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「BNPが低いから、心不全じゃない?」ー肥満患者で起きる“診断のズレ”の話ー

こんにちは〜
みなさんGWはなにしてましたか?
私は当直もなく(遊ぶ予定もなく)久しぶりの休みをゴロゴロとしてました、、、涙

今日は、
研修医のときに経験した、
ある当直での一コマをふと思い出したので、

今になって勉強して、
「ああ、だからだったのか…」

と少し腑に落ちた話をしてみようと思います。


夜の病棟でした。

「ちょっと息苦しいです」

コールで呼ばれて部屋に行くと、
ベッド上で浅く呼吸している患者さん。

SpO2は少し低め。下腿浮腫もある。

「心不全かな…」

と思いながら採血結果を確認すると、
BNPはそこまで高くない。

レントゲンも、
“めちゃくちゃ肺うっ血”
というほどではありませんでした。

でも、
なんとなく違和感がある。

呼吸数。
起座呼吸っぽい訴え。
妙に苦しそうな表情。

「いや、でもBNP低いしな…」

以前の自分なら、
そこで少し心不全から離れていたかもしれません。

でも最近、
肥満症やHFpEFを勉強していて、

「BNPって、
思っていたより単純じゃないんだな…」

と思うことが増えました。

今日は、
そんな“数字と病態がズレる”話を、
少ししてみようと思います。



① BNPが低い=心不全じゃない?

正直、
以前の自分は、
かなりBNPを信じていました。

もちろん今も、
すごく大事な検査だと思っています。

でも、
勉強すればするほど、

「思ったより単純じゃないんだな…」

と思うことが増えてきました。

特に、
肥満患者さん。

これ、
実際かなり有名な話なんですが、
肥満ではBNPが低めに出ることがあります。

最初知った時、
結構びっくりしました。

「え、そこ下がるの?」
みたいな。笑

しかも厄介なのが、
肥満患者さんって、
HFpEFともかなり相性がいいんですよね。

高血圧。
OSA。
慢性炎症。
インスリン抵抗性。
左室肥大。
拡張障害。

少しずつ病態が積み重なって、
“息切れしやすい身体”になっていく。

でも、
BNPはそこまで高くないことがある。

つまり現場では、
「なんか心不全っぽい」

「でもBNP低い」
が普通に共存する。

これ、
研修医の時の自分はかなり混乱していました。

数字だけ見ると、
少し心不全から離れたくなるんですよね。

でも実際は、

  • 起座呼吸っぽい

  • 浮腫がある

  • 夜間悪化する

  • exertionで息切れ

  • OSAが強そう

みたいに、
病態側を見ると、
かなり“うっ血っぽい”。

最近は、
こういう時に、

「数字だけで切らない」

のが大事なんだな、
と思うことが増えました。

もちろん、
BNPを無視するわけではありません。

でも、
特に肥満患者さんでは、

「このBNP、本当に低いと言い切っていいのか?」

を一回考えるようになりました。

多分、
こういう“検査値と病態のズレ”って、
臨床の面白さでもあり、
難しさでもあるんですよね。


② 「数字」より、「病態」を見る

最近、
肥満症やHFpEFを勉強していて、
特に面白いなと思うのが、

“全部つながっている”

という感覚です。

例えば、
「息切れ」。

これだけでも、
かなりいろんなものが絡みます。

体重増加、運動耐容能低下、OSA、慢性炎症、左室拡張障害、肺高血圧、筋力低下

しかも、
これらって別々に存在しているわけじゃなくて、
少しずつ影響し合っているんですよね。

だから最近は、
患者さんを見ながら、

「この人はいま、
どの病態が強く出ているんだろう」

を考えることが増えました。

以前は、

  • BNP

  • EF

  • 体重

  • HbA1c

みたいな、
“数字”をかなり中心に見ていました。

もちろん、
今も数字はすごく大事です。

でも、
数字って、
時々すごく綺麗すぎる。

実際の患者さんって、
もっと曖昧なんですよね。

なんとなく苦しそう。
歩くと止まる。
夜に悪化する。
少し動くだけで息が上がる。

でも検査値は、
そこまで派手じゃない。

こういう、
“言語化しにくい違和感”って、
意外と大事なんだな、
と思うことが増えました。

特にHFpEFって、
検査だけで綺麗に割り切れないことが結構あります。

EFは保たれている。
BNPもそこまで高くない。

でも、
患者さんはしんどそう。

しかも背景には、

  • obesity

  • 高血圧

  • CKD

  • 糖尿病

  • OSA

みたいな、
cardio-renal-metabolicな病態が、
かなり複雑に絡んでいる。

最近は、

「心不全」

を単独の病気として見るというより、

“全身の病態が、
最終的に心臓に集まってきている”

みたいな感覚で考えることが増えました。

まだまだ勉強中ですが、
病態を知ると、
昔感じていた“違和感”が、
少しずつ繋がっていく感じがして、
個人的にはかなり面白いです。


数字って、
もちろんすごく大事です。

でも最近は、

「数字を見ている」

というより、

「数字の向こう側にある病態を見にいく」

みたいな感覚の方が近いのかもしれません。

特に肥満症やHFpEFを勉強していると、

  • inflammation

  • insulin resistance

  • OSA

  • visceral fat

  • congestion

みたいなものが、
少しずつ全部繋がって見えてくる。

以前は、
糖尿病、
高血圧、
CKD、
脂質異常症、
心不全を、

どこか別々の病気として考えていました。

でも最近は、

「同じ川の下流を見ている」

みたいな感覚があります。

だから、
検査値だけでは説明しきれない患者さんに出会うと、

「ああ、病態って本当に複雑なんだな…」

と思わされます。

研修医の頃は、
“正常値か異常値か”
をかなり強く意識していました。

もちろん、
それは今でも大事です。

でも、
臨床って、
正常か異常かだけでは割り切れないことが結構多い。

むしろ、

「なんとなく変」

をどれだけ拾えるか、
なのかもしれません。


まだまだ勉強中ですが、
面白かったことや、
臨床で役立ちそうなことを、
また少しずつシェアしていきますね。


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