学卒1人で研究職内定した戦略の全て —BtoB中堅を選んだ理由—
ー大企業でも、スタートアップでもなく。化学系研究職5年目が語る意思決定の全部ー
就活のとき、「なんで大企業受けへんの?」と何度か聞かれた。
正直に言います。
大企業を選ばなかったのは、諦めたからじゃない。 設計した結果、そこに辿り着いた。
そのことを、今日は全部話そうと思います。
(前回の記事「開発から知財へのキャリアチェンジの現実」もよければ読んでみてください。私が今目指しているキャリアの話です👇)
まず「中堅企業」って何なのか、正直混乱する
話を進める前に、一つ整理しておきたいことがあります。
「中堅企業」という言葉、実は法律上の明確な定義がありません。
中小企業基本法では、製造業の場合「資本金3億円超または従業員300人超」を大企業と定義しています。つまり、一般的に「中堅」と呼ばれる規模の会社は、法律上は大企業に区分されることも多い。
私が勤める会社も、いわゆる世間でいう「中堅企業」ですが、従業員規模からすると法律上は大企業の定義に含まれます。
要するに、「中堅企業」と「大企業」の境界線は、かなりあいまいなんですよね。
この記事では「国内外で知名度が高い超大手・財閥系グループ会社」を大企業、「地場または業界特化型で優良な、知名度が相対的に低い規模の企業」を中堅企業として話を進めます。
就活の軸は、ただ一つだった
私の就活軸は、最初からシンプルでした。
研究開発職に就くこと。これが絶対条件。
当時、化学系の学部卒で研究開発職を目指すのは、はっきり言ってかなり茨の道でした。同じ学科で学卒で理系就職した人は私一人でしたし(残りはコンサル等の別業界への就職か、院進か、博士課程です)、「学部卒で研究職は難しいんじゃない?」と言われることもありました。
それでも院進を選ばなかったのは、大学でアカデミックな基礎研究を続けることに、自分の性格が向いていないと感じていたからです。社会実装に何十年もかかるかもしれない研究を、粛々と続けるイメージが湧かなかった。
だったら早く社会に出て、実際のモノ作りの現場で学んだ方がいい。
その判断は今も変わっていません。
BtoBの中堅メーカーに絞ったのは、こういうわけです
就活をはじめてから、一通り業界研究をしました。
そこで気づいたのが「BtoB企業の穴場」という構造です。
BtoB(Business to Business)とは、企業が個人消費者ではなく他の企業を相手に商売をするビジネスモデルです。私が今いる化学メーカーも典型的なBtoBで、製品は一般の人の目には触れにくい。だから知名度が低くなりやすい。
逆に言えば、知名度が低い分だけ、応募者が少ない。
実際に調べてみると、BtoCの有名メーカーの理系採用倍率が20〜40倍以上になることがあるのに対し、BtoBの中堅化学メーカーでは理系の採用倍率が一桁台の企業も珍しくありません。
(参考:ある就活データでは、BtoBの中堅化学メーカーでは理系採用倍率3〜9倍の企業が複数ある一方、有名BtoCメーカーは理系でも14〜25倍超という数値も公表されています)

もう一つ、私が中堅企業を選んだ大きな理由があります。
大手メーカーは優秀な人材が多い分、新卒の配属先や職種を本人の希望通りに通せないことも多いです。入社してみたら研究職じゃなく製造管理だった、希望していない地方勤務になった、というケースは珍しくありません。
一方で私が選んだ会社は、選考の段階で「研究開発職での採用」と「勤務地」を明確に確約してもらいました。
『就活軸の第一条件が、入社前に約束されていた。』これは大きかったです。
スタートアップを選ばなかった理由も、正直に言います
「じゃあ、スタートアップはなんで?」という話も、一応しておきます。
就活中にいくつかのスタートアップや中小企業の説明会に参加しました。率直に言って、説明会の時点で待遇や仕事の内容が不透明な企業が多かったという印象でした。
また調べていくうちに、スタートアップや規模の小さい企業では「新入社員の教育体制が十分でないケースがある」「個人の裁量が大きすぎて、基礎を学ぶ前に成果を求められる環境になりやすい」という情報も複数見受けられました。
(中小企業庁のデータでは、中小企業の離職率は大企業と比較して高い傾向にある年もあります。教育投資の差が、定着率の差に出やすい構造です)
成長意欲はあるけど、まず基盤を固めたい。そのためには、仕組みが整った組織で学ぶ方が自分には合っている。
スタートアップへの転職は、実績を積んでから。そう決めました。

企業規模別、それぞれの特徴と向いている人
ここで、私なりに整理した「企業規模×特徴×向いている人」の話をします。
▼ 大企業(超大手・財閥系メーカーなど) 待遇・給与水準は全体的に高く、福利厚生も充実。教育制度も充実していることが多い。一方で配属・勤務地の希望が通りにくいケースがあり、学歴フィルターも存在する場合がある。「給与・ブランド・安定を最優先にしたい人」に向いている。
▼ 中堅企業(業界特化・優良BtoB企業など) 大企業ほど知名度はなくても、財務・待遇が安定しているところが多い。配属や勤務地の融通が利きやすく、新入社員でも早くから責任のある仕事を担える。「職種・働き方重視で、実力をつけたい人」に向いている。
▼ スタートアップ・中小企業 裁量の大きさと成長スピードが強みだが、教育体制や待遇に差がある。「すでに実力がある人」「自己管理できる人」「リスクを取ってでも成長したい人」に向いている。経験を積んでからの転職先として検討する価値が十分ある。
5年後の今、この選択をどう見ているか
結論から言います。後悔は、ゼロです。
正解だったかどうかは、まだわからない。でも「失敗だった」とは微塵も思っていません。
入社して5年目、本当にいろんなことをやらせてもらいました。特許の出願、新テーマの立ち上げ、ラボ試作、展示会への出張、客先への訪問……4年間とは思えない密度です。
大企業のような縦割りの専門化とは違って、開発部隊の人数が少ない分、自分と異なる専門分野の担当者とも日常的に話せる環境があります。意識して交流を持てば、気軽にいろんな知識を吸収できる。
しんどい時期も、もちろんありました(それは別の記事でたっぷり書きます)。
でも今は、研究開発で培った経験を活かしながら、知財部門へのキャリアチェンジも射程に入れて動いています。中堅企業から次のステップへ、というルートは十分に現実的です。
そして入社を決めた直後、教授に報告に行ったら突然呼び出されて。「何かやらかしたんか」とヒヤヒヤしながら研究室のドアを開けたら、会社が卒業生向けに配っている本を渡してくれて「おめでとう」と言ってくれました。
(おそらく、その会社に研究室の卒業生がいることを知っていたんだと思います。あの瞬間は今でも覚えています。)
大企業でなくてもいい。自分の軸に正直な選択を、胸を張って話せるようになること。
それが、この5年で手に入れた一番大きなものかもしれません。
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📣 次回予告
次回は「NotebookLMとGeminiで、TOEICと知財検定2級を
同時攻略するAIマネージャーを作った話」をお届けします。
「本業しながら2つの資格を並行して勉強するなんて無理」と
思っていた私が、GoogleのAIを使って勉強スケジュールを
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勉強方法に悩んでいる方、AIを使った学習を試してみたい方は、
ぜひ次回もチェックしてください!
なお、この記事はnote×Google Geminiのコラボコンテスト
「#AIと始めてみた」への応募作品でもあります。
(募集期間:〜5月15日)
▶ 4月28日(火)12時 公開予定
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