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【花粉症薬に保険が効かない!? ✖️薬剤師の私が“限定的に賛成”な理由】


会計で絶望…「処方薬なのにこんなに高いの?」


春。鼻が詰まり、頭がボーッとし、くしゃみで目の奥までズーンと響く。花粉症の処方薬を受け取って「これで安心」と思った矢先、薬局で支払いを済ませた瞬間に冷や汗が流れた。
財布の中からスッと抜け落ちるお札の感触は、まるでカフェでコーヒーを頼んだつもりが、知らぬ間にフルコースを注文していたようなショック。
「もしこれから保険が効かなくなったらどうなるの?」――その不安が現実になろうとしている。

医療費47兆円超、国が狙う「OTC類似薬」保険除外


いま、国が本格的に検討しているのが「OTC類似薬」の保険適用除外だ。
OTC類似薬とは、市販薬と同じような成分や効果を持ちながら、医師の処方箋が必要な薬のこと。

ロキソニンSとロキソプロフェンナトリウム錠、アレグラFXとフェキソフェナジン塩酸塩錠などである

OTC類似薬の例


解熱剤、鎮痛剤、抗アレルギー薬など、花粉症やちょっとした頭痛など、身近な症状に使われるものが多い。
背景にあるのは膨張し続ける医療費。令和5年度は47兆円を突破し、このままでは制度が持たない。日本総研の試算によれば、OTC類似薬を保険から外すだけで8800億円の財政負担が軽減できるという。

一方で「受診控えで病気を見落とすリスク」や「どこまで除外するかの線引きの難しさ」も指摘されている。

私は“限定的に賛成”派


私は薬剤師としても生活者としても、軽い症状についてはスイッチOTC薬を使うことに賛成だ。
実際、日本人は「体調が悪い=病院へ」という意識が強く、セルフメディケーションの文化が根付いていない。症状が軽いのに医療機関に殺到することで、医療費も人材も圧迫されてしまう。

もちろん、症状が実は別の病気だったとか、重症化していたというリスクはある。だからこそ薬剤師がもっと関わり、患者の相談に乗りながらセルフメディケーションを支えていく仕組みが必要だと思う。

医療費の膨らみを抑える一つの策として「OTC類似薬の保険適用除外」は合理的だと考えている。

ただし市販薬はもっと安くあるべき


ここで一つ大きな課題がある。
需要が増える分、市販薬の価格はもっと手に取りやすくなるべきだ。保険が効かなくなる分、生活者の負担は確実に増える。だからこそ薬価の見直しや、薬局での販売促進策が必要だと思う。

これは、電気代が高騰しているのに「節電してください」と言われるようなもの。努力を求めるだけでは続かない。制度の側からも“続けられる価格”をつくるべきだ。

検査薬の普及が医療を救う


さらに、もう一つ私が必要だと思うのは「検査薬の普及」だ。
冬の診療現場では、インフルエンザやコロナの検査依頼が連続し、医療従事者が疲弊している。実際、検査だけで外来が埋まる日も珍しくない。

コロナ禍をきっかけに、家庭用の同時検査キットが普及し始めているが、もっと一般的に使えるようになってほしい。軽症の人は自宅で確認し、本当に必要な場合だけ病院を受診する。そんな流れが作れれば、患者にとっても医療者にとっても安心につながる。
しかし、検査は早すぎると偽陰性になったり、手技がうまくいかないケースもあるので注意は必要である。

これからの私たちに必要なのは「選ぶ力」


制度の見直しは避けられない流れだ。だからこそ、私たちに必要なのは「どの症状なら市販薬で十分か」「どのときは必ず受診すべきか」を見極める力だ。
• 鼻水や軽い頭痛はOTC薬で
• 高熱や長引く咳は医師の診察を
• 不安があるときは薬剤師に相談を
• 体調チェックには家庭用検査薬を活用

まるで料理の調味料を選ぶように、状況に応じて最適な方法を選ぶ。それがこれからの時代の健康の守り方だと思う。

薬と検査を“使いこなす”生活へ


保険が効かない未来は不安を伴う。けれど、それをきっかけに「薬や検査をどう使いこなすか」を考えることは、私たちにとって大きな意味がある。
薬に頼り切るのではなく、自分の体を観察し、必要なときに必要なケアを選ぶ。病院のみではなく、ほかの医療従事者もその一端を担う。その一歩一歩が、医療費の膨らみを抑え、私たち自身の暮らしも軽やかにしてくれるはずだ。

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