学歴社会と所得収入ー大富豪と大貧民、格差の広がる社会の中で「お受験」?

 ここのところ、季節もので「受験」について続けて書いてきましたが、コロナ禍以降、少しずつ、「受験」を取り巻く環境や社会情勢、保護者の意識も、変わってきたように思います。

 かつて、日本が高度経済成長期には、日本的経営を中心として「良い学校を卒業して、良い会社に入って、ずっと同じ会社に長く務めるほど、給与は上がる」、と「1億総中流社会」と言われたように、9割の人が「中の上」「中の中」「中の下」併せて、「うちは中流」と回答した時代。

 その後、1980年代までは、企業は日本的経営、すなわち年功序列、終身雇用で、新卒でその企業に入ったら、定年まで勤めるのが常識。会社側も、社員には社宅や保養所を用意したり、社員旅行があったり、家族にまで気配りしていて、転職はマイナスだったのです。

 そして、バブル経済の到来で、株も土地も不動産も買えば上がる、給料は長く勤務すれば上がる、土地神話も誰も疑わなかったのです。

 証券会社などは、年収は600万円なのに、ボーナスが6千万円、なんて珍しくなかったのです。その結果、金融機関の社員が顧客のお金に手を出して投資が失敗すると、左遷されるということも裏にあり。

 ヴォーゲルが "Japan as No.1"を出版し、天然資源の少ない日本が経済大国になった秘密のひとつに、教育、人材育成がある、と指摘しました。企業は
ゴッホの「ひまわり」の絵を数十億円で購入したり、アメリカの誇り、ロックフェラーを買収したりして、海外から顰蹙を受けたー 

 そんな時代が長く続くはずもなく、11月23日、勤労感謝の日に、野村証券をはじめとする4大証券のひとつ、山一証券が倒産しました。TVで社長が、「社員は悪くありません」と号泣した会見が行われた。

 90年代半ばには、日経平均が1万6千円台まで下がり、金融機関の含み益がゼロになる時代が突然来て、失われた30年と言われ、今、株はバブル時よりずっと高い5万円台なのに、日本は豊かな国と言えるでしょうか?

 それでも、三井系研究所時代の戦友、故森永氏がテレ朝のニュースステーションのレギュラーで『年収300万円時代』を出版した際には、「いくら何でもそこまでは」という世間の見方でしたが、今思うと、もう四半世紀前に
彼はそれを見抜いていた、先見の明があった、と言えます。

 小学受験が百害あって一利なし、と断じたのは、若い夫婦がガンガン働いて、いくらでも稼げる、あるいはその両親の親も孫の為にお金を出してくれたので、リッチだと勘違いしていた家庭も多いのです。そのまま、子どもが大学を私学に行かせる為に教育費を掛けたら、その老後はどうなるか?

 以前、メガバンクの東京のど真ん中の日比谷・丸の内を統括するブロック長が、私の担当で「美子先生、給料が30年間も変わらないんですよ!」と言って辞めたお話をしました。

 実際、高齢者世帯(単身でないことに注意)の預貯金額の調査で「ゼロ」
が20%を超え、300万円以下が併せて3割を超えていて、驚きました。
 老後、必要な資金は1人2千万円、という数字を審議会が本気で試算したら、当初当時の麻生大臣はよくできた結果だと褒めたのに、世間がそんなに必要なのか!と評判が悪くなると、その諮問結果の報告書の受け取りを拒否したことは、記憶に新しいですよね。

 トランプのゲームと違って、今や日本はごく僅かの「大富豪」と大変多くの「大貧民」の格差は広がるばかりで、「革命」なんてないんですよね。

 この所得格差、老後を考えたら、小さいうちに「受験」なんてさせて、
子どもが面倒を見てくれると思います?

 お金のない老後、もう稼げないのに、年金から税金は取られるし、介護保険費も払わなければならない。悲惨ですよ。

 



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