母の“できない”が、ちょっと笑える瞬間に変わるまで
94歳の母。
できないことは、日々増えていく。
でも、「やろう」という気持ちはまだまだ衰えていない。
👖 ズボンが履けない
膝が曲がり切らず、足をズボンに通せない。
それでも手すりを握り、踏ん張って、何とか足を曲げて入れる。
🖐️ 手が届かない
座ったままだと、テーブルの端にあるティッシュに手が届かない。
「よいしょっ!!」と勢いをつけて、ようやく引き寄せる。
👂 補聴器がうるさくても
補聴器が耳の中でズレると、ピーピーと音がする。
母は「そういうもの」だと受け止める。
「ズレたら、自分で調整すれば止まるよ」と伝えると、
「あら、そうなの? うるさいけど、こういうものだと思ったわ」と笑う。
🍪 思い違いしても
私が旅先で買った、桔梗屋の信玄餅。
「こんなきな粉だらけじゃ、和服のお嬢さんは食べられないわよ。
でも、箱根の山をトコトコ登って、やれやれと食べるのにはいいわね。
昨日も食べたわよね?」
私が「昨日も一つ食べたよ」と言うと、
「箱根の山で、日の出を見ながら一緒に食べたわよね?」
「いやいや、箱根は行ってないよ。ここで食べたんだよ」
「あら、そうだった?」
…爆笑、爆笑、爆笑。

