードがある。
でも、なぜ商談化しなかったのかわからない。
すると、次の改善ができません。
商談化しなかった理由は、選択式で記録すると運用しやすいです。
・ターゲット外
・課題が不明
・予算なし
・時期未定
・連絡不通
・情報収集のみ
・競合調査
・担当者のみで進まない
・営業対応の優先度が低い
こうした理由が蓄積されると、改善点が見えます。
ターゲット外が多いなら、集客の設計を見直します。
予算なしが多いなら、訴求やCTAを見直します。
時期未定が多いなら、ナーチャリング施策を強化します。
連絡不通が多いなら、対応スピードや連絡方法を見直します。
商談化しなかった理由は、失敗ではなく改善の材料です。
定例会で基準のズレを確認する
商談化基準は、定例会でズレを確認することが大切です。
一度決めても、現場で使っているうちにズレが出ます。
営業は基準より厳しく見ているかもしれません。
マーケティングは基準より広く渡しているかもしれません。
あるチャネルだけ質が変わっているかもしれません。
新しい施策でリードの性質が変わっているかもしれません。
だから、営業とマーケティングで定期的に確認します。
見るべきことはシンプルです。
・商談化基準は今も現場に合っているか
・営業が追いやすいリードは増えているか
・商談化しにくいリードはどこから来ているか
・受注につながるリードの特徴は変わっていないか
・基準を変えるべき項目はあるか
この会話を続けることで、基準は強くなります。
定例会は、責任を押し付け合う場ではありません。
営業とマーケティングが一緒に売上を作るための場です。
商談化基準は、定期的に確認してこそ現場で使える基準になります。
商談化基準を改善する時に見るべき指標
商談化基準は、感覚だけで改善してはいけません。
営業の声も大事です。
マーケティングの感覚も大事です。
ただし、数字も見ないと判断を間違えます。
見るべき指標は、商談化率だけではありません。
受注率、失注理由、対応時間、チャネル別の質、商談獲得単価まで見ると、改善の方向が見えてきます。
商談化率だけでなく受注率まで見る
商談化率は重要です。
でも、商談化率だけでは不十分です。
商談化した後に受注しているかまで見る必要があります。
商談化率が高くても、受注率が低ければ、基準が甘い可能性があります。
商談として数えているけれど、実際には受注につながりにくい案件が多いかもしれません。
逆に、商談化率は低くても、受注率が高い場合があります。
この場合、営業に渡す基準は厳しいけれど、質は高いかもしれません。
どちらが良いかは、事業の状況によって変わります。
ただ、商談化率だけで判断すると、質が見えません。
見るべきなのは、商談化から受注までの流れです。
・リード獲得数
・商談化数
・商談化率
・受注数
・受注率
・受注単価
この流れで見ると、どこに課題があるかがわかります。
商談化基準の良し悪しは、商談化した数だけでなく、受注につながったかで判断する必要があります。
商談化後の失注理由を確認する
商談化後の失注理由は、基準改善にとても役立ちます。
商談化したのに失注した。
これは悪いことだけではありません。
なぜ失注したのかを見れば、基準を改善できます。
失注理由にはいろいろあります。
・予算が合わなかった
・競合に負けた
・決裁者の承認が取れなかった
・導入時期が延びた
・課題の優先順位が下がった
・機能要件が合わなかった
・そもそもターゲット外だった
この中には、商談化前に確認できたこともあります。
たとえば、予算なしが多いなら、費用感の確認を早める。
決裁者の承認が取れないなら、関係者確認を基準に入れる。
時期が延びる案件が多いなら、導入スケジュールを確認する。
ターゲット外が多いなら、属性基準を見直す。
失注理由を見ないと、同じ失注を繰り返します。
失注理由は、営業だけの反省材料ではありません。
商談化基準を改善するための重要な情報です。
営業対応までの時間を見る
営業対応までの時間も、商談化に影響します。
せっかく良いリードが来ても、対応が遅れると温度感が下がることがあります。
問い合わせをした直後は、相手の関心が高いです。
資料をダウンロードした直後も、課題について考えている可能性があります。
セミナー直後も、内容が頭に残っています。
このタイミングを逃すと、商談化しにくくなることがあります。
もちろん、すべてのリードに即対応するのは難しいです。
だからこそ、商談化基準で優先度をつけることが大事です。
優先度の高いリードは早く対応する。
温度感が低いリードはナーチャリングに回す。
営業が追うべきリードだけを明確にする。
この仕組みがあると、対応スピードも改善しやすくなります。
見るべき指標は、リード発生から初回対応までの時間です。
・問い合わせから何分後に対応したか
・資料請求から何日後に連絡したか
・セミナー後いつフォローしたか
・対応が早い時と遅い時で商談化率が違うか
商談化は、リードの質だけでなく、営業対応の速さにも左右されます。
チャネル別に商談化の質を比較する
商談化基準を改善する時は、チャネル別に質を見ることも大事です。
すべてのチャネルを同じように評価すると、判断を間違えることがあります。
広告から来たリード。
自然検索から来たリード。
セミナーから来たリード。
展示会から来たリード。
紹介から来たリード。
メルマガから再度反応したリード。
それぞれ、商談化率も受注率も違うはずです。
たとえば、広告はリード数が多いけれど商談化率が低いかもしれません。
セミナーは数は少ないけれど商談化率が高いかもしれません。
自然検索は受注率が高いかもしれません。
展示会は営業フォロー次第で差が出るかもしれません。
チャネル別に見ると、どこに投資すべきかがわかります。
リード獲得単価だけを見ると、安いチャネルが良く見えることがあります。
でも、商談化や受注まで見ると、実は高くても質の良いチャネルがあるかもしれません。
チャネル別に商談の質を見ることで、マーケティング投資の判断がしやすくなります。
リード獲得単価ではなく商談獲得単価で見る
マーケティングでは、リード獲得単価を見がちです。
1件のリードをいくらで獲得できたか。
これは大事な指標です。
ただし、BtoBではリード獲得単価だけでは判断できません。
安くリードを取れても、商談化しなければ営業成果につながりません。
高くリードを取っても、商談化率や受注率が高ければ、結果的に効率がよいことがあります。
だから、商談獲得単価を見る必要があります。
商談獲得単価とは、1件の商談を作るためにかかった費用です。
リード獲得単価が低い施策でも、商談化率が低ければ商談獲得単価は高くなります。
逆に、リード獲得単価が高くても、商談化率が高ければ商談獲得単価は低くなることがあります。
この見方をすると、施策の評価が変わります。
単にリードを安く集めるのではなく、営業が追う価値のある商談を効率よく作る。
これがBtoBマーケティングでは重要です。
商談化の基準があると、リード獲得単価ではなく、商談獲得単価で施策を評価できるようになります。
商談化の基準がわからない時の実践チェックリスト
ここまで、商談化の基準についてかなり細かく整理してきました。
ただ、実際の現場では、毎回すべてを完璧に考えるのは大変です。
そこで、最後に実践チェックリストとしてまとめます。
営業と話す時。
MQLやSQLを見直す時。
スコアリングを作る時。
商談化率が悪い時。
このチェックリストを使うと、どこから確認すればよいかが見えやすくなります。
営業と商談化の定義を言語化できているか
まず確認すべきなのは、営業と商談化の定義を言語化できているかです。
「商談化」という言葉を使っていても、営業とマーケティングで意味が違うことがあります。
マーケティングは営業に渡した時点で商談化と考えている。
営業は課題や予算の話ができて初めて商談化と考えている。
経営は受注見込みが立ち始めた案件を商談と見ている。
この状態では数字がズレます。
まずは、商談化の最低条件を決めましょう。
・アポイント獲得で商談化とするのか
・初回商談実施で商談化とするのか
・課題確認まで必要なのか
・提案可能な状態まで必要なのか
・営業が案件として追う状態を商談化とするのか
言葉にできていない基準は、現場では使えません。
商談化の定義を言語化することが、営業とマーケティングの共通言語になります。
MQLとSQLの違いが明確か
次に、MQLとSQLの違いを確認します。
MQLは、マーケティング側が有望だと判断したリードです。
SQLは、営業が追うべきだと判断したリードです。
この違いが曖昧だと、営業への引き渡しでズレが出ます。
MQLは行動や属性で判断します。
SQLは、営業が案件として進められるかで判断します。
たとえば、資料ダウンロードして、ターゲット業種に合っていればMQLかもしれません。
でも、課題や時期が見えていなければ、まだSQLではないかもしれません。
この違いを整理しておくと、リードの扱いが明確になります。
営業にすぐ渡すリード。
ナーチャリングするリード。
優先度を下げるリード。
対象外として扱うリード。
こうした分類ができます。
MQLとSQLを分けることで、営業に渡すタイミングと基準が整理されます。
課題、予算、決裁者、時期を確認できているか
商談化を判断する時は、課題、予算、決裁者、時期を確認できているかを見ましょう。
これは商談の基本です。
課題がなければ、提案の理由が弱いです。
予算の話ができなければ、導入の現実感が見えません。
決裁者や関係者が見えなければ、社内で話が進みません。
時期がなければ、営業が今追うべきか判断しにくいです。
もちろん、すべてが完璧にそろっていないと商談化できないわけではありません。
ただ、どこまで確認できているかを把握することが大切です。
たとえば、課題と時期はあるが予算は未確認。
課題はあるが決裁者が見えていない。
予算感はあるが導入時期が未定。
このように状態がわかれば、次に何を確認すべきか見えます。
商談化基準は、情報があるかないかだけでなく、次に確認すべきことを明確にする役割もあります。
営業が追うべきリードと追わないリードを分けられているか
商談化基準では、営業が追うべきリードと追わないリードを分けることも大切です。
すべてのリードを営業に渡すと、営業は優先順位をつけにくくなります。
結果として、本当に温度感の高いリードへの対応が遅れることがあります。
追うべきリードは、営業が今動く価値のあるリードです。
・ターゲットに合っている
・課題が明確
・検討度が高い
・導入時期がある
・関係者が見えている
・次回アクションにつながりそう
一方で、今すぐ営業が追わない方がよいリードもあります。
・情報収集だけ
・ターゲット外
・時期未定
・予算なし
・個人利用目的
・競合調査の可能性が高い
追わないリードを切り捨てる必要はありません。
マーケティング側で育てればいいのです。
営業に渡すリードを絞ることは、機会損失ではなく、営業成果を高めるための優先順位づけです。
商談化後の結果をマーケティング改善に戻せているか
商談化後の結果をマーケティングに戻せているかも確認しましょう。
営業に渡して終わりでは、改善できません。
そのリードは商談化したのか。
提案まで進んだのか。
受注したのか。
失注したのか。
失注理由は何だったのか。
この情報が戻ってくることで、マーケティング施策を改善できます。
たとえば、ある広告から来るリードは数が多いけれど失注しやすい。
あるセミナーから来るリードは数は少ないけれど受注率が高い。
ある資料を見た人は商談化しやすい。
こうしたことがわかれば、施策の優先順位が変わります。
営業結果が戻ってこないと、マーケティングは入口の数字だけで判断するしかありません。
それでは、売上につながる改善は難しくなります。
商談化後の結果を戻すことで、マーケティングはリード獲得から売上貢献へ進化できます。
定期的に基準を見直す場があるか
最後に、定期的に基準を見直す場があるかを確認しましょう。
商談化基準は、一度作ったら終わりではありません。
施策が変われば、リードの質も変わります。
市場が変われば、顧客の検討行動も変わります。
営業体制が変われば、追うべきリードの優先順位も変わります。
だから、定期的に見直す必要があります。
月次や四半期で、営業とマーケティングが集まり、数字と実感を確認します。
・商談化率はどうか
・受注率はどうか
・失注理由は何が多いか
・営業が追いにくいリードは増えていないか
・良いリードの共通点は変わっていないか
・基準を緩めるべきか、厳しくすべきか
この会話を続けることで、基準は現場に合ったものになります。
商談化基準は、作るものではなく、育てるものです。
まとめ:商談化の基準は営業とマーケティングで一緒に作る
商談化の基準がわからない時、最初にやるべきことは、営業とマーケティングで言葉の意味をそろえることです。
リード獲得と商談化は違います。
アポイント獲得と商談化も、会社によって意味が違います。
MQLとSQLも、営業とマーケティングで定義をそろえないとズレます。
だからこそ、まずは「どの状態を商談化と呼ぶのか」を言語化することが大切です。
商談化の基準には、見るべき項目があります。
・顧客の課題が明確か
・解決したい背景があるか
・導入を検討する理由があるか
・予算や費用感の話ができるか
・決裁者や関係者が見えているか
・導入時期やスケジュールがあるか
・企業規模や業種がターゲットに合っているか
・次回の具体的なアクションが決まっているか
これらを営業と一緒に確認することで、商談化の判断がしやすくなります。
商談化基準が曖昧だと成果改善の打ち手も曖昧になる
商談化基準が曖昧だと、成果改善の打ち手も曖昧になります。
リード数が足りないのか。
リードの質が悪いのか。
営業対応が遅いのか。
商談化の定義が厳しすぎるのか。
逆に甘すぎるのか。
どのチャネルの質が良いのか。
こうしたことがわかりません。
その結果、改善が感覚になります。
もっとリードを増やそう。
もっと広告を出そう。
もっと営業に渡そう。
もっとセミナーを増やそう。
でも、本当の原因が違えば、成果は変わりません。
商談化基準が明確になると、どこに問題があるか見えます。
リード獲得まではできているが商談化していない。
商談化はしているが受注していない。
商談化率は高いが営業工数がかかりすぎている。
特定チャネルだけ質が低い。
このように分解できます。
基準が曖昧なままでは、改善も曖昧になります。
基準を言語化することで、打ち手も具体的になります。
営業が追いやすい状態を具体的に言語化する
商談化基準で大事なのは、営業が追いやすい状態を具体的にすることです。
営業に渡した後、すぐに会話を始められるか。
相手の課題が見えているか。
なぜ今検討しているのかがわかるか。
次に何を聞けばいいかが見えているか。
ここが重要です。
マーケティング側が「良さそう」と思うリードでも、営業が動ける情報がなければ商談化しにくいです。
だから、基準を作る時は営業に聞きましょう。
「どの状態ならすぐ追いたいですか」
「どんな情報があると初回連絡しやすいですか」
「逆に、どんなリードは商談化しにくいですか」
「過去に受注した案件は、最初どんな状態でしたか」
こうした質問から、営業が追いやすい条件が見えてきます。
商談化基準は、営業に渡す件数を増やすためではなく、営業が成果につなげやすい状態を作るためにあります。
受注につながるリードの条件から基準を逆算する
商談化基準は、受注につながるリードから逆算すると強くなります。
理想だけで作るのではなく、実際に受注した案件を見ます。
受注した案件は、最初にどのチャネルから来たのか。
どんな資料を見ていたのか。
どんな課題を話していたのか。
誰が問い合わせたのか。
導入時期はあったのか。
決裁者は早く出てきたのか。
ここにヒントがあります。
また、失注案件も見ます。
なぜ受注しなかったのか。
予算がなかったのか。
時期が合わなかったのか。
決裁者に会えなかったのか。
ターゲット外だったのか。
受注と失注の両方を見ることで、基準は現実的になります。
商談化は、数だけを追うものではありません。
受注につながる可能性のある案件を見極めるものです。
受注に近いリードの共通点を見つけ、それを基準に反映することが、商談化の質を高めます。
基準は作って終わりではなく運用しながら改善する
商談化基準は、作って終わりではありません。
CRMやMAに反映する。
リード引き渡し時の項目を決める。
営業対応の結果を戻す。
商談化しなかった理由を記録する。
定例会でズレを確認する。
ここまでやって、ようやく運用になります。
最初から完璧な基準を作ろうとしなくて大丈夫です。
むしろ、最初はシンプルでいいです。
まずは営業と話し、最低限の基準を決める。
その基準で運用してみる。
数字と現場の声を見ながら直す。
受注につながる条件を少しずつ反映する。
この流れが大切です。
商談化の基準がわからない状態は、不安です。
マーケティングの成果が見えにくくなります。
営業との会話もかみ合いにくくなります。
でも、基準を言語化すれば変えられます。
何をもって商談化とするのか。
営業が追うべきリードはどんな状態か。
どの情報があれば営業は動きやすいか。
どのチャネルが受注につながりやすいか。
これらが見えてくると、マーケティングの改善は一気に具体的になります。
商談化の基準は、営業とマーケティングの間にある線引きではありません。
営業とマーケティングが一緒に売上を作るための共通言語です。
まずは、営業とひとつの案件を見ながら話してみてください。
「この案件は、どの時点で商談化と見ればよかったですか」
「このリードは、何があればもっと追いやすかったですか」
「受注した案件には、最初からどんな共通点がありましたか」
こうした会話から始めれば大丈夫です。
基準は、いきなり完璧に作るものではありません。
営業と一緒に見直しながら、少しずつ強くしていくものです。
商談化の基準がはっきりすれば、リード獲得も、営業連携も、施策改善も、もっと進めやすくなります。
今日からまずは、営業と「商談化とはどの状態か」を言葉にするところから始めてみてください。
そこがそろうだけで、マーケティングと営業の会話はかなり変わります。
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