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#1 うちの中学受験、こんな感じでした

偏差値42。塾に月5万払って、成績は下がった


うちの娘の中学受験が終わった。
結果から言うと、最初に考えていた学校には行かなかった。偏差値で見たら、だいぶ路線変更した。でも今通っている学校は、受験を通じて一番「この子に合っている」と感じた学校だ。これで良かったと思っている。
4年生の春から四谷大塚に通い始めて、5年の夏にやめた。そこから四谷大塚の通信講座「進学くらぶ」に切り替えて、iPadを使いながら親子で走り切った。夫婦ともに中学受験の経験はゼロ。娘は一人っ子だから、最初で最後の受験。完全に手探りだった。
この連載は、偏差値42の「普通の子」と「普通の親」が、塾をやめてからどうやって中堅校に受かったかの記録だ。派手な逆転合格の話じゃない。天才の話でもない。ボリュームゾーンのど真ん中にいた親子が、仕組みで戦った話を書いていく。


受験を始めたきっかけ

中学受験は妻の意向で始まった。
学歴で苦労した経験があって、娘には早めに道を作ってあげたいと。自分は公立育ちで高校受験だったから、正直ピンときていなかった。ただ、偏差値がいくつとかいう話よりも、「自分で目標を決めて努力する経験」になるならいいかなと思った。
娘本人は特にやりたいわけでもなかったけど、小学校の同級生の半分以上が受験するような地域だったから、自然と流れに乗った感じだった。
今思えば、親も子も、動機がぼんやりしていた。でもこの「ぼんやり」が、後に路線変更する柔軟さを残してくれたのかもしれない。


月5万、年間で考えると…

4年生の春、四谷大塚に入塾した。
中学受験といえば大手塾。周りもそうしているし、プロに任せておけば大丈夫だろう。そう思っていた。毎週何度も電車で送り迎えをして、居残りの日は帰りが遅くなる。季節講習の期間は毎日。親の負担は想像以上だった。
四谷大塚の4年生本科コース(4教科)で月額約36,000円。5年生になると月5万円近くになる。これに教材費、季節講習が乗ってくる。ざっくり計算すると、4年生の1年間で80万円以上。5年生はもっとかかる。
それだけ払って、1年半。娘は一番下のクラスの、さらに下の方にいた。
偏差値は42前後をうろうろ。上がるどころか、じわじわ下がっている時期もあった。毎月の組み分けテストの結果を見るたびに、なんとも言えない気持ちになった。


「やらされ感」の正体

娘は授業を「受けているだけ」だった。先生の話を聞いて、ノートを取って、帰ってくる。わからないところがあっても質問できない。周りはどんどん先に進む。わからないことがわからないまま積み上がっていく。
家で聞いても「うーん、よくわかんない」。やる気がないわけじゃない。でも「自分の勉強」という感覚がなかった。全部が受け身だった。
塾にも相談した。でも大人数を回している以上、一人ひとりに手厚く対応するのは構造的に難しい。塾が悪いわけじゃなく、うちの娘にはこの環境が合っていなかった。


「ここまでやったから」の罠

退塾を考え始めた時、「ここまで続けたんだから、もう少し頑張れば」という声が頭の中でずっと鳴っていた。1年半通った。教材も揃えた。ここでやめたら全部無駄になるんじゃないか。
仕事では、こういう判断ミスをよく見る。すでに使ったお金や時間に引きずられて、撤退が遅れるパターン。他人の話なら「やめた方がいいですよね」と言えるのに、自分の家庭のことだと全然冷静になれない。
最終的に背中を押したのは妻の一言だった。「あの子、全然楽しそうじゃないよね」。
数字じゃなくて、表情。それが一番正しい判断基準だった。


退塾、そして

5年生の夏休みを最後に、四谷大塚を退塾した。
代わりに選んだのは「進学くらぶ」。四谷大塚が運営する通信講座で、予習シリーズの教材はそのまま使える。授業は動画で見られるし、週テストも自宅で受けられる。塾の「教材」と「ペース」は維持しながら、「場所」と「やり方」を自分たちに合わせる選択だった。
正直、不安しかなかった。でも何も変わらないまま月5万円を払い続けるよりは、自分たちでやれることをやってみたかった。


この連載で書くこと

ここから先の1年半で、うちがやったことを全部書いていく。仕事の考え方を受験に応用した話。iPadで学習環境を作った話。「なぜ復習しても伸びないのか」を仕組みで解決しようとした話。そして、この経験から生まれたツールの話。
中学受験は課金ゲームじゃない。ボリュームゾーンにはボリュームゾーンの戦い方がある。うちの記録が、同じ場所にいる誰かの参考になればうれしい。

→ 次回:塾をやめて進学くらぶに切り替えた理由 — 塾の機能を分解してみた

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