マーケティングKPI設計で失敗する原因。追う数字を間違えない方法
マーケティングKPIを設定しているのに、思ったように成果につながらない。
会議では毎月数字を見ている。
レポートも作っている。
PV、クリック数、リード数、CVR、CPAなど、追っている数字もたくさんある。
それなのに、売上が伸びない。
商談が増えない。
営業から「このリードは追いにくい」と言われる。
経営層から「結局、売上にどれくらい貢献しているの」と聞かれる。
こういう状態になると、マーケティング担当者はかなり苦しくなります。
「KPIは設定しているのに、なぜ成果が出ないんだろう」
「数字は見ているのに、なぜ改善につながらないんだろう」
「リード数は増えているのに、なぜ営業に喜ばれないんだろう」
「そもそも、どの数字を追えばいいんだろう」
私自身も、広告代理店でプランナーをしていた時、BtoCの会社でマーケティングをしていた時、そして今のように大手町の企業でBtoBマーケターとして仕事をしている中で、何度もこの悩みにぶつかってきました。
特にBtoBマーケティングでは、KPI設計が難しいです。
広告を出せば、クリック数は見えます。
LPを作れば、CVRは見えます。
資料を作れば、ダウンロード数は見えます。
セミナーを開催すれば、申込数や参加者数は見えます。
でも、それらの数字が本当に売上につながっているのかは、すぐには見えません。
BtoBは、検討期間が長いです。
一人の担当者だけで決まりません。
情報収集、比較、社内相談、稟議、商談、見積もり、受注までに時間がかかります。
だからこそ、目の前の数字だけを追っていると、マーケティングKPI設計で失敗しやすくなります。
結論から言うと、マーケティングKPI設計で失敗する一番の原因は、追いやすい数字と追うべき数字を混同してしまうことです。
PVは見やすいです。
クリック数も見やすいです。
リード数も見やすいです。
資料ダウンロード数も見やすいです。
でも、見やすい数字が、必ずしも事業成果に近い数字とは限りません。
本当に大事なのは、売上や受注から逆算して、途中で何を見ればよいかを決めることです。
つまり、KPIはただ置くものではありません。
売上に向かう道筋を分解して、現場が改善できる数字に落とし込むものです。
この記事では、マーケティングKPI設計で失敗する原因と、追う数字を間違えない方法を整理していきます。
具体的には、次の流れで見ていきます。
・KPIを設定しているのに成果につながらない理由
・マーケティングKPIとKGIの違い
・BtoBマーケティングで見るべきKPI
・追ってはいけない数字
・リード数至上主義の落とし穴
・施策別に見るべきKPI
・営業とマーケティングで数字をそろえる方法
・経営層に伝わるKPIの作り方
・KPIを改善につなげる運用方法
この記事を読むと、マーケティングKPI設計で失敗しないために、どの数字を追うべきかが整理できます。
ただ数字を並べるのではなく、売上につながる数字、現場の行動が変わる数字、営業と認識をそろえられる数字を考えられるようになります。
KPI設計は、難しい言葉を使ってきれいな表を作ることではありません。
現場が迷わず動けるようにするための地図を作ることです。
マーケティングの数字にモヤモヤしている人ほど、まずは「その数字を追う意味があるか」から見直してみてください。
そこから変えるだけで、改善の精度はかなり上がります。
マーケティングKPI設計で失敗するのは、数字の見方がズレているから
マーケティングKPI設計で失敗する時、多くの場合、数字を見ていないわけではありません。
むしろ、数字はたくさん見ています。
レポートもあります。
ダッシュボードもあります。
会議でも毎回確認しています。
それでも成果につながらないのは、数字の見方がズレているからです。
大事なのは、数字を増やすことではありません。
売上に近づくために、どの数字を見るべきかを決めることです。
KPIを設定しているのに成果につながらない理由
KPIを設定しているのに成果につながらない時、まず疑うべきなのは、そのKPIが事業成果につながっているかです。
たとえば、PVを増やすことをKPIにしているとします。
記事のアクセスは増えます。
広告経由の流入も増えます。
一見、マーケティングはうまくいっているように見えます。
でも、その流入が資料ダウンロードや問い合わせにつながっていなければ、売上への貢献は弱いです。
リード数も同じです。
リード数が増えると、見た目には成果が出ているように見えます。
ただ、営業が追っても商談にならないリードばかりなら、現場は疲弊します。
KPIは、増えればよい数字ではありません。
増えた結果、次のプロセスが良くなる数字である必要があります。
見るべきなのは、次のようなつながりです。
・PVが増えて、質の高い流入が増えているか
・クリックが増えて、CVにつながっているか
・リードが増えて、商談につながっているか
・商談が増えて、受注につながっているか
このつながりがないKPIは、現場を安心させるだけの数字になりやすいです。
KPIを設定しているのに成果につながらない時は、努力不足ではなく、数字の設計そのものを見直す必要があります。
追いやすい数字と追うべき数字は違う
マーケティングでは、追いやすい数字がたくさんあります。
PV。
クリック数。
広告表示回数。
メール開封率。
資料ダウンロード数。
セミナー申込数。
これらは見やすいです。
日々変化もあります。
レポートにも載せやすいです。
ただし、追いやすい数字が、必ずしも追うべき数字とは限りません。
たとえば、メールの開封率が高くても、商談につながっていなければ成果は弱いです。
広告のクリック率が高くても、CVRが低ければ訴求と遷移先がズレているかもしれません。
リード数が増えても、営業が追いたくないリードなら、売上には近づきません。
追うべき数字とは、次の判断に使える数字です。
・施策を続けるか止めるか判断できる
・どこを改善すべきか分かる
・営業や経営と会話できる
・売上や商談へのつながりが見える
・現場の行動を変えられる
私も以前は、見やすい数字を中心に報告してしまうことがありました。
でも、経営層や営業から見ると、「それで売上はどうなるの」という話になります。
追いやすい数字は大事です。
ただし、それだけでは足りません。
追いやすい数字を入口にしながら、追うべき数字に接続すること。
これがマーケティングKPI設計では大切です。
マーケティングKPIは売上から逆算して考える
マーケティングKPIは、売上から逆算して考える必要があります。
まず、最終的に達成したい売上や受注目標があります。
そのために必要な受注数があります。
受注数を出すには、必要な商談数があります。
商談数を出すには、必要な有効リード数があります。
有効リードを作るには、必要な接点やCVがあります。
このように、後ろから前に戻して考えるのが基本です。
たとえば、売上目標だけを見ていると、マーケティング担当者は何をすればいいか分かりません。
逆に、資料ダウンロード数だけを見ていると、売上とのつながりが見えません。
だから、間をつなぐ必要があります。
・売上
・受注数
・案件数
・商談数
・SQL
・MQL
・リード数
・流入数
・接触数
この流れを自社のビジネスに合わせて整理します。
BtoBでは、特にこの逆算が重要です。
受注までの期間が長いため、今日の施策がすぐに売上として見えないことが多いからです。
売上から逆算してKPIを作ると、今どこが詰まっているのかが分かりやすくなります。
流入が足りないのか。
CVRが低いのか。
リードの質が悪いのか。
商談化率が低いのか。
受注率に課題があるのか。
ここが分かれば、改善すべき場所も見えてきます。
KPI設計の失敗は現場の努力不足ではなく設計ミスで起きる
KPIが達成できないと、現場の努力不足のように見えることがあります。
もっと広告を改善すべき。
もっと記事を書くべき。
もっとリードを増やすべき。
もっとメールを送るべき。
もちろん、行動量が必要な場面はあります。
ただ、KPI設計そのものがズレていると、現場が頑張っても成果につながりません。
たとえば、リード数だけをKPIにすると、現場はリードを増やす方向に動きます。
その結果、資料ダウンロードのハードルを下げるかもしれません。
広告の訴求を広げるかもしれません。
フォーム項目を減らすかもしれません。
これでリード数は増えます。
でも、商談化率が下がる可能性があります。
この場合、現場はKPIに沿って頑張っています。
問題は、追う数字の設計です。
KPIは、現場の行動を決めます。
だから、間違ったKPIを置くと、間違った行動を生みます。
KPI設計の失敗は、現場のやる気の問題ではなく、設計の問題として見るべきです。
この考え方を持つと、責める会議ではなく、改善する会議に変わります。
マーケティングKPI設計でよくある失敗パターン
マーケティングKPI設計には、よくある失敗パターンがあります。
どれも一見すると、間違っているようには見えません。
むしろ、真面目に数字を見ようとしているからこそ起きます。
ただ、数字の置き方を間違えると、現場は迷います。
頑張る方向もズレます。
営業や経営との会話もかみ合いにくくなります。
PVやクリック数だけを追って満足してしまう
PVやクリック数は、マーケティングでよく見る数字です。
記事が読まれているか。
広告がクリックされているか。
流入が増えているか。
これらを見ること自体は大切です。
ただし、PVやクリック数だけを追って満足してしまうと危険です。
たとえば、記事のPVが増えても、サービスに関心のある人が読んでいるとは限りません。
広告のクリック数が増えても、問い合わせや資料ダウンロードにつながっていなければ成果は弱いです。
数字が増えると安心します。
でも、その数字が売上に近づいているかを見なければ、改善の方向を間違えます。
PVやクリック数を見る時は、次の数字もセットで見たいです。
・どんなキーワードから来ているか
・どのページで離脱しているか
・CVにつながっているか
・商談化したリードが含まれているか
・ターゲット企業や役職に近い人が来ているか
PVやクリック数は入口です。
入口だけを見ても、事業成果は判断できません。
リード数は増えたのに商談が増えない
BtoBマーケティングでよくあるのが、リード数は増えたのに商談が増えない状態です。
マーケティング側から見ると、リード獲得は成功しているように見えます。
でも営業から見ると、「追っても商談にならない」という不満が出ます。
この状態は、かなり危険です。
マーケティングは成果を出しているつもり。
営業は負担が増えていると感じる。
経営層は売上に結びついていないと感じる。
部門間のズレが大きくなります。
原因は、リード数だけをKPIにしていることです。
リード数を見るなら、必ず質も見なければいけません。
・ターゲット企業か
・役職や部署は合っているか
・課題感はあるか
・検討時期は近いか
・営業が追う理由があるか
・商談化率はどうか
リード数が増えたこと自体は悪くありません。
ただし、商談につながらないなら、KPI設計を見直す必要があります。
リードは数ではなく、次の行動につながるかで評価する。
この考え方が重要です。
KPIが多すぎて何を優先すべきか分からない
KPIが多すぎると、現場は迷います。
PVも見る。
クリック率も見る。
CVRも見る。
CPAも見る。
リード数も見る。
商談化率も見る。
受注率も見る。
メール開封率も見る。
セミナー参加率も見る。
全部大事に見えます。
でも、全部を同じ強さで追うと、結局何を優先すべきか分からなくなります。
KPIは、多ければよいものではありません。
多すぎるKPIは、判断を遅くします。
会議でも、数字の確認だけで終わります。
改善アクションが決まりません。
KPIを設計する時は、階層を分けることが大切です。
・最重要で見る数字
・施策改善のために見る数字
・異常値確認のために見る数字
・参考情報として見る数字
このように分けると、現場は判断しやすくなります。
全員が見るべきKPIと、担当者が見るKPIは違っていてよいです。
経営会議で見る数字。
マーケティング定例で見る数字。
施策担当者が日々見る数字。
それぞれ役割が違います。
KPIは増やすより、使える形に絞ることが大切です。
部署ごとに追う数字がバラバラになっている
マーケティングと営業で追う数字がバラバラだと、成果につながりにくくなります。
マーケティングはリード数を追う。
営業は商談数を追う。
経営は売上を追う。
それぞれの数字だけを見ていると、会話がかみ合いません。
マーケティングは「リードは増えています」と言います。
営業は「でも商談になっていません」と言います。
経営は「売上にどう効いているのですか」と言います。
このズレは、かなりよく起きます。
問題は、どの部門も間違っているわけではないことです。
それぞれ自分の役割に近い数字を見ているだけです。
だからこそ、共通で見る数字が必要です。
・MQLからSQLへの転換率
・SQLから商談への転換率
・商談から案件への転換率
・案件から受注への転換率
・マーケティング経由のパイプライン金額
こうした数字を共通で見ると、会話が変わります。
部門ごとのKPIを持つことは大切です。
ただし、全体の流れでつながっていなければ、部分最適になります。
営業とマーケティングが同じ地図を見る。
それがKPI設計では欠かせません。
経営目標とマーケティング施策がつながっていない
経営目標とマーケティング施策がつながっていないと、KPIは空中戦になります。
会社としては売上を伸ばしたい。
利益率を上げたい。
特定の事業を伸ばしたい。
大手企業との取引を増やしたい。
しかし、マーケティングのKPIがそれとつながっていないことがあります。
たとえば、会社として大手企業の受注を増やしたいのに、マーケティングが幅広いリード数だけを追っている。
利益率の高い商材を伸ばしたいのに、低単価商材の資料ダウンロードばかり増えている。
既存顧客の深耕が重要なのに、新規リードだけを追っている。
これでは、施策の努力が経営目標に接続しません。
KPIを設計する時は、最初に経営目標を確認する必要があります。
・どの事業を伸ばしたいのか
・どの顧客層を増やしたいのか
・どの商材を売りたいのか
・売上だけでなく利益も見るのか
・短期の受注と中長期の育成をどう分けるのか
ここを確認せずにKPIを置くと、現場は頑張っているのに経営から評価されにくくなります。
マーケティングKPIは、経営目標から逆算して初めて意味を持ちます。
マーケティングKPIとKGIの違いを整理する
KPI設計で混乱しやすいのが、KPIとKGIの違いです。
言葉としては知っていても、実際の運用では曖昧になりがちです。
KGIは最終的に達成したい成果です。
KPIはその成果に向かう途中の進捗です。
この違いを整理しておかないと、途中の数字を最終目的のように扱ってしまいます。
KGIは最終的に達成したい成果を示す数字
KGIは、最終的に達成したい成果を示す数字です。
マーケティングでいえば、売上、受注数、利益、パイプライン金額などが近いです。
会社や事業によって、何をKGIにするかは変わります。
大事なのは、KGIが事業成果に直結していることです。
たとえば、BtoBなら次のような数字がKGIになりやすいです。
・受注金額
・新規受注数
・商談からの売上
・マーケティング経由のパイプライン金額
・重点顧客からの案件創出数
KGIが曖昧だと、KPIも曖昧になります。
最終的に何を達成したいのかが分からなければ、途中で何を見るべきかも分かりません。
よくあるのは、リード数をKGIのように扱ってしまうケースです。
でも、リード数は多くの場合、最終成果ではありません。
受注や売上に向かう途中の数字です。
KGIは、ゴールです。
KPIは、そこに向かう途中の道しるべです。
まずゴールを決める。
そこから逆算する。
これがKPI設計の基本です。
KPIはKGIに向かう途中の進捗を示す数字
KPIは、KGIに向かう途中の進捗を示す数字です。
売上を作るために、今どこまで進んでいるのか。
どこが詰まっているのか。
何を改善すべきなのか。
それを見えるようにするのがKPIです。
たとえば、受注をKGIにするなら、途中にはいくつかのステップがあります。
・ターゲットに接触する
・サイトに来てもらう
・資料をダウンロードしてもらう
・セミナーに参加してもらう
・営業が接点を持つ
・商談化する
・案件化する
・受注する
この中で、どの数字を見れば進捗が分かるのかを決めます。
KPIは、ただ計測できる数字ではありません。
改善に使える数字である必要があります。
たとえば、資料ダウンロード数を見るなら、その後の商談化率も見る。
セミナー申込数を見るなら、参加率や参加後の案件化も見る。
広告クリック数を見るなら、CVRや獲得リードの質も見る。
このように、KPIはKGIに向かってつながっている必要があります。
KPIは現場を動かす数字です。
だからこそ、KGIとのつながりが見える形にすることが大切です。
KGIから逆算しないKPIは現場を迷わせる
KGIから逆算しないKPIは、現場を迷わせます。
たとえば、上から「とにかくリードを増やそう」と言われる。
でも、どんなリードが必要なのかは決まっていない。
商談化率を見ているのか、受注金額を見ているのかも曖昧。
この状態では、現場はリード数を増やす方向に動きます。
それが評価される数字だからです。
でも、あとから営業に「質が悪い」と言われる。
経営に「売上につながっていない」と言われる。
現場からすると、かなりつらいです。
KPIが悪いと、努力の方向がズレます。
担当者は頑張っているのに、評価されない状態になります。
だから、KPIは必ずKGIから逆算する必要があります。
・最終的に何を達成したいのか
・そのためにどのプロセスを改善すべきか
・そのプロセスを見る数字は何か
・その数字は現場が動かせるか
ここまで考えて、ようやくKPIになります。
KPIは、現場への指示でもあります。
どの数字を追うかで、現場の行動は変わります。
だからこそ、適当に置いてはいけません。
BtoBマーケティングでは受注までの流れでKPIを分ける
BtoBマーケティングでは、受注までの流れでKPIを分けることが大切です。
なぜなら、受注までのプロセスが長いからです。
認知される。
興味を持たれる。
資料を見られる。
セミナーに参加される。
比較される。
営業と話す。
社内で検討される。
稟議が通る。
受注する。
この流れをひとつのKPIだけで見るのは難しいです。
段階ごとに見る数字を変える必要があります。
・認知段階では接触数や流入の質
・興味関心段階では資料DLやセミナー参加
・比較検討段階では商談化率や営業評価
・受注前後では案件化率や受注率
このように分けると、どの段階に課題があるかが分かります。
たとえば、流入は多いのに資料DLが少ないなら、訴求や導線に課題があるかもしれません。
資料DLは多いのに商談化しないなら、リードの質やフォローに課題があるかもしれません。
商談は多いのに受注しないなら、提案内容や価格、競合比較に課題があるかもしれません。
BtoBマーケティングでは、KPIを一枚で見るより、プロセスで見る方が改善しやすくなります。
失敗しないマーケティングKPI設計の基本手順
マーケティングKPI設計は、いきなり数字を並べるところから始めない方がいいです。
まずは事業目標を確認する。
次に、売上までの流れを分解する。
そして、各プロセスで見るべき数字を決める。
この順番で考えると、失敗しにくくなります。
まず事業目標や売上目標を確認する
KPI設計の最初にやるべきことは、事業目標や売上目標の確認です。
マーケティング単体で数字を決めると、経営目標とズレることがあります。
会社としてどの事業を伸ばしたいのか。
どの商材を伸ばしたいのか。
どの顧客層を増やしたいのか。
短期で売上が必要なのか。
中長期で認知や育成を強化したいのか。
ここを確認しないと、KPIが現場都合だけになります。
たとえば、売上目標が重点商材にあるのに、マーケティングが別商材のリードを増やしても評価されにくいです。
大手企業を増やしたいのに、小規模企業のリードばかり増えても、経営目標とはズレます。
KPIは、マーケティング部門のためだけの数字ではありません。
事業を前に進めるための数字です。
まずは売上目標を確認する。
そのうえで、マーケティングがどこに貢献するのかを決める。
ここを飛ばさないことが大事です。
売上に至るまでの顧客行動を分解する
次に、売上に至るまでの顧客行動を分解します。
顧客は、いきなり購入するわけではありません。
特にBtoBでは、いくつものステップを踏みます。
まず課題に気づきます。
情報を集めます。
複数の会社を比較します。
社内で相談します。
営業と話します。
見積もりを確認します。
稟議を通します。
最後に契約します。
この流れを分解すると、どこでマーケティングが関われるかが見えてきます。
たとえば、認知が足りないなら広告やSEOが必要です。
比較段階で負けているなら事例や比較資料が必要です。
営業に渡す前で止まっているならナーチャリングが必要です。
KPIは、この顧客行動に合わせて決めます。
顧客の行動を分解せずにKPIを置くと、数字が施策都合になります。
広告をやっているからクリック率を見る。
記事を書いているからPVを見る。
資料を作ったからDL数を見る。
それも必要ですが、顧客の流れとつながっていなければ意味が弱くなります。
施策からKPIを決める前に、顧客行動からKPIを考える。
これが大切です。
各プロセスで改善すべき数字を決める
顧客行動を分解したら、各プロセスで改善すべき数字を決めます。
すべての数字を同じように追う必要はありません。
今、一番詰まっている場所を見つけることが大事です。
たとえば、サイト流入が少ないなら、まず接触数や流入数を見る必要があります。
流入はあるのにCVが少ないなら、CVRやCTAのクリック率を見ます。
リードはあるのに商談化しないなら、MQLからSQLへの転換率を見ます。
商談はあるのに受注しないなら、案件化率や受注率を見ます。
このように、プロセスごとに見る数字は変わります。
KPI設計では、改善したい場所をはっきりさせることが大切です。
今、何を良くしたいのか。
どこが詰まっているのか。
どの数字が変われば次の成果につながるのか。
ここが決まれば、KPIはかなり作りやすくなります。
逆に、改善したい場所が曖昧なまま数字を置くと、レポートだけが増えます。
数字は、見るためにあるのではありません。
改善するためにあります。
施策ごとに見るKPIと全体で見るKPIを分ける
KPIには、施策ごとに見る数字と、全体で見る数字があります。
広告担当者が見る数字。
SEO担当者が見る数字。
セミナー担当者が見る数字。
メール担当者が見る数字。
これらは、施策改善に必要です。
一方で、経営や部門全体で見る数字もあります。
・商談数
・案件化数
・受注数
・パイプライン金額
・マーケティング経由売上
このような数字は、全体の成果を見るために必要です。
ここを混ぜると混乱します。
広告担当者にいきなり受注額だけを見せても、日々の改善には使いにくいです。
逆に経営会議で広告のクリック率だけを見せても、事業への影響が伝わりにくいです。
KPIは、見る人によって粒度を変える必要があります。
・担当者は施策改善に使える数字を見る
・マネージャーはプロセス全体の数字を見る
・経営層は売上やパイプラインへの貢献を見る
この整理があると、会議もレポートも分かりやすくなります。
定例で見直せる形にして運用する
KPIは、設定して終わりではありません。
運用して、見直して、改善する必要があります。
一度決めたKPIが、ずっと正しいとは限りません。
事業フェーズが変われば、見る数字も変わります。
施策が変われば、重視する数字も変わります。
営業体制が変われば、商談化の定義も変わるかもしれません。
だから、KPIは定例で見直せる形にしておくことが大切です。
毎週見る数字。
毎月見る数字。
四半期で見る数字。
このように分けると、運用しやすくなります。
また、定例では数字を眺めるだけで終わらせないことが大事です。
・どこが良かったのか
・どこが悪かったのか
・なぜそうなったのか
・次に何を変えるのか
・誰がいつまでに動くのか
ここまで決めて、初めてKPIは改善につながります。
KPI会議は、報告会ではなく改善会議にする。
この意識が大切です。
BtoBマーケティングで設定すべきKPIの考え方
BtoBマーケティングでは、顧客の検討段階ごとにKPIを分けることが大切です。
認知段階。
興味関心段階。
比較検討段階。
受注前後。
それぞれで、見るべき数字は違います。
リード獲得だけを見ていると、後ろの成果が見えません。
受注だけを見ていると、途中の改善点が見えません。
認知段階では接触数や流入の質を見る
認知段階では、まずターゲットに届いているかを見る必要があります。
ただし、単純な表示回数やPVだけでは不十分です。
誰に届いているかが大事です。
たとえば、広告の表示回数が多くても、ターゲット外にばかり届いているなら意味は弱いです。
記事のPVが多くても、サービスと関係の薄い読者ばかりなら、売上にはつながりにくいです。
認知段階で見るべきなのは、接触数と流入の質です。
・ターゲットに届いているか
・狙ったキーワードから流入しているか
・想定する業界や職種に近い人が来ているか
・直帰や滞在時間に大きな違和感がないか
・次のページやCV導線に進んでいるか
認知は、広げればよいものではありません。
BtoBでは、広く知られることよりも、必要な人に知られることが大事です。
接触数を見る時は、必ず質も一緒に見ましょう。
興味関心段階では資料DLやセミナー参加を見る
興味関心段階では、ユーザーが一歩踏み込んだ行動をしているかを見ます。
代表的なのは、資料ダウンロードやセミナー参加です。
ただし、ここでも数だけを見てはいけません。
資料DLが増えても、その後に読まれていない。
セミナー申込は多いのに、参加率が低い。
参加しても、その後の商談につながらない。
こういう場合は、KPIの見方を変える必要があります。
興味関心段階では、次のような数字を見ると良いです。
・資料DL数
・資料DL後のメール反応
・セミナー申込数
・セミナー参加率
・参加後アンケートの温度感
・営業接触への反応
大事なのは、興味が次の行動につながっているかです。
資料をダウンロードしただけでは、購買意欲が高いとは限りません。
セミナーに申し込んだだけでも、まだ情報収集の段階かもしれません。
だからこそ、興味関心段階では、行動の深さを見ます。
数だけでなく、次に進む可能性を見る。
これが重要です。
比較検討段階では商談化率や営業評価を見る
比較検討段階では、商談化率や営業評価を見ることが大切です。
この段階のユーザーは、すでに何らかの課題を持っています。
複数のサービスを比較しているかもしれません。
社内で検討する材料を探しているかもしれません。
ここでは、単なるリード数よりも、営業につながるかどうかが重要になります。
たとえば、ホワイトペーパー経由のリードが商談化しているか。
セミナー参加者の中で、営業が追いたい人はどれくらいいるか。
比較資料を見た人が、問い合わせや相談に進んでいるか。
こうした数字を見る必要があります。
営業評価も大切です。
数字上は商談化していても、営業から見て温度感が低いなら課題があります。
逆に、数は少なくても営業が高く評価するリードなら、その施策は伸ばす価値があります。
比較検討段階では、マーケティングだけで判断しない方がいいです。
営業に聞く。
商談内容を見る。
失注理由を見る。
受注につながった接点を見る。
ここまで見て、KPIを改善していく必要があります。
受注前後では案件化率や受注率を見る
受注前後では、案件化率や受注率を見ます。
ここまで来ると、マーケティングだけではコントロールできない部分も増えます。
営業力、価格、競合、タイミング、導入体制など、さまざまな要素が関わります。
ただし、マーケティングが無関係になるわけではありません。
どの施策経由のリードが案件化しやすいか。
どのコンテンツを見た人が受注しやすいか。
どのセミナー参加者が前向きに商談へ進むか。
こうした情報は、マーケティングKPI設計に大きく関係します。
受注前後で見るべき数字には、次のようなものがあります。
・案件化率
・受注率
・平均受注単価
・受注までの期間
・マーケティング接点の有無
・施策別の受注貢献
ここを見ると、リード獲得の質が分かります。
リード数が少なくても、受注率が高い施策は価値があります。
リード数が多くても、受注につながらない施策は見直す必要があります。
BtoBでは、最後まで見ないと本当の成果が分かりません。
リード獲得だけでなく受注への貢献を見る
マーケティングKPI設計で大事なのは、リード獲得だけで終わらせないことです。
リード獲得は重要です。
ただし、それは途中の数字です。
最終的には、受注や売上にどう貢献したかを見る必要があります。
もちろん、すべての施策がすぐに受注につながるわけではありません。
認知施策やコンテンツ施策は、中長期で効くこともあります。
だから、短期成果だけで判断するのも危険です。
大切なのは、短期と中長期を分けて見ることです。
・短期では商談や案件化への貢献を見る
・中長期では接点数や指名検索、再訪問を見る
・受注後には、どの接点が効いたかを振り返る
このように見ると、マーケティングの価値を説明しやすくなります。
リードを増やすだけなら、方法はいろいろあります。
でも、受注につながるリードを増やすには、設計が必要です。
マーケティングKPIは、リード獲得で終わらせず、受注への貢献まで見る。
これがBtoBでは特に大切です。
マーケティングKPI設計で追ってはいけない数字
KPI設計では、何を追うかだけでなく、何を追わないかも大事です。
数字は増やそうと思えば、いくらでも増やせます。
でも、見る数字が多すぎると、現場は迷います。
特に注意したいのは、意思決定に使われない数字です。
増えても売上に近づかない数字です。
現場が行動を変えられない数字です。
意思決定に使われないレポート用の数字
レポートには載っているけれど、誰も意思決定に使っていない数字があります。
毎月なんとなく出している。
前任者の時代から続いている。
会議資料に載せるのが習慣になっている。
でも、その数字を見ても何も決まらない。
これは、KPIではなくレポート用の数字です。
数字を見ること自体が悪いわけではありません。
ただし、KPIとして扱うなら、意思決定に使える必要があります。
たとえば、その数字が悪かった時に何を変えるのか。
良かった時に何を伸ばすのか。
誰が行動するのか。
これが決まらない数字は、KPIとしては弱いです。
KPIを見直す時は、こう問いかけてみてください。
・この数字を見て、何を判断するのか
・悪化したら、誰が何を変えるのか
・改善したら、どの施策を伸ばすのか
・会議で話す意味があるのか
答えられない数字は、減らしてもいいかもしれません。
KPIは、報告するための数字ではなく、判断するための数字です。
増えても売上に近づかない表面的な数字
増えると嬉しいけれど、売上に近づかない数字もあります。
たとえば、SNSのいいね数が増えた。
広告の表示回数が増えた。
記事のPVが増えた。
メールの開封率が上がった。
これらは悪い数字ではありません。
ただ、単体では成果とは言い切れません。
大事なのは、その先に進んでいるかです。
いいねした人がサイトに来ているか。
PVが資料DLにつながっているか。
メール開封が商談化につながっているか。
広告表示がターゲット接点になっているか。
表面的な数字だけを見ると、良く見える施策を残してしまうことがあります。
一方で、派手な数字は出ないけれど、商談や受注に効いている施策を見落とすこともあります。
KPI設計では、数字の見た目に惑わされないことが大切です。
増えると気持ちいい数字。
事業成果に近づく数字。
この2つは違います。
追うべきなのは、後者です。
施策担当者だけがコントロールできない数字
KPIは、現場が行動を変えられる数字であることが大切です。
たとえば、広告担当者に受注額だけをKPIとして持たせると、少し難しいです。
受注には営業、価格、競合、タイミングなども関係するからです。
もちろん、受注を意識することは大事です。
ただし、日々の改善に使うKPIとしては、もう少し手前の数字も必要です。
広告担当者なら、クリック率、CVR、CPA、獲得リードの質など。
LP担当者なら、フォーム到達率、CVR、離脱率など。
メール担当者なら、クリック率、反応率、商談化率など。
現場が改善できる数字に落とし込むことで、行動につながります。
逆に、コントロールできない数字だけを追わせると、現場は疲れます。
「頑張っているのに評価されない」
「何を変えればいいのか分からない」
「結局、営業次第ではないか」
こう感じてしまいます。
KPIは、責任を押し付けるための数字ではありません。
改善を進めるための数字です。
だから、現場が動かせる範囲まで分解する必要があります。
短期的に良く見えて長期成果を悪化させる数字
短期的に良く見える数字が、長期成果を悪化させることがあります。
たとえば、リード数を増やすために、資料ダウンロードのハードルを極端に下げる。
クリック率を上げるために、強い言葉で興味を引く。
短期CVを増やすために、キャンペーン訴求ばかりにする。
一時的には数字が良くなるかもしれません。
でも、リードの質が下がる。
ブランドの信頼感が落ちる。
営業の負担が増える。
中長期で受注につながりにくくなる。
こういうことがあります。
マーケティングKPI設計では、短期と中長期のバランスが必要です。
短期の獲得を見る。
でも、リードの質も見る。
商談化率も見る。
受注への貢献も見る。
顧客との関係性も見る。
短期数字だけで評価すると、現場は短期数字を良くする行動を取ります。
それが長期的に正しいとは限りません。
KPIは、行動を生みます。
だから、短期的に良く見える数字だけを追わないことが大切です。
現場の行動につながらない抽象的な数字
抽象的な数字も、KPIとしては扱いにくいです。
たとえば、「ブランド力を高める」「認知を強化する」「エンゲージメントを上げる」という目標があります。
方向性としては大事です。
でも、そのままだと現場は何をすればいいか分かりません。
現場が動けるようにするには、具体的な数字に落とす必要があります。
認知を強化するなら、ターゲット層への接触数を見る。
ブランド想起を見たいなら、指名検索数やアンケートを見る。
エンゲージメントを見るなら、再訪問、資料閲覧、メール反応などを見る。
抽象的な言葉を、現場が改善できる数字に変えることが重要です。
KPIは、かっこいい言葉ではなく、行動につながる数字であるべきです。
「何を増やすのか」
「何を減らすのか」
「どの状態になれば良いのか」
「誰が何を変えられるのか」
ここまで見えない数字は、KPIとして弱いです。
KPI設計を失敗させる「リード数至上主義」の落とし穴
BtoBマーケティングで特に注意したいのが、リード数至上主義です。
リード数は分かりやすいです。
増えると成果が出ているように見えます。
広告やコンテンツの評価もしやすいです。
でも、リード数だけを追うと失敗しやすくなります。
リード数を増やすほど営業現場が疲弊することがある
リード数を増やすこと自体は悪くありません。
ただし、質を見ずに増やすと、営業現場が疲弊します。
営業は、リードに連絡します。
状況を確認します。
課題を聞きます。
商談になるか判断します。
そのリードがターゲット外だったり、情報収集だけだったり、まったく検討していなかったりすると、営業の時間が奪われます。
マーケティング側は「リードが増えた」と言う。
営業側は「追うリードが増えただけ」と感じる。
このズレは、関係性を悪くします。
リード数をKPIにするなら、営業負荷も考える必要があります。
・営業が追うべきリードか
・追う優先順位が分かるか
・どのタイミングで渡すか
・どんな情報を添えて渡すか
・追わないリードをどう育成するか
ここまで設計して、初めてリード獲得が機能します。
質の低いリードは商談化率を下げる
質の低いリードが増えると、商談化率は下がります。
リード数だけ見ると増えています。
でも、営業が接触しても商談にならない。
結果として、全体の効率が悪くなります。
商談化率が下がると、営業はマーケティングリードを信用しにくくなります。
「また温度感の低いリードではないか」
「追っても無駄ではないか」
「自分で開拓した方が早いのではないか」
こう思われると、マーケティング施策の価値が伝わりにくくなります。
リードの質を見るには、商談化率を必ず確認した方がいいです。
さらに、リードの属性も見ます。
・企業規模
・業種
・部署
・役職
・課題感
・検討時期
・接点内容
質の高いリードとは、すぐに買う人だけではありません。
自社のターゲットに合っていて、適切に育成すれば商談につながる可能性がある人です。
リード数と商談化率はセットで見る。
これが基本です。
フォーム通過だけでは購買意欲は判断できない
資料ダウンロードやフォーム送信があったからといって、購買意欲が高いとは限りません。
情報収集をしているだけかもしれません。
競合調査かもしれません。
学生や個人かもしれません。
今すぐ導入する気はないかもしれません。
フォーム通過は、あくまで接点です。
購買意欲そのものではありません。
ここを勘違いすると、すべてのリードを同じように営業へ渡してしまいます。
その結果、営業は温度感の低いリードに時間を使います。
マーケティングはリードを渡したつもりになります。
でも、商談にはつながりません。
フォーム通過後に見るべきなのは、その後の行動です。
・資料をどこまで見ているか
・メールに反応しているか
・セミナーに参加しているか
・サービスページを再訪しているか
・料金や事例を見ているか
・営業接触に応じているか
フォームは入口です。
そこから温度感を見極める設計が必要です。
リード獲得後のナーチャリングまで含めて設計する
リード獲得後に放置してしまうと、成果につながりにくくなります。
特にBtoBでは、資料をダウンロードした瞬間に商談したい人ばかりではありません。
まだ課題を調べている段階の人もいます。
社内で情報を集めている人もいます。
半年後に検討する人もいます。
だから、ナーチャリングが必要です。
ナーチャリングとは、見込み客との接点を続けながら、検討を前に進めることです。
たとえば、次のような接点があります。
・関連する事例を送る
・課題別のノウハウを送る
・セミナーに案内する
・比較ポイントを伝える
・導入前の不安を解消する
・検討が進んだタイミングで営業につなぐ
リード獲得をKPIにするなら、獲得後の動きもセットで設計する必要があります。
獲得して終わりではありません。
育てて、見極めて、適切なタイミングで営業につなぐ。
ここまでがBtoBマーケティングのKPI設計です。
営業が追いたくなるリードの条件を決める
リード数至上主義から抜けるには、営業が追いたくなるリードの条件を決めることが大切です。
マーケティングだけで「良いリード」を決めるとズレることがあります。
営業にとって追いやすい条件を聞く必要があります。
たとえば、次のような条件です。
・ターゲット業界に入っている
・企業規模が合っている
・部署や役職が合っている
・課題が明確である
・検討時期が近い
・特定ページを見ている
・セミナー後に具体的な質問をしている
この条件が決まると、MQLやSQLの定義が作りやすくなります。
営業が追いたくなるリードを増やすには、マーケティング施策も変わります。
広く集めるより、ターゲットに刺さる訴求を作る。
軽い資料だけでなく、検討を進める資料を用意する。
営業に渡す前に温度感を見極める。
リードの条件を決めることは、営業との約束を作ることでもあります。
マーケティングKPIを施策別に設計する方法
マーケティングKPIは、施策ごとに見る数字が違います。
広告、LP、ホワイトペーパー、セミナー、メール、SEO。
それぞれ役割が違うからです。
ただし、どの施策でも共通して大事なのは、売上までの流れとつながっていることです。
広告運用で見るべきKPI
広告運用では、クリック率やCPAだけを見て終わらないことが大切です。
もちろん、広告費を使うので効率は大事です。
クリック率、CPC、CVR、CPAは必ず見ます。
ただし、BtoBでは獲得後の質も見なければいけません。
広告経由のリードが商談化しているか。
ターゲット企業が含まれているか。
営業が追いたいリードか。
受注につながる可能性があるか。
広告で見るべきKPIは、次のように分けると分かりやすいです。
・表示回数
・クリック率
・CPC
・CVR
・CPA
・リードの属性
・商談化率
・案件化率
広告は入口を作る施策です。
でも、入口の数だけで判断すると失敗します。
広告KPIは、獲得単価だけでなく、獲得後の質まで見ることが大切です。
LP改善で見るべきKPI
LP改善では、CVRを見ることが多いです。
これはとても大事です。
LPの役割は、訪問者に次の行動を取ってもらうことだからです。
ただし、CVRだけを見ると判断を間違えることがあります。
フォーム項目を減らせば、CVRは上がるかもしれません。
でも、必要な情報が取れず、営業が追いにくくなるかもしれません。
訴求を広げればCV数は増えるかもしれません。
でも、ターゲット外のCVが増えるかもしれません。
LPで見るべきKPIは、CVRだけではありません。
・ファーストビューの離脱率
・CTAクリック率
・フォーム到達率
・フォーム完了率
・CVR
・獲得リードの質
・商談化率
LPは、広告やSEOで来た人を受け止める場所です。
だから、流入元ごとに見ることも大切です。
広告経由では反応するが、SEO経由では弱い。
潜在層には重いが、顕在層には合っている。
こうした違いを見ると、LP改善の精度が上がります。
ホワイトペーパーで見るべきKPI
ホワイトペーパーは、BtoBマーケティングでよく使われる施策です。
ただし、ダウンロード数だけを見ていると失敗します。
ホワイトペーパーの役割は、リードを獲得することだけではありません。
見込み客の課題理解を深めること。
検討を前に進めること。
営業との接点を作ること。
こうした役割があります。
見るべきKPIは、次のような数字です。
・ダウンロード数
・ダウンロード率
・獲得リードの属性
・ダウンロード後のメール反応
・関連コンテンツ閲覧
・営業接触への反応
・商談化率
ホワイトペーパーは、テーマによってリードの質が大きく変わります。
広いテーマは数が取れます。
具体的な比較テーマは、数は少なくても検討度が高いことがあります。
だから、資料ごとに役割を分けることが大切です。
認知向け資料なのか。
比較検討向け資料なのか。
営業支援向け資料なのか。
役割によってKPIも変えましょう。
セミナーやウェビナーで見るべきKPI
セミナーやウェビナーでは、申込数だけを見て終わらないことが大切です。
申込数は大事です。
ただ、申込だけして参加しない人もいます。
参加しても、温度感が低い人もいます。
逆に、少人数でも商談につながりやすいテーマもあります。
見るべきKPIは、次のような数字です。
・申込数
・参加率
・参加者の属性
・アンケート回答率
・満足度
・個別相談希望数
・参加後の商談化率
・案件化率
セミナーは、テーマ選びで成果が変わります。
広いテーマは集客しやすいです。
具体的なテーマは集客数が少なくても、商談につながりやすいことがあります。
また、参加後のフォローも重要です。
参加者にどんなメールを送るか。
営業にどう引き継ぐか。
アンケートの内容をどう使うか。
セミナーKPIは、開催前、開催中、開催後で分けて見ると改善しやすくなります。
メールマーケティングで見るべきKPI
メールマーケティングでは、開封率だけを見て終わらないことが大切です。
開封率は入口です。
件名がよいか、配信タイミングが合っているかを見る参考になります。
ただし、開封されてもクリックされなければ次に進みません。
クリックされても、商談や資料閲覧につながらなければ成果は弱いです。
見るべきKPIは、次のように分けます。
・配信数
・到達率
・開封率
・クリック率
・クリック後のCV
・配信停止率
・商談化率
・再接触につながった数
メールでは、配信停止率も大事です。
短期的に反応を取ろうとして送りすぎると、見込み客との関係を悪くすることがあります。
また、全員に同じメールを送るより、段階に合わせて内容を変えた方がよいです。
資料DL直後の人。
セミナー参加者。
失注後の人。
長期間反応がない人。
相手の状態によって、見るKPIも変わります。
メールは、売り込みではなく関係を進めるための接点として設計することが大切です。
SEOやコンテンツマーケティングで見るべきKPI
SEOやコンテンツマーケティングでは、PVだけを見ないことが大切です。
検索流入が増えるのは大事です。
でも、どんな検索キーワードで来ているかがもっと大事です。
たとえば、情報収集だけのキーワードで大量に流入しても、すぐに商談につながるとは限りません。
一方で、検索数は少なくても、検討度の高いキーワードは売上に近いことがあります。
見るべきKPIは、次のような数字です。
・検索順位
・自然検索流入
・狙ったキーワードからの流入
・記事からのCV
・記事経由の資料DL
・記事経由の問い合わせ
・再訪問
・商談や受注への貢献
SEOでは、短期ですぐに成果が出ないこともあります。
だから、短期KPIと中長期KPIを分ける必要があります。
短期では、記事公開数、順位変化、流入、内部導線のクリックを見ます。
中長期では、CV、商談化、指名検索、受注貢献を見ます。
コンテンツは、ただ読まれるだけではなく、次の行動につながる設計が必要です。
営業とマーケティングでKPIの認識をそろえる方法
BtoBマーケティングでは、営業とマーケティングの認識をそろえることがとても大切です。
マーケティングだけでKPIを決めると、営業現場とズレることがあります。
営業だけの視点で決めると、中長期の育成が軽視されることもあります。
だから、共通の数字と定義を持つ必要があります。
マーケだけでKPIを決めると失敗しやすい
マーケティングだけでKPIを決めると、獲得しやすい数字に寄りやすくなります。
リード数。
資料DL数。
セミナー申込数。
広告CV数。
これらはマーケティング側で管理しやすい数字です。
ただし、営業から見ると、それだけでは不十分です。
追いやすいリードか。
商談になりそうか。
課題があるか。
ターゲット企業か。
検討時期は近いか。
ここが重要になります。
マーケだけでKPIを決めると、営業が求めるリード像とズレることがあります。
その結果、マーケティングは成果を出しているつもりでも、営業は評価しない。
営業は追っているつもりでも、マーケティングは活用されていないと感じる。
このズレを防ぐには、KPI設計の段階から営業を巻き込むことが大切です。
営業が評価するリードの条件を確認する
営業が評価するリードの条件は、必ず確認した方がいいです。
マーケティング側が想像する良いリードと、営業が本当に追いたいリードは違うことがあります。
たとえば、マーケティングは大企業のリードを良いと考えるかもしれません。
でも営業は、部署や課題が分からなければ追いにくいと感じるかもしれません。
逆に、企業規模は中程度でも、課題が明確で検討時期が近い方が営業しやすいこともあります。
確認すべき条件は、次のようなものです。
・業種
・企業規模
・部署
・役職
・課題内容
・検討時期
・予算感
・過去の接点
・閲覧したコンテンツ
営業に聞くと、広告やコンテンツのヒントも見つかります。
「この悩みを言うお客さんは商談になりやすい」
「この資料を見ている人は温度感が高い」
「この業界は反応が良い」
こうした声をKPIに反映すると、数字が現場に近づきます。
MQLとSQLの定義を明確にする
MQLとSQLの定義が曖昧だと、営業とマーケティングのズレが起きます。
MQLは、マーケティングが有望だと判断したリードです。
SQLは、営業が対応すべきだと判断したリードです。
この定義が曖昧だと、マーケティングは「良いリードを渡した」と思います。
営業は「まだ追う段階ではない」と感じます。
だから、基準を明確にする必要があります。
たとえば、MQLの条件として次のようなものを設定できます。
・ターゲット企業に該当する
・特定の資料をダウンロードしている
・セミナーに参加している
・料金ページや事例ページを見ている
・メールに複数回反応している
SQLの条件は、営業と相談して決めます。
・課題が明確
・導入時期が見えている
・担当部署が合っている
・営業接触に応じている
・商談化の可能性がある
定義があると、数字が共通言語になります。
商談化しなかった理由をKPI改善に反映する
商談化しなかった理由は、KPI改善の重要な材料です。
リードが商談にならなかった時、「質が悪い」で終わらせるのはもったいないです。
なぜ商談化しなかったのか。
ターゲット外だったのか。
検討時期が遠かったのか。
課題が薄かったのか。
競合調査だったのか。
連絡がつかなかったのか。
理由によって、改善すべき場所は変わります。
たとえば、ターゲット外が多いなら、広告配信や訴求を見直します。
検討時期が遠いなら、ナーチャリングを強化します。
課題が薄いなら、コンテンツのテーマを見直します。
連絡がつかないなら、フォーム項目やフォローのタイミングを見直します。
商談化しなかった理由を営業から回収できると、KPIはかなり改善しやすくなります。
失敗したリードにも学びがあります。
営業の結果をマーケティングに戻す仕組みを作ること。
これが大切です。
共通の数字を見ることで部門間のズレを減らす
営業とマーケティングのズレを減らすには、共通の数字を見ることが効果的です。
マーケティングだけの数字。
営業だけの数字。
それぞれを見るだけでは、全体がつながりません。
共通で見るべきなのは、部門の間にある数字です。
・MQL数
・SQL数
・MQLからSQLへの転換率
・SQLから商談への転換率
・商談から案件への転換率
・マーケティング経由のパイプライン金額
この数字を見ると、どこで詰まっているかが分かります。
マーケティングが悪いのか。
営業が悪いのか。
そういう話ではありません。
プロセスのどこに課題があるかを見るための数字です。
共通の数字があると、会議の会話も変わります。
「リードの質が悪い」ではなく、「MQLからSQLへの転換率が低い原因を見よう」と話せます。
「営業が追っていない」ではなく、「どの条件のリードなら優先対応するか決めよう」と話せます。
数字の定義をそろえることは、部門間の信頼を作ることにもつながります。
経営層に伝わるマーケティングKPIの作り方
経営層にマーケティング成果を伝える時、施策単位の細かい数字だけでは伝わりにくいことがあります。
クリック率が上がりました。
PVが増えました。
資料DL数が増えました。
これだけだと、経営層は判断しにくいです。
経営層が知りたいのは、事業にどう効いているかです。
施策の成果を売上や利益に近い言葉で説明する
経営層に伝える時は、売上や利益に近い言葉で説明することが大切です。
広告のクリック率が上がった。
それ自体は良いことです。
でも、経営層にはその先を伝える必要があります。
クリック率が上がったことで、ターゲット流入が増えた。
CVが増えた。
商談が増えた。
パイプラインが増えた。
受注見込みが増えた。
ここまでつながると、事業への貢献が見えます。
マーケティングの数字は、専門用語のままだと伝わりにくいことがあります。
CTR、CVR、CPA、MQL、SQL。
これらを使うこと自体は問題ありません。
ただし、経営層に説明する時は、意味を売上に近い言葉へ変換する必要があります。
「クリック率が上がりました」ではなく、「ターゲット企業からの資料請求が増えました」と言う。
「CPAが改善しました」ではなく、「同じ広告費で商談につながるリードを多く獲得できました」と言う。
伝え方を変えるだけで、マーケティングの価値は伝わりやすくなります。
リード数ではなくパイプラインへの貢献を見せる
経営層に伝える時、リード数だけでは弱いことがあります。
リードが何件増えたかより、そのリードがどれくらいの商談や案件につながっているかが大事だからです。
特にBtoBでは、パイプラインへの貢献を見ると分かりやすいです。
パイプラインとは、将来的な売上につながる案件の見込みです。
マーケティングがどれだけ案件創出に貢献しているかを見る数字です。
たとえば、次のように説明できます。
・マーケティング経由で商談が何件生まれた
・その商談の見込み金額がいくらある
・重点商材の案件創出にどれだけ貢献した
・受注見込みの高い案件がどれくらいある
このように伝えると、リード数より事業への貢献が見えます。
もちろん、すべてのマーケティング施策を短期のパイプラインだけで評価するのは危険です。
認知や育成の施策もあります。
ただ、経営層に伝える時は、最終的に売上へどうつながるかを示す努力が必要です。
短期成果と中長期成果を分けて報告する
マーケティングには、短期で成果が出る施策と、中長期で効く施策があります。
広告や比較検討向けの資料は、比較的短期で商談につながることがあります。
SEOや認知施策は、成果が出るまで時間がかかることがあります。
ナーチャリングも、すぐに受注するわけではありません。
これらを同じものとして報告すると、評価が難しくなります。
経営層には、短期成果と中長期成果を分けて伝えると分かりやすいです。
・短期では商談数や案件化数を見る
・中長期ではターゲット接点や検索流入を見る
・育成ではメール反応や再訪問を見る
・将来の商談につながる母数も見る
このように分けると、施策の意味が伝わります。
短期成果だけを追うと、将来の見込み客づくりが弱くなります。
中長期成果だけを語ると、今の売上貢献が見えにくくなります。
両方を分けて報告することが大切です。
コストに対する成果を説明できる状態にする
マーケティングでは、コストに対する成果を説明できることも大切です。
広告費。
制作費。
ツール費。
外注費。
人件費。
マーケティングにはお金がかかります。
経営層から見ると、そのコストがどんな成果につながっているのかを知りたいです。
そのため、CPAだけでなく、商談単価や案件創出単価も見るとよいです。
・1リードあたりの獲得単価
・1商談あたりの獲得単価
・1案件あたりの獲得単価
・受注金額に対するマーケティング費用
・施策別の費用対効果
こうした数字があると、投資判断がしやすくなります。
ただし、費用対効果を見る時も注意が必要です。
短期だけで判断すると、中長期施策が削られやすくなります。
だから、施策の役割を分けて説明する必要があります。
獲得施策。
育成施策。
認知施策。
営業支援施策。
それぞれの役割に合った成果を説明することが大事です。
経営判断に使えるKPIに絞る
経営層に報告するKPIは、絞ることが大切です。
細かい数字をたくさん出しても、判断しにくくなります。
経営層が見たいのは、事業判断に使える数字です。
・売上にどれくらい近づいているか
・重点事業に貢献しているか
・投資を増やすべきか
・施策を続けるべきか
・どこに課題があるか
この判断に使える数字に絞る必要があります。
たとえば、経営層向けには次のようなKPIが合いやすいです。
・マーケティング経由商談数
・マーケティング経由パイプライン金額
・重点商材の案件創出数
・商談化率
・受注貢献
・投資対効果
細かい施策KPIは、マーケティング部門内で見ればよいです。
報告相手によって、数字の粒度を変える。
これが、伝わるKPI設計では大切です。
マーケティングKPIを改善につなげる運用方法
KPIは設定して終わりではありません。
設定した後にどう運用するかで、成果は大きく変わります。
数字を見る。
原因を考える。
仮説を作る。
改善する。
また数字を見る。
この流れを作ることが大切です。
KPIは設定して終わりではなく定期的に見直す
KPIは、一度決めたら終わりではありません。
事業の状況は変わります。
市場も変わります。
競合も変わります。
営業体制も変わります。
施策の役割も変わります。
だから、KPIも定期的に見直す必要があります。
たとえば、立ち上げ期は認知やリード獲得が重要かもしれません。
ある程度リードが増えたら、商談化率や受注率の改善が重要になります。
営業体制が整っていない時は、リードを増やしすぎることが逆効果になることもあります。
KPIは、今の事業フェーズに合っているかを確認しましょう。
見直す時は、次の問いが役立ちます。
・このKPIは今も重要か
・売上目標とつながっているか
・現場が改善に使えているか
・営業や経営と認識が合っているか
・増やしすぎたKPIはないか
KPIは固定された飾りではありません。
事業に合わせて調整するものです。
数字が悪い時は原因をプロセスごとに分解する
数字が悪い時は、焦って施策を全部変えたくなります。
でも、まずは原因を分解することが大切です。
たとえば、リード数が少ないとします。
原因は、流入が少ないのかもしれません。
流入はあるけれどCVRが低いのかもしれません。
CTAが弱いのかもしれません。
フォームが重いのかもしれません。
ターゲットに刺さる訴求になっていないのかもしれません。
同じリード数不足でも、原因によって打ち手は変わります。
商談化率が低い場合も同じです。
リードの質が悪いのか。
営業への引き継ぎが遅いのか。
ナーチャリングが弱いのか。
営業が求める条件とズレているのか。
プロセスごとに分解すると、次に何を改善すべきかが見えます。
数字が悪い時ほど、責めるのではなく分解する。
これがKPI運用では大切です。
KPIの変化から次の改善仮説を作る
KPIは、見て終わりではありません。
数字の変化から、次の改善仮説を作る必要があります。
たとえば、広告のクリック率は高いのにCVRが低い。
この場合、バナーとLPの訴求がズレているかもしれません。
または、クリックしている人の温度感が低いのかもしれません。
資料DL数は多いのに商談化率が低い。
この場合、資料テーマが広すぎるのかもしれません。
獲得後のフォローが弱いのかもしれません。
セミナー参加率は高いのに商談化しない。
この場合、テーマは興味を引けているが、次の行動が設計できていないのかもしれません。
このように、数字から仮説を作ります。
・なぜ上がったのか
・なぜ下がったのか
・どこで止まっているのか
・何を変えれば次に進むのか
KPIは、問いを作るための材料です。
数字を見て終わりではなく、次のアクションにつなげましょう。
レポートではなくアクションにつながる会議にする
KPI会議がレポート確認だけで終わっているなら、改善の余地があります。
数字を読み上げる。
前月比を見る。
良かった悪かったを話す。
でも、次に何をするか決まらない。
これでは、KPIを見ている意味が弱くなります。
KPI会議では、必ずアクションまで決めることが大切です。
・どの数字に課題があるか
・原因は何か
・次に何を試すか
・誰が担当するか
・いつまでにやるか
・次回何を確認するか
ここまで決めると、会議が改善につながります。
また、すべての数字を会議で深掘りする必要はありません。
重要な数字に絞って話すことも大切です。
会議の目的は、数字を眺めることではありません。
次の行動を決めることです。
KPIレポートを作ることが仕事にならないようにする。
これも重要です。
成果が出た時も理由を言語化して再現性を高める
KPIが改善した時も、理由を言語化することが大切です。
成果が出ると、そのまま喜んで終わりがちです。
でも、なぜ良くなったのかを残さないと、再現できません。
広告のCVRが上がった。
なぜ上がったのか。
訴求が良かったのか。
ターゲットが合っていたのか。
LPを変えたからなのか。
CTAが合っていたのか。
商談化率が上がった。
なぜ上がったのか。
リードの条件を変えたからなのか。
営業への引き継ぎを早くしたからなのか。
資料テーマが検討度の高いものだったからなのか。
成功した時こそ、分解しておく必要があります。
うまくいった理由を言語化すると、次の施策に活かせます。
他のチームにも共有できます。
再現性が高まります。
失敗だけでなく、成功も学びにする。
これがKPI運用を強くします。
マーケティングKPI設計のチェックリスト
最後に、マーケティングKPI設計を見直すためのチェックリストを整理します。
KPIは、複雑に考えすぎると分からなくなります。
でも、見るべきポイントはシンプルです。
売上につながっているか。
現場が動けるか。
部署間で定義がそろっているか。
定期的に見直せるか。
この視点で確認していきましょう。
KGIから逆算してKPIを決めているか
まず確認したいのは、KGIから逆算してKPIを決めているかです。
最終的に達成したい売上や受注がある。
そのために必要な商談がある。
そのために必要なリードがある。
そのために必要な接点がある。
この流れが見えているかを確認します。
もし、KPIが施策ごとにバラバラに置かれているなら注意が必要です。
広告はクリック率。
SEOはPV。
セミナーは申込数。
メールは開封率。
これだけでは、全体のつながりが見えません。
KGIから逆算すると、数字の意味が整理されます。
今どこが足りないのか。
どこを改善すべきなのか。
どの施策がどこに効いているのか。
ここが見える状態にしましょう。
その数字は売上や商談につながっているか
次に、その数字が売上や商談につながっているかを確認します。
もちろん、すべてのKPIが直接売上につながるわけではありません。
認知や育成のように、中長期で効く数字もあります。
ただし、最終的にどこにつながるのかは説明できる必要があります。
PVを見るなら、どんな流入がCVにつながるのか。
資料DLを見るなら、どの資料が商談化しやすいのか。
セミナーを見るなら、参加後にどんな動きがあるのか。
このつながりが見えない数字は、KPIとして弱いです。
売上や商談に近い数字だけを見ればいいわけではありません。
でも、つながりを説明できない数字を追い続けるのは危険です。
その数字が増えると、何が良くなるのか。
ここを必ず確認しましょう。
現場が行動を変えられる数字になっているか
KPIは、現場が行動を変えられる数字である必要があります。
数字が悪かった時に、何を改善すればいいか分かる。
担当者が動ける。
次の施策に反映できる。
こういう数字は、良いKPIです。
逆に、数字を見ても何をすればいいか分からない場合は、KPIとして扱いにくいです。
たとえば、売上だけを現場に見せても、日々の改善には落とし込みにくいことがあります。
そこから商談化率、CVR、CTAクリック率、流入の質などに分解する必要があります。
KPIは、現場の行動に変換できることが大切です。
・何を増やすのか
・何を減らすのか
・どこを改善するのか
・誰が動くのか
ここが見えるかを確認しましょう。
部署間で同じ定義を共有できているか
KPIは、部署間で定義がそろっていることも重要です。
特にBtoBでは、営業とマーケティングの認識がズレやすいです。
MQLとは何か。
SQLとは何か。
商談化とは何を指すのか。
案件化とはどの段階か。
マーケティング経由とはどこまで含めるのか。
ここが曖昧だと、同じ数字を見ても解釈がズレます。
マーケティングは成果が出ていると思う。
営業はそう感じていない。
経営は判断できない。
こうした状態になります。
KPIを設計する時は、数字だけでなく定義も決めましょう。
定義がそろうと、会話がスムーズになります。
問題の場所も見つけやすくなります。
部門間の責任の押し付けも減ります。
短期と中長期のKPIを分けられているか
短期と中長期のKPIを分けることも大切です。
短期では、商談数や案件数など、売上に近い数字を見ます。
中長期では、接点数、指名検索、コンテンツ接触、ナーチャリング反応などを見ることがあります。
この2つを混ぜると、施策の評価を間違えます。
中長期施策に短期成果だけを求めると、すぐにやめる判断になりやすいです。
短期獲得施策を中長期の雰囲気だけで評価すると、費用対効果が見えにくくなります。
施策ごとに、期待する成果の時間軸を決めましょう。
・すぐに商談を作る施策
・将来の見込み客を育てる施策
・認知を広げる施策
・営業を支援する施策
時間軸が違えば、見るKPIも変わります。
短期と中長期を分けることで、施策を正しく評価できます。
定期的に見直す仕組みがあるか
最後に、KPIを定期的に見直す仕組みがあるかを確認しましょう。
KPIは、一度作っただけでは機能しません。
会議で見て、改善し、必要に応じて変える必要があります。
見直す仕組みがないと、古いKPIを追い続けることになります。
事業フェーズが変わっている。
営業体制が変わっている。
顧客の検討行動が変わっている。
施策の役割が変わっている。
それでも昔のKPIを見続けると、現場の行動がズレます。
定例で確認すべきことはシンプルです。
・このKPIは今も重要か
・改善アクションにつながっているか
・不要な数字が増えていないか
・営業や経営との認識は合っているか
・次に見直すべき点は何か
KPI設計は、作るより運用が大事です。
見直せるKPIこそ、成果につながるKPIです。
まとめ:マーケティングKPI設計で失敗しないためには、追う数字の意味をそろえる
マーケティングKPI設計で失敗する原因は、数字を見ていないことではありません。
多くの場合、数字は見ています。
むしろ、たくさん見ています。
それでも成果につながらないのは、追う数字の意味がそろっていないからです。
リード数は増えている。
でも商談は増えていない。
クリック率は上がっている。
でもCVRは下がっている。
PVは増えている。
でも売上に近い行動は増えていない。
こういう状態では、KPIが現場を正しい方向に導けていません。
KPI設計の失敗は数字を置くだけで起きる
KPIは、ただ数字を置くだけでは機能しません。
PVを見る。
クリック率を見る。
リード数を見る。
CVRを見る。
これだけでは、KPI設計とは言えません。
大事なのは、その数字をなぜ見るのかです。
その数字が増えると、何が良くなるのか。
売上や商談にどう近づくのか。
現場はどんな行動を変えるのか。
営業や経営と同じ意味で見られるのか。
ここまで考えて、初めてKPIになります。
数字を置くだけなら簡単です。
でも、意味のあるKPIを作るには、事業の流れを理解する必要があります。
KPIは管理のための数字ではなく、改善のための数字です。
売上から逆算して中間指標を設計する
マーケティングKPI設計で失敗しないためには、売上から逆算することが大切です。
売上を作るには、受注が必要です。
受注を作るには、案件が必要です。
案件を作るには、商談が必要です。
商談を作るには、有効なリードが必要です。
有効なリードを作るには、適切な接点やコンテンツが必要です。
この流れを分解すると、見るべき数字が見えてきます。
逆算しないままKPIを作ると、追いやすい数字に寄りやすくなります。
でも、追いやすい数字が成果につながるとは限りません。
売上から逆算して、途中のどこを改善すべきかを見る。
それが中間指標としてのKPIです。
この考え方があると、数字の見方が変わります。
マーケティングと営業で共通の定義を持つ
BtoBマーケティングでは、営業との共通定義が欠かせません。
マーケティングが良いと思うリード。
営業が追いたいと思うリード。
経営が評価する成果。
この3つがズレると、KPIはうまく機能しません。
MQLやSQLの定義をそろえる。
商談化の基準を決める。
営業が評価するリード条件を確認する。
商談化しなかった理由をマーケティングに戻す。
こうした地道なすり合わせが必要です。
数字は、定義がそろって初めて共通言語になります。
マーケティングだけでKPIを作らない。
営業や経営と同じ地図を持つ。
これが、BtoBマーケティングのKPI設計ではとても大切です。
追う数字を間違えなければ改善の精度は上がる
追う数字を間違えなければ、改善の精度は上がります。
どこで止まっているのかが分かります。
何を変えるべきかが見えます。
営業との会話も具体的になります。
経営層にも成果を説明しやすくなります。
逆に、追う数字を間違えると、現場は頑張っているのに成果につながりません。
PVは増えた。
リードも増えた。
でも商談や売上にはつながらない。
こうなると、マーケティングの価値が伝わりにくくなります。
だからこそ、KPI設計は最初に丁寧に考える価値があります。
完璧なKPIを最初から作る必要はありません。
まずは売上から逆算する。
現場が動ける数字にする。
営業と定義をそろえる。
定期的に見直す。
この積み重ねで、KPIは少しずつ強くなります。
マーケティングKPI設計で失敗したくないなら、まずは今追っている数字を見直してみてください。
その数字は、売上や商談につながっていますか。
現場の行動を変えられますか。
営業と同じ意味で見られていますか。
経営に説明できますか。
定期的に改善できる仕組みがありますか。
ここを一つずつ確認するだけで、かなり整理されます。
マーケティングは、数字を追う仕事です。
でも、数字に振り回される仕事ではありません。
追う数字の意味をそろえれば、施策の改善も、営業との連携も、経営への説明も、ずっとやりやすくなります。
KPIは、現場を縛るものではありません。
正しく設計すれば、現場を前に進める道しるべになります。
今日のレポートに並んでいる数字を、もう一度見直してみてください。
本当に追うべき数字はどれか。
売上に近づくために、次に変えるべき数字はどれか。
そこから見直すことが、マーケティングKPI設計で失敗しないための第一歩です。
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