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そのジャンクフード、寿命を削ってるかも──「超加工食品」が増えると、早く死ぬ

みなさん、こんにちは。

私は朝食、昼食は基本コンビニで済ませます。

菓子パンとカフェオレ、あるいはおにぎりとカップのスープ。

ラーメンも大好きで、自分に甘い食生活には我ながら自覚があります。

いわゆる超加工食品というやつにまみれた生活。

清涼飲料やスナック菓子、インスタント麺、菓子パン、加工肉──つまり、私の大好物がほぼ全部、当てはまります。

そしてついに、「超加工食品」と「早死に」が本当に結びつくのかを調べた論文が、発表されてしまいました。

今後の人生のためにも避けては通れないこの話。

正直、見たくはありませんが、見ておく必要がある。

みなさん、ご一緒にどうでしょうか?


こんにちは! 某県の大規模病院で外科医として約20年の経験を持つ「医学論文ハンター・Dr.礼次郎」です

海外の権威ある医学雑誌に掲載された論文を一編ずつ読み解いた、
生の「一次情報」をもとに、医学に詳しくない方にもわかりやすく解説しています。
日々、皆さんに信頼できる医療情報をお届けします!
早速、本日のテーマを見ていきましょう!


今回読んだ論文
“Premature Mortality Attributable to Ultraprocessed Food Consumption in 8 Countries”
(8か国における超加工食品の摂取に起因する早期死亡率)
Eduardo A F Nilson, Felipe Mendes Delpino, Carolina Batis, et al.
Am J Prev Med. 2025 Jun;68(6):1091-1099. doi: 10.1016/j.amepre.2025.02.018. Epub 2025 Apr 28.
PMID: 40293384 DOI: 10.1016/j.amepre.2025.02.018
掲載雑誌:American Journal of Preventive Medicine【アメリカ】2025より




この研究が確かめたかったこと──超加工食品はどれだけ「早死に」と結びつくのか

まず、この研究が何を明らかにしようとしたのかを整理します。

研究チームの問いは、つきつめると2つです。

ひとつは、超加工食品をたくさん食べる人ほど、本当に亡くなるリスクが高いのか、という問い。

もうひとつは、もし高いとして、それぞれの国の早死にのうち、どれくらいが超加工食品のせいだと見積もれるのか、という問いです。

この2つを順番に確かめるために、研究は2段構えで組まれています。


そもそも「超加工食品」とは何か

超加工食品とは、Nova分類(ノヴァ分類・食品を加工の度合いで4つに分ける国際的な分け方)の中で、いちばん加工度が高いグループを指します。

工場で、食品から取り出した成分や、見た目や味を整えるための添加物を組み合わせて作られた、原型の食材をほとんど含まない製品のことです。

たいていは高カロリーで栄養バランスが悪く、それでいて安くて、手軽で、やみつきになるほどおいしく作られています。

清涼飲料、スナック菓子、インスタント麺、菓子パン、加工肉、市販の総菜や冷凍食品などが、その代表です。

念のため言い添えると、これは「ある特定の食品が毒だ」という話ではありません

食事全体のうち、こうした超加工食品がどれくらいの割合を占めているか、という見方をする研究です。


この研究はどんなスタイルの研究か

ここで大事なのは、研究の前提を確認しておくことです。

研究は2つの部品からできています。

前半は、世界中ですでに行われた研究を集めて、ひとつにまとめ直す「メタ解析」です。

集められたのは、大勢の人をあらかじめ登録して、その後に亡くなるかどうかを未来に向かって追いかけた「前向きコホート研究」が7本。

過去のカルテをさかのぼる「後ろ向き」ではなく、これから先を追いかける「前向き」の研究、ということです。

合わせると、およそ24万人ぶんのデータになります。

いずれも、研究者が食べ方を指示したわけではなく、人々の暮らしぶりをそのまま観察した「観察研究」です。

そして後半は、前半で分かった関係を、各国の最新の食事調査(アメリカやイギリス、ブラジルなど8カ国の全国規模の調査)に当てはめて、「もし超加工食品を減らせたら、早死にをどれだけ防げたか」を計算する試算です。

観察研究は、「関連」は見えても「原因と結果」までは言い切れない、という前提があります。

この点は最後にもう一度ふれます。


食事の超加工食品が増えるほど、死亡リスクは積み上がっていた

それでは、前半のメタ解析の結果から見ていきましょう。

7本の研究、およそ24万人を合わせて分かったのは、きれいな右肩上がりの関係でした。

具体的には、1日の食事のカロリーに占める超加工食品の割合が10%増えるごとに、その後に亡くなるリスクが、およそ2.7%ずつ高くなっていたのです。


「たった2.7%」をどう受け止めるか

正直に言うと、私はこの数字を最初に見たとき、思ったより小さいな、と感じました。

10%増えて2.7%、と聞くと、ほんのわずかに思えます。

ただ、ここで強調しておきたいのは、これは「10%ごと」の話だということです。

たとえば、食事の半分を超加工食品が占めるような食生活では、その差が何段階も積み重なります。

少しずつの上乗せが、けっして無視できない大きさになっていく、という意味です。

しかも、この関係はどこかで頭打ちになるのではなく、割合が増えるほど素直に積み上がっていく、まっすぐな形をしていました。


一部を抜いても結果は揺らがなかった

こういう「まとめ直し」の研究では、一本だけ極端な研究が全体を引っ張っていないか、が気になります。

そこで研究チームは、7本のうち1本ずつを順番に抜いて計算し直す、という確かめ方をしています。

その結果、どの1本を抜いても、全体の傾向はほとんど変わりませんでした。

特定の研究に引きずられた、あやうい結論ではなさそうだ、ということですね。


8カ国で比べた「早死にの何割が超加工食品のせいか」

後半の試算は、ここからが本番です。

同じ「10%で2.7%」という関係でも、国によって超加工食品をどれだけ食べているかは、まるで違います。


食べている量は、国でこんなに違う

食事のカロリーに占める超加工食品の割合は、国ごとに大きく分かれていました。

中南米の国は低めで、コロンビアやブラジルは2割に届きません。

チリやメキシコで2割台、オーストラリアやカナダで4割前後。

そしてイギリスとアメリカでは、なんと食事のカロリーの半分以上を超加工食品が占めていました。


早死にの「何割ぶん」が積み上がるか

この「食べている量」と「10%で2.7%」の関係を掛け合わせて、研究チームは、30歳から69歳の早すぎる死のうち、どれくらいの割合が超加工食品によるものと見積もれるかを計算しました。

すると、いちばん少ないコロンビアで早死にの約4%。

いちばん多いイギリスとアメリカでは、早死にの約14%にのぼると試算されました。

人数にすると、アメリカでは1年あたりおよそ12万人ぶんに相当します。

もちろんこれは、超加工食品を完全にゼロにできたら、という理論上の最大値です。

それでも、食べ方の割合がここまで死の重みに効いてくる、という結果は、なかなか印象的でした。


なぜ超加工食品は、体に効いてしまうのか

では、なぜ超加工食品がこれほど健康に響くのでしょうか。

研究チームは、いくつかの仕組みが重なっていると考えています。

ひとつは、超加工食品が、本来食べるはずだった新鮮な食材や手作りの料理を、食卓から押しのけてしまうこと。

もうひとつは、それ自体が高カロリーで栄養バランスが悪く、さらに食品添加物など、体にとってなじみの薄い成分を含むことです。


「全死亡」をあえて選んだ理由

この研究が、特定の病気ではなく「すべての原因による死亡」を指標に選んだのには、理由があります。

近年の大規模なまとめでは、超加工食品は、がん、糖尿病、心血管の病気、メンタルの不調、呼吸器や消化器の問題まで、実に32もの健康アウトカム(健康上の結果)と結びつくと報告されています。

これだけ多くの病気に少しずつ関わっていると、ひとつの病気だけを取り出して数えても、全体の影響を取りこぼしてしまいます。

そこであえて「亡くなるかどうか」という、すべての結果の総和をひとつにまとめた指標を使うことで、超加工食品が体に与える影響の合計を、まるごと映そうとしたのです。


私たちにできること、と研究の限界

最後に、この研究をどう受け止めるかを考えてみます。


「ゼロ」ではなく「割合を下げる」

この研究のいちばんの救いは、超加工食品の影響が「量」で効いていたことだと思います。

ゼロか百か、ではありません。

食事に占める割合が増えるほどリスクが積み上がるなら、逆に言えば、減らせたぶんだけ報われる、ということでもあります。

たとえば、毎日飲んでいた清涼飲料を週に数本に減らす。

カップ麺の頻度を少しだけ落として、その日は冷凍うどんに卵と野菜を足してみる。

新しく特別な健康食品を買い足すのではなく、いつもの一品を、少しだけ加工度の低いものに置き換える。

そのくらいの小さな一歩でも、この研究の理屈からすれば、ちゃんと意味があることになります。


この研究の限界

もちろん、うのみにはできません。

いちばん大事なのは、もとになったのが観察研究だということです。

超加工食品を多く食べる人は、ほかにも生活の事情が重なっていることが多く、食べ方そのものが死を早めたのか、それとも背景にある別の要因のせいなのかは、この研究だけでは言い切れません。

そのうえで、限界がいくつか正直に述べられています。

集められたコホート研究の数はまだ限られていること。

年齢や性別が違っても同じリスクの大きさを当てはめていること。

そして、食生活が変わってから、それが死亡に表れるまでの時間差を、うまく捉えきれていないこと。

こうした観察研究にもとづく話は、紹介する人が超加工食品に好意的か否定的かによって、いくらでも色合いを変えて語れてしまう面があります。

だからこそ、煽りすぎず、けれど見て見ぬふりもせず、もとの数字をそのまま受け止めるのが大事だと感じました。


超加工食品は、食事に占める割合が増えるほど、早死にと静かに結びついていました。

とはいえ完璧にゼロは難しく、私自身もダイエットコーラとラーメンはやめられません(笑)。

だからこそ「減らせたぶんだけ返ってくる」というこの研究の形は、私のようなズボラには、むしろ救いに思えます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ぜひともフォローもよろしくお願いします。


お礼
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免責事項
本記事でご紹介した内容は、あくまで特定の査読済み医学論文の科学的知見を解説することのみを目的としており、筆者(Dr.礼次郎)個人の、診療上の推奨や個人的な意見ではありません。
特定の治療方法、治療薬、生活スタイル、食品などを批判する意図や、推奨する意図は一切ございません。
本記事は、医師による診断や個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
実際の治療方針や服薬については、必ず主治医にご相談ください。
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