AIを使いこなす人ほど、大事な場面でAIを使わない
どれいくです。
先日、社内で一番AIに詳しい人が、役員向けの提案資料を見せてくれました。
読んで、驚いた。
え、AIの匂いが、一切しないことに。
言葉に体温がある。
現場で拾った数字が入っている。
その人にしか書けない一文がある。
「この人、本気で考えてきたな」と伝わるドキュメントだった。
でも、僕は知っています。
この人、裏でめちゃくちゃAIを使っている。
毎日使い倒している。
プロンプトの書き方まで研究している。
下書き、構造の整理、論点の抜け漏れチェック、反論のシミュレーション、全部AIにやらせている。
なのに、出てくる資料からは、その痕跡が完全に消えている。
見えないところでAIをフル活用して、見える部分は完全に自分の言葉、自分の熱で仕上げている。
読む人に、AIを使ったことを気づかせない。
それが、この人たちの「AIの使い方」です。
一方で。
仕事の成果がいまいちな人ほど、どんな場面でもAIをそのまま出す。
議事録。報告書。企画書。提案スライド。
全部、AIが出力したものを、ほぼそのまま。
で、こういうことが起きる。
上層部への提案の場。
会議室にプロジェクターが映る。
スライドが切り替わっていく。
内容は、、まあ、それっぽい。
構造は整っている。文法も正しい。
が。
スライドの右下に、NotebookLMのロゴがしっかり残っているw
会議室の空気、想像できますか。
誰も指摘しない。
でも全員、気づいている。
「あ、これ、このまま出してきたんだ」と。
あの瞬間、消えるのは信用です。
資料の中身がどれだけ正しくても、「この人は考えてきたのか、それとも出力してきたのか」その一点で、評価が分かれる。
ロゴが残っているのは、極端な例に見えるかもしれない。
でも本質的には、同じことをやっている人は多い。
やたら丁寧な文章
誰が書いても同じような内容
具体的な数字、固有名詞、現場感がない
意味があるようで何も言っていない言葉
全体的に、ツルツルしている
ロゴは消した。
でも中身が「AI出力そのまま」であれば、読む人には一発でわかる。
それを、AI臭と呼ぶ。
もう一つ、最近見た光景。
全社向けの制度説明会。
テーマは人事評価制度の改定。
全社員のキャリアと報酬に直結する、めちゃくちゃ大事な話です。
説明するのは、人事責任者。
で。
スクリーンに映ったスライドが、一時期、一世を風靡した⚪︎⚪︎⚪︎式AIスライド生成ツールで自動生成された、テンプレートそのまま。そのまんま東。(40代までギリかw)
きれいです。デザインは整っている。
情報もたぶん間違ってはいない。
でも。
受け取る側の感想はこうです。
「この人、本気でこの制度を良くしようと思ってるのかな」
200人が見ている全社の場で、自分のキャリアに関わる制度の説明が、AIテンプレスライドで流れてくる。
言葉に熱がない。構成に意図がない。
「なぜこの制度に変えるのか」「現場にどう影響するのか」その人自身の言葉が、どこにもない。
大事な制度なのに、薄っぺらく見えてしまう。
誤解のないように言っておくと、AIスライド生成ツール自体は、素晴らしいツールです。
たたき台を一瞬で作れる。
個人の学習用、チーム内の共有用、ラフな議論のベースとしては、ものすごく使える。
問題は、ツールじゃない。
使いどころです。
全社員が注目する公式の場で、キャリアに直結する制度を、自動生成テンプレートのまま説明する。
これは「効率的」ではなく、「本気度が伝わらない」という結果を生む。
どれだけ正しいことを言っていても、伝わり方が設計されていなければ、意図通りには届かない。
あなたの結婚式で、友人がスマホを持ったまま、AIに書かせたスピーチを読み上げたら?
大事な場面でのAI丸投げは、それと同じことをやっている。
どの場面で、何を使うかの判断。
それが、成果を分ける。
見えないAIと、丸見えのAI
ここで大事なのは、「AIを使うな」という話ではない。
成果を出す人も、出さない人も、どちらもAIを使っている。
違うのは、どこで使い、どこで自分を入れるか。
成果を出す人のAI活用は
まず自分で考える。仮説を持つ。方向性を決める。
AIに下書きを作らせる。構造を整理させる。抜け漏れをチェックさせる。
出力をそのまま使わない。
自分の言葉で書き直す。自分の体温を入れる。現場で見た事実を差し込む。
完成した資料からは、AIの痕跡が消えている。
一方で、成果が出ない人のAI活用。
AIに聞く。
出てきたものをコピペする。
体裁を整える(ロゴは消し忘れるw)。
提出する。
順番が逆。
配慮という名のプロ意識
もう一つ、見落とされがちなことがある。
成果を出す人は、読む人への配慮をしっかり入れている。
上層部は忙しい。資料を読む時間は短い。
だからこそ、「この資料は信用できる」と最初の3秒で思わせなきゃいけない。
そこに、AIが書いた匂いがしたら?
内容の真偽を確認する前に、「こ、こいつ、手を抜いたな(げんなり顔)」という印象が先に入る。
提案が通る確率は、0.0001%になる。
成果を出す人は、それを知っている。
だから、AIを使った痕跡を徹底的に消す。
フォントを整える。言い回しを変える。自分にしか書けない一文を足す。現場の数字を入れる。
AIに助けてもらったことを、相手に悟らせない。
これは、ズルいんじゃない。
信頼を守るための、プロの配慮。
一方で、ロゴが残ったまま出す人は、この配慮がない。
「AIを使えている自分」に満足してしまって、「受け取る相手がどう感じるか」を想像できていない。
本人だけが気づいていない。
「AIでここまでできるんですよ」と、むしろ誇らしげだったりする。
結局、「仕事」と「作業」の話だ。
定義しておきたい。
仕事 = AI × 人間で、成果を出すこと。
作業 = AIに丸投げして、楽をすること。
AIで成果が出せていない人は、サボっているわけじゃない。
むしろ、毎日AIを使っている。
でも、やっていることは作業の効率化だ。
ロゴが残ったまま出てくる資料。
誰が書いても似たような提案書。
楽にはなった。
でも、それだけ。
AIを使いこなしている人は、逆のことをやっている。
AIに考えさせて、自分が判断する。
AIに構造を作らせて、自分が熱を入れる。
AIに下書きを書かせて、自分の言葉で仕上げる。
楽をするためじゃなく、成果を出すための道具として使っている。
今日からできること
次にAIで何かを出す時、提出する前に一つだけ確認してみてください。
「AIを知らない上司が見た時、『こいつ本気だな』と思うか?」
ロゴが残っていないか。
AIっぽい言い回しが残っていないか。
自分にしか書けない一文が入っているか。
現場の匂いがするか。
もし全部消しても誰も困らないなら、それはまだ「あなたの仕事」ではなく、「AIの作業」です。
一文だけでいい。
AIは成果を出さない。
成果を出すのは、いつもあなただ。
あなたは今、仕事をしていますか。
それとも、作業をしていますか。
最後まで、読んでいただきありがとうございます!
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