TESE(精巣内精子採取術)とは?|無精子症の希望となる治療法を解説
精巣内精子採取とはなんですか?
精液の中に精子が存在しない場合で、精管再建の適応でない場合に、顕微授精目的に精子を採取することです。
精巣内精子の採取方法にはどのようなものがありますか?
造精機能が、ある程度保たれている場合(FSHが正常、例外もある)は、針で精巣から精細管を吸引する方法(FNA)や、精巣を少し切開する方法(TESE:精巣内精子採取術)で精子を採取できます。
造精機能が障害されている場合(FSHが高値、例外もある)は、精巣を半分に割って精巣内ほぼ全体を顕微鏡で観察し、精子がありそうな場所を見つける方法(MDTESE:Micro-TESE:顕微鏡下精巣内精子採取術)があります。
無精子症でFSHが低値の場合は?
低ゴナドトロピン性性腺発育不全の可能性がありますので、通常精巣内精子採取は行わず、ホルモン治療を3-6ヶ月行うと射精した精液から精子が得られます。
ホルモン治療は週3回の注射が必要ですが、自己注射が可能ですので通院は1ヶ月に1回程度です。
精子が採取できる可能性は?
造精機能がある程度保たれている場合は100%採取できますが、造精機能が障害されている場合にはMDTESE(Micro-TESE)を行います。顕微授精で使用する倒立顕微鏡で精子が確認でき、凍結保存できる割合は約40%(cryptozospermia;1mlあたり100万未満を含む)です。
TESE手術前のY染色体微小欠失(AZF)検査の意義は?
検査は採血で行います。一部の無精子症の男性にはY染色体のAZFという領域が欠けていること(欠失)が報告されています。無精子症を対象としたAZF領域微小欠失結果とTESE(精巣内精子採取術)の精子回収率に一定の関係が存在します。
AZF領域微小欠失結果でAZFa欠失、AZFb欠失、AZFb+c欠失、Y染色体長腕欠失などでは、TESEを行っても精子を回収できないことが分かっていますので、TESE前に検査を行えば無駄な手術を回避できますので、おすすめしています。
一方、AZFc欠失では、精子を回収できる可能性があるのでTESEを行うこと多いです。しかし、男児が生まれるとAZFc欠失は遺伝しますがその男児が将来不妊症になるかは不明です。費用は、保険適用されていませんので当クリニックでは自費35,000円かかります。
精子採取は入院が必要ですか?
TESEは以前から日帰りですが、MDTESE(Micro-TESE)は、以前は入院し全身麻酔で行なっていました。2007年2月から当クリニックではMDTESE(Micro-TESE)も日帰りで行っています。
精子採取後に仕事に復帰できるのはいつからですか?
手術当日は歩いて帰り、翌日から事務仕事程度なら可能です。痛みについて、当クリニックでは特殊な局所麻酔を使用しているため、手術中の痛みはほとんどありません。手術後の痛みも、自宅で痛み止めの内服1-2回、痛み止めの座薬1回使用が平均的です。

