50代の健康 昼寝で脳は若返らない!「午後の眠気」を放置してはいけない理由
午後2時。会議の途中なのに、まぶたが重くなってくる。
「少し昼寝をすれば、脳にもいいらしい」
そう考えて、15分ほど目を閉じる。
起きた直後は、たしかに頭が軽くなり、
仕事にも戻りやすくなります。
最近では、
「昼寝をする人は脳のサイズが大きく、
脳の老化を遅らせる可能性がある」という
研究も注目されています。
2023年に学術誌『Sleep Health』に掲載された研究では、
習慣的な昼寝をする傾向と、より大きな総脳容積との
関連が報告されました。
先日、この研究を紹介した
東洋経済オンラインの記事も話題になっていました。
「生産性を上げるために、一日中ずっと働き続ける必要はない」
この考え方には、私も賛成です。
短時間の仮眠によって午後の眠気や
疲労感が軽くなる人もいますし、
昼寝そのものを否定する必要はありません。
ただ、50代以降の人には、
一つ気をつけてほしいことがあります。
昼寝を増やす前に、
「なぜ自分はこんなに眠いのか」を考えてほしいのです。
昼寝で一時的に楽になることと、
眠気の原因が解決していることは、
同じではないからです。
昼寝=眠気を和らげる方法 眠気の原因そのものを治すとは限らない
私は長年、心臓の治療に携わってきました。
たとえば胸が痛いという人に対して、
痛みが取れたからそれで終わりとは考えません。
その奥に心臓の血管の狭窄などが
隠れていないかを確認する必要があります。
症状を一時的に軽くすることと、
その原因を調べることは別だからです。
日中の眠気も、考え方は同じです。
短い昼寝をすれば、
眠気が軽くなることはあります。
しかし、それだけで、
「自分には昼寝が必要なんだ」と
結論づけてしまうのは少し早い。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、
日中の眠気は睡眠不足だけでなく、
睡眠の質を低下させる睡眠障害、
服用している薬の影響、精神疾患などによって
起こることがあると説明されています。
つまり、眠気が出ているなら、
「どうすれば眠気を飛ばせるか」だけではなく、
「なぜ眠くなっているのか」を見る必要があります。

「年齢のせい」で済ませない
若い頃であれば、前日に夜更かしをした
仕事が忙しくて睡眠時間が短かったなど、
原因が比較的わかりやすい眠気も多かったかもしれません。
ところが50代になると、
生活環境も体の状態も変わってきます。
✅夜中に何度も目が覚める
✅以前より飲酒量が増えた。
✅薬を飲み始めてから眠気を感じるようになった。
✅家族から大きないびきを指摘されるようになった。
こうした変化がいくつか重なることもあります。
それでも本人は、
「最近忙しいから」
「もう50代だから仕方がない」と考えてしまいがちです。
しかし、夜にある程度寝ているにもかかわらず
日中の強い眠気が続く、
会議中に目を開けているのが難しい、
集中力が落ちて仕事に支障が出るといった状態まで来ているなら、
昼寝だけで片づけない方がいいでしょう。
特に注意したいものの一つが、
睡眠時無呼吸です。
睡眠中に呼吸が止まると、
睡眠が何度も分断されます。
本人には「7時間寝た」という感覚があっても、
十分に休めていないことがあります。
その結果、日中に強い眠気が出ることがあります。
ひどいいびきや睡眠中の呼吸停止を家族から指摘されている場合には、
一度医療機関に相談することをおすすめします。
大切なのは、「昼寝すれば大丈夫」と決めつけないことです。
50代は、健康法を足す前に「原因」を見る
健康情報では、何かを新しく始める話が目立ちます。
昼寝をする。運動を始める。
サプリメントを飲む。新しい健康機器を使う。
もちろん、必要なものなら取り入れればいいと思います。
ただ、50代以降の健康管理では、それと同じくらい、
今の自分の体調を悪くしているものは何なのかを見ることが大切です。
💡睡眠を邪魔している習慣はないか。
💡夜中に何度も目を覚ましていないか。
💡仕事を抱え込みすぎていないか。
💡眠くなるほど疲れ切った状態を毎日繰り返していないか。
何かを足す前に、今の生活の中に
眠気を生んでいるものがないかを確認してみる。
私は、これも50代からの
脳のメンテナンスだと思っています。
私自身、「足すこと」では解決しなかった
私はかつて、18億円の借金を抱えた時期があります。
次から次へと判断しなければならないことが出てきて、
頭の中は常に仕事とお金のことでいっぱいでした。
それでも最初は、
「もっと頑張らなければ」と考えていました。
しかし、やることを増やしても、
頭はますます回らなくなるだけでした。
必要だったのは、頭の中に抱えていた不安や
未処理の案件を一度外に出し、
何をやるのか、何をやめるのかを整理することでした。
眠気についても、私は同じように考えています。
午後に眠いから、昼寝をする。
それ自体は悪いことではありません。
でも、その前に、
自分の睡眠を悪くしているものはないだろうか。
そこを見るだけで、健康管理の考え方は大きく変わります。
強い眠気を放置しない
とくに気をつけてほしいのは、
眠気によって日常生活に影響が出ている場合です。
💤 十分に寝ているつもりなのに日中の強い眠気が続く。
💤 仕事中に居眠りをしてしまう。
💤 運転中にも眠気を感じる。
💤 いびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されている。
こうした場合には、一度かかりつけ医や
睡眠を扱う医療機関に相談してください。
厚生労働省も、昼間の強い眠気による居眠りや
集中力の低下は、仕事への支障だけでなく、
居眠り運転など重大事故につながる可能性があると注意を促しています。
服用している薬がある場合も、
自分の判断で中止したり量を変更したりせず、
処方した医師や薬剤師に相談してください。
「50代だから眠いのは当たり前」で終わらせないことです。

今日から3日だけ、眠気を記録する
では、何から始めればいいのでしょうか。
難しいことをする必要はありません。
今日から3日間だけ、自分の睡眠と眠気を記録してみてください。
記録するのは、
✅ 昨夜、何時に寝たか
✅ 朝、何時に起きたか
✅ 夜中に何回くらい目が覚めたか
✅ 昼間、何時ごろ最も眠くなったか
この4つで十分です。
3日ほど並べてみると、
「夜中に何度も目が覚めた翌日に眠い」
「昼食後だけ極端に眠い」
「睡眠時間を確保しているのに毎日眠い」など、
自分では気づかなかったパターンが見えてくることがあります。
昼寝をするか、しないか。
その二択だけで考えるのではなく、
昼寝が役に立つなら、上手に使えばいいのです。
しかし、強い眠気が続いているなら、
その原因にも目を向ける。
「どうすれば眠くならないか」ではなく、
「なぜ自分は眠いのか」。
50代からの健康管理では、この視点がとても大切です。
午後の眠気は、ただ仕事の邪魔をするものではありません。
自分の睡眠や生活を見直すために、
体が送っているサインかもしれないのです。
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