ラパルフェがM-1GPの準々決勝で披露した反則完コピ漫才の「音符運び」はなぜ物議を醸したのか?
こんにちは。大阪お笑い塾の高田豪です。
今回はラパルフェが2025年にM1の準々決勝で披露した「音符運び」の漫才について解説いたします。
ラパルフェが切り開いた勝ち筋
ラパルフェは、もともと実力派として知られていたコンビです。2016年には大学のお笑いコンテストで、当時「魔人無骨」と名乗っていた令和ロマンを破って優勝するほどの完成度をすでに備えていました。
しかし、彼らが一気に脚光を浴びるようになったのは、正攻法ではなく、あえて「反則」と呼ばれる領域に踏み込んでからでした。
M-1で選んだあえての反則という戦略
M-1グランプリにおいて、ラパルフェは大会そのものや他者のネタを題材にするという、タブー視されがちな方法へと舵を切ります。
M-1グランプリ2021では、阿部寛のものまねで審査そのものをネタにし、いわゆる「ラパルフェ反則」と呼ばれる現象を生みました。
この時点で、彼らは偶然の炎上ではなく、意図的に競合の少ない領域を選び取っていたと言えます。
過去の反則枠が示した成功例
お笑い界において「やってはいけない」とされてきた分野が、必ずしも失敗につながるわけではないことは、すでに前例があります。
どぶろっくは「キングオブコント2019」の決勝で、「大きなイチモツをください」と歌い上げる下ネタコントを披露し、12代目キングに輝きました。
下ネタは敬遠されがちな一方で、同じ土俵に立つ競合が少ないため、ネタの完成度が高ければ一気に注目を集めることができます。
圧倒的なくだらなさと潔さでの優勝。己の道を貫いたどぶろっくは、快哉を叫んだのです
男性ブランコ完コピが成立した理由
M-1グランプリ2025準々決勝で話題となったのが、男性ブランコの名作ネタ「音符運び」を、ラパルフェがほぼ完璧に再現した漫才です。
一見すると無茶苦茶な挑発に見えますが、実際には事前に男性ブランコ側へ丁寧に許可を取り、写真まで添えて相談していたことが、ラジオ番組内で明かされています。
結果としてこれは盗用ではなく、明確なリスペクトを伴った引用として成立しました。
リスペクトがあるから笑いに
ラパルフェのやり方は、ものまね芸人の構造に近いと言えます。ものまねは、対象への敬意がなければ単なる揶揄になりますが、リスペクトがあるからこそ笑いとして成立します。
ラパルフェも同様に、先人の仕事を軽んじるのではなく、その完成度を理解したうえで再提示しているため、反則的でありながら不快感を生みません。
無茶に見えて計算された現在地
一見すると破天荒でルール破りに映るラパルフェの芸風ですが、その内側には周到な根回しと計算があります。
競合のいない危険地帯を選び、なおかつ敬意を失わない。そのバランス感覚こそが、ラパルフェの最大の強みです。
M-1グランプリ2025準々決勝で敗退しましたが、ワイルドカードを巡る話題性も含め、彼らの名前が強く刻まれた大会だったことは間違いありません。
