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宮崎県の地震 1 日向灘の地震

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

私はnoteをして人の優しさに触れることができて本当によかったです
深く感謝いたします

さて今回は宮崎県の地震で、日向灘の地震も含みます


はじめに、政府地震本部の情報から

概要

宮崎県に被害を及ぼす地震は、主に日向灘などの県東方の海域で発生する地震と、陸域や沿岸部の浅い場所で発生する地震と、火山の爆発に伴う地震と、南海トラフ沿いの巨大地震です

図1.  宮崎県とその周辺の主な被害地震 政府地震本部

🔵 宮崎県東方沖の日向灘では、ほぼ十数年から数十年に一度の割合でM7クラスの地震が発生し、多くの場合津波を伴います
🔵 より北側の日向灘北部から豊後水道にかけての地震でも被害を受けることがあります
🔵 陸域の下へ深く沈み込んだ(100~150kmほど)フィリピン海プレート内の地震で被害を受けることがあります
🔵 宮崎県には主な活断層はありませんが、火山活動によって陸域の浅いところで発生する地震によって、局所的に被害を受ける場合があります
🔵 南海トラフ沿いの巨大地震のなかで、四国沖から紀伊半島沖が震源域となった場合、強い揺れや津波による被害を受けることもあります

地震の種類と発生確率

宮崎県の地震活動の特徴 政府地震本部

宮崎県 最新30日間 の震央分布図

図2.  Hi-net 宮崎県 最新30日間 の震央分布図

日向灘地震とは

この領域では、M 7.6前後の規模の地震のほか、ひとまわり小さいM 7.0~7.2程度の規模の地震が発生することが知られています。日向灘周辺で発生するM7程度の地震の多くは、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生するプレート間地震です。M7程度の地震が十数年から数十年に一度の割合で発生していますが、M8以上の巨大地震が発生したという記録はありません。日向灘周辺で発生する地震では、周辺の沿岸各地に地震の揺れによる被害のほか、震源域が浅い場合には、津波被害が生じることがあります

政府地震本部

日向灘の場所

日向灘は宮崎県の太平洋側です

海溝軸とは、陸のプレートの下に海のプレートが沈み始める場所のこと

日向灘の地震を2つに分けています
🔵 日向灘のプレート間地震
🔵 日向灘のひとまわり小さいプレート間地震

🔵 日向灘のプレート間地震

日向灘で発生した最大規模のプレート間地震はM7.5程度である
江戸時代以降(17世紀以降)現在までに、1662年(M7.6)、1968年(M 7.5)の2回発生し、ともに津波被害を伴い、死傷者があった
過去の履歴からM7.5~M7.6の規模のものが約200年に1回の頻度で発生していると推定される。 このことから、同様な地震が今後30年以内に当該領域のどこかで発生する確率は1 0%程度、地震の規模はM7.6前後と推定される

🔵 日向灘のひとまわり小さいプレート間地震

日向灘で発生したプレート間地震には、上記のほかに、ひとまわり小さい地震として、死者2名を伴った1941年の地震(M7.2)などがある。これらの地震については、 1961年の地震(M7.0)により死傷者が出ていることから、M7.0以上の地震を対象とすると、気象庁震源カタログが整備された1923年以降の約80年間にM7.1前後の地震が3回ないし4回発生している
過去の履歴からM7.0~M7.2の規模のものが約20~27年に1回の頻度で発生 していると推定される。このことから、同様な地震が今後30年以内に当該領域ので発生する確率は70~80%程度、地震の規模はM7.1前後と推定される

政府地震本部


日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版) 令和4年3月25日
日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版)ポイント
日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価(第二版)概要資料
日向灘および南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価について 平成16年2月27日

日向灘地震はどうして起こるのか


日向灘の地震は、太平洋側からフィリピン海プレートが九州がのっている陸のプレート (ユーラシアプレートです) の下に沈み込むことによって起こる

🔵 両側の岩盤がすべって境界面が破壊されることによって起こる地震
🔵 フィリピン海プレートの内部が破壊されることによって発生する地震

地震の発生様式(タイプ)の模式図

知識:フィリピン海プレートは、駿河トラフと南海トラフから西南日本の下に、北西方向に年間約 4~7 cm の速度で沈み込んでいます
九州中央部では、約 120~140 km の深さにフィリピン海プレートが沈み込んでいます

出典:南海トラフ地震とは 気象庁


日向灘の海底地形


浅部微動は海溝に平行な狭い帯状に分布し(下図)、この地域のプレート間小規模繰り返し地震の上昇限界と一致しています。これは、通常のプレート間地震が発生するゾーンの上昇限界を反映しています
浅部微動の震源域では、背景地震活動も不活発で、浅部微動と通常のプレート間地震は空間的に区別されているように見えます

浅部低周波微動の分布と地質構造
研究対象地域の位置図(挿入図)と海底地形。浅部微動の時空間分布(色付きの円)[時間帯は日本標準時(JST)、または協定世界時+09:00]、海底地震観測所の位置と数(黄色の四角)、小規模繰り返し地震の震源(オレンジ色の円)、M7クラスのプレート間地震の地震時滑り域(濃い灰色)、沈み込んだKPRの外縁(濃い緑の太字)を示している。フィリピン海プレートの収束方向は赤い矢印で示され、海溝軸は青い破線で示され、海底地形の等深線は100m間隔で示されている。KUSMは陸上の地震観測所であり、図2Aで使用されている


日向灘では多数のM6.5 以上の地震が起こっています。これらの震源域が重なっているか、もしくは相補的になっているかは、同地域のカップリングや地震活動を理解する上で重要です
 
遠地実体波データの解析により、1968年 M 7.5、1970年 M 6.7、1984年 M 7.1 の日向灘地震は震源域の重なりがなく相補的に起こったことがわかっています

今回の震源は新しい場所でしょうか?

2024年8月8日16時43分 日向灘モーメントマグニチュード7.1

この地震の震央は北緯 31゚ 74' 東経 131゚ 72' 深さ31km でした


🟢 本震の前に今年、6月22日 M3.5 深さ41km、7月18日M3.5 深さ38kmにも地震がありましたが
これらの震源(下図) は、8月8日の震源 (上図) と重なりません
6月22日 M3.5 は 2022年1月22日 M6.6 の震源域と近接しています 

🟣 2022 年 01 月 22 日 01 時 08 分(日本時間)に日向灘で発生した地震(MJMA6.6)

星印は破壊開始点、矢印は下盤側に対する上盤側の 動きを表す。灰丸は今回の地震(MJMA6.6)発生 (1/22 01:08)から 24 時間以内に発生した地震の震源 (M1.0 以上)を示す
2022.1.22 MJMA6.6

すべり量分布図は、断層破壊による断層面上でのすべり量とすべり方向を表示した図です。 解析では、発震機構解や余震分布などに基づいて設定した 断層面をいくつかの小断層に分割し、各小断層でのモーメント解放量とすべりの方向を求めます。 各小断層のモーメント解放量(M0)は、M0=μDS(μ:剛性率、D:小断層面上のすべり量、S:小断層の面積)と表されます。 小断層の面積(S)は既知なので、剛性率(μ、例えば地殻内の標準値は30GPa)を与えれば、各小断層のすべり量(D)が得られます。 この各小断層でのすべり量とすべり方向をすべり量分布図に表示しています

🟣 2002 年 11 月 4 日 13 時 36 分(日本時間)に日向灘で発生した地震(MJMA5.7) 深さ約35km
大分県蒲江町蒲江浦、鶴見町地松浦で震度5弱
この地震は、沈み込むフィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で発生した

https://www.jma.go.jp/jma/press/0211/04a/hyuuga_021104.pdf
調査地域およびその周辺の地震活動
九州大学地震火山研究所が検出した過去15年間の通常の地震活動。M7クラスのプレート境界地震と1946年南海トラフ巨大地震の地震時滑り領域(濃い灰色)と活火山(赤い三角)を示している
Yamashita Y, et al. Migrating tremor off southern Kyushu as evidence for slow slip of a shallow subduction interface. Science Vol. 348 no. 6235 pp. 676-679

🟢 日向灘では28年前となる1996年に2回、10月19日と12月3日に地震が発生し、モーメントマグニチュードはそれぞれ約6.8と6.7でした
さらにその28年前の1968年4月1日にM7.5の地震がありました
震源と発震機構を比較した下の図を見てください

2024年8月8日M7.1 の地震の発震機構は、1996年10月19日 M6.9、1996年12月3日 M6.7、2019年5月10日 M6.3 の地震と類似のベクトル方向の逆断層型です
フィリピン海プレートは同じ方向と角度で沈み込んでくる。ここで陸のプレートとの固着力が耐え切れずに滑って地震が発生する


地震発生によりプレート間に起こる変化


海のプレートが陸のプレートに沈み込む過程で、両者が固く固着している場所には、"歪み"が時間と共に蓄積し、耐えられなくなると境界面が滑って地震が起き、地震が起きた断層は破壊されます

例えば1968年のM7.5の地震における破壊面積は64×48 [km2]、破壊継続時間は27秒で、この地震発生により応力降下 3.4 [MPa]と計算されています

この状況をイメージできる再現実験を見てみましょう

JAMSTEC さんによる実験です 動画をYoutubeで見る


🟢 岩盤同士に圧力をかけて滑らせると摩擦熱の発生を伴う岩盤破壊が起こる

日向灘で起こっているスロー地震

南海トラフ域では,スロー地震と呼ばれる,通常の地震とは異なる特徴を有する断層すべり現象が発生しています。プレート境界固着域の深部隣接側では,低周波微動・超低周波地震・スロースリップという,3種類の異なるスロー地震が時空間的に同期して観測されています。海底地震計を用いた直上観測により、「浅部低周波微動」が観測されました (山下裕亮ほか Science, vol. 348 (6235), 676-679)。その結果、
浅部低周波微動と浅部超低周波地震の活動の一致性が示された
浅部低周波微動は明瞭な「震源移動」を示す
浅部低周波微動は深部低周波微動とよく似た2種類の移動特性(Obara, Journal of Geodynamics 52, 229-248 (2011).など)を有する
以上より、プレート境界の深部と浅部で発生するスロー地震の活動様式は共通している
深部の低周波微動や超低周波地震は,数日間継続するスロースリップによって引き起こされると考えられる

詳しく、下図1〜3の説明
海底地震観測網によって捉えられた浅部低周波微動の震央分布(下図1)です。オレンジの丸は小繰り返し地震(プレート境界で繰り返し発生するM2~4程度の地震:Yamashita et al., 2012)、緑の太線は大陸プレート下に沈み込んでいる九州パラオ海嶺の外縁(Yamamoto et al., 2013)、赤い矢印はフィリピン海プレートが大陸プレート下に沈み込む方向(Miyazaki and Heki,, 2001)を示しています。グレーの領域は,それぞれ1968年日向灘地震,1996年10月・12月日向灘の地震で地震時に大きくすべった領域です(八木・他, 1998; Yagi et al., 1999)

下図2のN-S測線に沿った距離で投影した浅部低周波微動の時空間プロットで、横軸は時間(日付)を表しています。グレーのエリアは海底地震観測網の外側(南側)に位置するため、震源決定精度が悪い領域です。全体として、南から北へ移動しており、1回目と2回目の移動の平均的な速度は1日あたり30~60 kmです。6月12日~14日にかけての逆方向(北から南)の高速移動はRTR(Rapid tremor reversal: Houston et al., Nature Geoscience 4, 404–409 (2011).)と呼ばれる移動現象です
下図3は浅部スロー地震の移動と、通常の地震発生域(深さ10~30 km)のプレート間固着との関係についての解釈図です。プレート間固着が弱い場所の浅部側では広範囲に渡って浅部スロー地震活動が活発で、明瞭な移動現象が見られます。一方、固着が強い場所の浅部側では活動が限定的で不活発です

図1.海底地震観測網(黄色の四角:数字は観測点番号)によって捉えられた浅部低周波微動の震央分布(丸印:色は発生日時を示す).
オレンジの丸は小繰り返し地震(プレート境界で繰り返し発生するM2~4程度の地震:Yamashita et al., 2012),緑の太線は大陸プレート下に沈み込んでいる九州パラオ海嶺の外縁(Yamamoto et al., 2013),赤い矢印はフィリピン海プレートが大陸プレート下に沈み込む方向(Miyazaki and Heki,, 2001)を示している.グレーの領域は,それぞれ1968年日向灘地震,1996年10月・12月日向灘の地震で地震時に大きくすべった領域を示す(八木・他, 1998; Yagi et al., 1999).


図2.図2のN-S測線に沿った距離で投影した浅部低周波微動の時空間プロット。横軸は時間(日付)を表している。グレーのエリアは海底地震観測網の外側(南側)に位置するため、震源決定精度が悪い領域。全体として、南から北へ移動しており、1回目と2回目の移動の平均的な速度は1日あたり30~60 km。6月12日~14日にかけての逆方向(北から南)の高速移動はRTR(Rapid tremor reversal: Houston et al., Nature Geoscience 4, 404–409 (2011).)と呼ばれる移動現象。


図3.浅部スロー地震の移動と、通常の地震発生域(深さ10~30 km)のプレート間固着との関係についての解釈図。プレート間固着が弱い場所の浅部側では広範囲に渡って浅部スロー地震活動が活発で、明瞭な移動現象が見られる。一方、固着が強い場所の浅部側では活動が限定的で不活発である。
東京大学地震研究所の山下 裕亮特任研究員、山田 知朗助教、篠原 雅尚教授、小原 一成教授は、九州大学、鹿児島大学、長崎大学、防災科学技術研究所との共同研究により、2013年4月~7月に九州東方・日向灘の海底に12台の海底地震計を設置し、観測を行った結果

日向灘にマグニチュード8以上の巨大地震が起こる確率は?



遠地実体波データの解析により、1968年 日向灘地震 は1984年 日向灘地震 の震源域 の 手前で破壊が停止していました。このことは、両者の間d1にバリアが存在することかを示唆します 。同様に、1970年と1968年の震源域の間d2にもバリアが存在することが示唆されました。(下図)
これらの地震の時にプレート間の滑りがバリアを越えて一気に起こったなら、M8クラスの巨大地震になったかもしれません。九州に沈み込むフィリピンプレートに断裂や折れ曲がりがあるおかげで地震滑りが広がる障壁となり、これまで巨大地震に成長しなかったと考えられるそうです

実線はスラブの折れ曲がり、波線はスラブセグメントの境界
スラブは沈み込むプレートのこと




日向灘の過去の震源


過去の地震の震源をまとめた図を3つ持ってきました

🟢 2024年8月8日M7.1の震源は、1996年12月3日M6.7 の震源と接近している。3Dで両地震の断層に重なりがあるかはまだ不明です


日向灘地域における1930年から1997年までの地震活動の分布
本研究ではKK法を用いて震源メカニズムを決定した
1968年 MJMA 7.5、1970年 MJMA 6.7、1984年 MJMA 7.1 の日向灘地震は震源域の重なりがなく相補的に起こった

将来の地震予測


次号に続く

ここまでで素人なので息も絶え絶えです
皆様におかれましては良い時間をお過ごしください

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