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「TG 500」が危険な数字だと、研修医まで知らなかった

こんにちは〜
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

最近、脂質異常症について改めて勉強しているのですが、
その中で、研修医の頃に驚いたことをふと思い出しました。

それが、

「TG 500を超えたら、見方が変わる」

という話です。

今振り返ると、
「そんなの当たり前では?」
と思われるかもしれません。

でも、正直その頃の自分は、

「え、中性脂肪ってそこまで重要なの?」

と思っていました。

当時の自分の中で、脂質異常症というと、

  • LDL-C

  • スタチン

  • 動脈硬化

くらいのイメージしかなかったんですよね。

なので、
「TGが高い」
ということが、

“急性膵炎”
にまで繋がる感覚がありませんでした。

💡 LDL-Cは「長期的な動脈硬化リスク」として学ぶ機会が多い一方で、
TGはどこか“脇役”として扱っていた気がします。

でも実際に、自分で外来を持って、処方を考えるようになると、
少しずつ景色が変わってきました。

健診で、

  • LDL-Cはそこまで高くない

  • でもTGが300〜400

  • HDL-Cが低い

  • BMIも高め

みたいな患者さんを診る機会が増えてきたんです。

最初は、
「まあLDLそこまでじゃないし…」
くらいに思っていました。

でも勉強していくと、
こういう患者さんの背景には、

  • insulin resistance

  • 内臓脂肪

  • 脂肪肝

  • 慢性炎症

  • remnant lipoprotein

みたいな、“代謝異常の塊”が隠れていることが見えてきました。

そしてさらに驚いたのが、

TGが500を超えると、
“動脈硬化”だけでなく“急性膵炎”を意識して対応が変わる

ということでした。

📣 「脂質異常症=LDLを下げる病気」

そんなふうに思っていた自分にとって、
TG高値は、“ただの数値異常”ではなく、
病態そのものを映している指標なんだと気づき始めた瞬間だった気がします。

今回は、

  • TG高値で何が起きているのか

  • なぜTG 500がひとつの境界になるのか

  • LDL正常なのに危険な人たちは誰なのか

を、外来での実感も交えながら整理してみようと思います。



Part1.TG高値で、何が起きているのか

ここから少し、
「そもそもTGが高いってどういう状態なのか?」
を整理してみます。

研修医の頃の自分は、

「中性脂肪が高い=食べすぎ・飲みすぎ」

くらいの理解でした。

もちろんそれも間違いではありません。

でも実際には、
TG高値の背景にはかなり複雑な“代謝異常”が隠れています。

特に重要なのが、

insulin resistance(インスリン抵抗性)

です。


「脂肪」がうまく扱えなくなる

インスリン抵抗性が起きると、
体はエネルギーをうまく処理できなくなります。

すると脂肪組織からFFA(遊離脂肪酸)が大量に放出され、
それが肝臓へ流れ込みます。

肝臓はそれを材料にして、

VLDL(TG-rich lipoprotein)

を大量に作るようになります。

つまり、

📌 TG高値は、
“脂肪を運ぶトラックが増えすぎている状態”

とも言えるんですよね。


「TGが高いだけ」では終わらない

ここがかなり重要です。

TGが高い患者さんでは、

  • HDL-C低下

  • small dense LDL(sdLDL)

  • remnant lipoprotein増加

が同時に起きやすくなります。

つまり、

“LDL-Cの数字だけでは見えないリスク”

が増えている。

これが、
最近よく言われる

residual risk(残余リスク)

の話にも繋がってきます。


LDL正常なのに、なぜ動脈硬化が進むのか

実際の外来でも、

  • LDL-Cはそこまで高くない

  • でもTG高値

  • HDL低値

  • obesity

  • 糖尿病

  • 脂肪肝

みたいな患者さんって結構います。

こういう方は、
“見た目のLDL-C”以上にリスクが高いことがあります。

特に問題になるのが、

remnant lipoprotein

です。

これは簡単にいうと、

「TGをたくさん含んだ、処理途中の脂肪粒子」

みたいなもの。

しかもこの粒子、
血管壁に入り込みやすく、
炎症や動脈硬化に関わると考えられています。

💡 LDL-Cだけを見ていると、
この“代謝異常の空気感”を見逃してしまうことがあります。


TG高値は「代謝異常のサイン」

なので最近は、

TG高値そのもの

だけでなく、

その背景にある

  • obesity

  • insulin resistance

  • MASLD

  • DM

  • CKD

  • alcohol

をセットで見る感覚がかなり大事なんだなと思うようになりました。

実際、
TG高値の患者さんって、

「脂質異常症の患者」

というより、

“metabolic diseaseの患者”

なんですよね。

ここが、
昔の自分の中でかなり大きく変わったポイントでした。


Part2.「TG 500」で何が変わるのか

ここまで、
TG高値の背景には、

  • insulin resistance

  • obesity

  • remnant

  • 慢性炎症

のような“代謝異常”が隠れている、
という話をしてきました。

ただ、
TGにはもうひとつ、
かなり重要な側面があります。

それが、

「急性膵炎」

です。


正直、
自分が最初に驚いたのもここでした。

LDL-C高値なら、
「長期的に動脈硬化リスクが上がる」
というイメージは持ちやすいと思います。

でもTG高値って、

“急に危険モードへ切り替わる”

感じがあるんですよね。


TG 500を超えると、見方が変わる

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