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来月、あなたの住宅ローンが"静かに"上がる──日銀6月利上げ確率55%、変動金利の「5年ルール」が隠す本当のリスク


あなたのローン、来月から"見えない値上げ"が始まる

6月16〜17日、日銀の金融政策決定会合がある。

Bloombergがエコノミスト51人に聞いたところ、55%が「6月に0.25%の追加利上げがある」と答えた。7月までに利上げが実施されるとみる人は88%。つまり、この夏のどこかで政策金利が0.75%から1.00%に引き上げられる確率は、かなり高い。

「利上げ」という言葉を聞いても、たぶん大半の人はニュースをスクロールで飛ばすと思う。自分もそう。「日銀がまた何かやるらしい」くらいの感覚で、自分の暮らしとは関係ないと思ってしまう。

でも、住宅ローンを組んでいるなら、関係ないどころの話じゃない。

4月の会合では異例のことが起きた。政策委員9名のうち3名が利上げに反対票を投じた。普段ほぼ全会一致で決まる場で、3票も割れた。これは「次こそ上げる」という圧力が内部で相当に高まっていることを意味している。議論が煮詰まっているからこそ、反対が可視化された。

で、ここからが大事なんだけど──「自分には関係ない」と感じている人こそ、一番まずい位置にいる。

なぜか。住宅ローンを変動金利で組んでいる人の多くは、「金利が上がっても、月々の返済額はすぐに変わらない」と信じている。銀行からもそう説明されたはずだ。間違ってはいない。でも、「返済額が変わらない」ことと「損をしていない」ことは、まったくの別物だ。

ここに、変動金利の最大の落とし穴がある。


変動金利を選んだ75%の人が陥る「5年ルールの罠」

住宅ローンを組んでいる人の75〜84%が変動金利を選んでいる。モゲチェックのデータだ。

4人に3人以上。ものすごい割合だ。で、その大半が「5年ルール」と「125%ルール」に守られていると思っている。

5年ルールとは、金利が上がっても5年間は毎月の返済額を変えない仕組み。125%ルールとは、5年後の見直し時でも返済額は前回の125%までしか上がらない仕組み。

聞いただけなら、安心する。返済額が急に跳ね上がることはないわけだから。

でも、これが罠になる。

返済額が変わらないとき、裏側で何が起きているか。毎月の支払いの中で元金に充てられる部分がどんどん削られて、利息に回されている。返済額は同じ。でも借金がまったく減っていない。ひどいケースでは元金返済がほぼゼロになる。毎月ちゃんと返しているのに、ローン残高はほとんど動かない──そんな状態が、通帳の見えないところで静かに進む。

これが「見えない値上げ」の正体だ。

返済明細を毎月チェックしている人は少ない。口座から引かれる金額が同じだから、何も変わっていないと錯覚する。でも元金と利息の内訳は劇的に変わっている。5年後、返済額が見直されたとき初めて「え?」と声が出る。しかもそのとき元金がほとんど減っていないから、残りの期間でまとめて返す羽目になる。

もっと怖いのは、35年ローンの最終回に未払い利息がまとめて請求される可能性があること。5年ルールで先送りされた利息のツケが、最後に一括で回ってくる。

変動金利を使っている人の53.5%が「金利リスクに不安を感じている」と答えている。不安は感じている。でも何をすればいいかわからないから、結局何もしない。この「何もしない」が、罠を深くする。


借入4,000万円で年間24万円増──あなたの場合はいくら?

じゃあ具体的に、いくら増えるのか。

イオン銀行の試算では、借入4,000万円・35年ローンの場合、金利が1%上がると年間約24万円の負担増になる。月にすると約2万円。「2万円くらい」と思うかもしれない。でも年間24万円は子どもの習い事2つ分。家族旅行1回分。それが35年間、ずっと続く。しかもこれは金利が1%上がった場合の話で、0.25%の利上げが4回続けばここに到達する。

メガバンクの変動金利が1%を超え始めた。15年ぶりの水準だ。つい1年半前、0.3%台だったのが嘘みたいだ。「まだ低金利だから大丈夫」──この前提はもう崩れかけている。

「昔は3%とか5%の時代もあったでしょ」──そう言う人もいる。正しい。でも、借入額が違う。1990年代と2020年代では住宅価格が倍近く膨らんでいる。金利のパーセントが低くても、借りている金額が大きければ、絶対額のダメージは変わらない。むしろ重い。

野村證券は2026年6月・12月、2027年6月にそれぞれ0.25%ずつ利上げし、ターミナルレート1.50%を予想している。NRIの木内氏は1.25%で打ち止め。三井住友DSは2.0%到達に3年かかるという見方。専門家の意見はバラつくけれど、「もう上がらない」と言っている人は一人もいない。

全員、上がる方向を見ている。

フラット35(全期間固定)の申請が前年同期比48.7%増。変動で借りたけれど、今からでも固定に乗り換えたいと思い始めた人が増えている証拠だ。


では、あなた自身の家計はどう変わるのか。

もし変動金利で3,000万円を借りているなら、政策金利が1.5%に届いた時点で年間約18万円の負担増。5,000万円なら約30万円。これは「そのうちの話」じゃない。野村の予想通りなら、来年6月には届く数字だ。今あなたのスマホに入っている銀行アプリの引き落とし額が、1年後には月2万円増えているかもしれない。それを知らないまま迎えるか、今日から備えるか。ここが分岐点になる。


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