Gemini×NotebookLMで2試験同時攻略する AI学習マネージャーを作った話
ーNotebookLMとGeminiで、TOEICと知財検定2級を同時攻略する仕組みを育てたー
「PART 2 特許法・実用新案法(p.46〜)を読み進めていきましょう。」
朝7時。スマホの画面に、そんな一文が流れてきた。
(え、どこのページまでやるの?)
思わずツッコみながらも、続きを読んだら、こう書いてあった。
「しかも今進めている「PART 2 特許法・実用新案法(21〜120ページ)」は、知財2級の試験で一番重たくて最重要な心臓部なの。」
……教材のページ数と章の概要を入力しただけで、AIがそんなことを言ってくれるとは思っていなかった。
(おお……わかってるじゃん。)
そして画面の一番下に、こう続いていた。
「お姉さん、あなたのその頑張りに朝から大拍手よ!」
笑った。普通に、ひとりで笑ってしまった。
これが、私とAI学習マネージャーの、今の関係です。
①「2つの試験を同時に勉強するのは無理」という前提を疑った話
この記事では、GoogleのAIツール「Gemini」と「NotebookLM」を使って、TOEICと知的財産管理技能検定2級の2つの勉強を同時並行で管理する仕組みを作った話を書きます。
正直に言うと、4月に入るまで「2つを同時にやるのは無理」だと思っていました。
今年の試験日程はこう。
知財2級:7月12日
TOEIC:8月23日
どちらも転職活動に必要な資格で、どちらも落とせない。
でも本業をこなしながら、ページ単位でスケジュールを組もうとすると、それだけで1日が終わる。
予定がズレたときの修正もめんどうで、結局また計画を組み直し
——という無限ループが目に見えていた。
(スケジュールを組む時間で、勉強できるんじゃないの……?)
このやるせなさが、きっかけでした。
じゃあGeminiに全部任せてみたら、どうなる?
上記資格を勉強し転職を目指すようになったきっかけについては、こちらの記事で詳しく書いています。
② 3つのツールに「役割」を持たせた —AIの役割分担設計—
まずやったのは、ツールを「脳」「実行者」「調整役」に分けることです。

スケジュール管理の脳 ーNotebookLM「知識の倉庫」ー
NotebookLMは、Googleが提供するAIノートブックツールです。最大の特徴は、自分がアップロードした資料だけを参照して回答してくれること。
ChatGPTなどの汎用AIと違って、インターネット全体から情報を引っ張ってこない。だから「ハルシネーション(AIが嘘をつく問題)」のリスクが低く、自分が使っている教材のページ数・章立て・重要ポイントを正確に把握してくれます。
ここに入れたのは、こういう情報です。
使用するテキストや過去問のPDF(テキストのPDF化はGoogleドライブのスキャン機能を使用)
テキストの章構成・ページ数の一覧(テキストの目次写真をWordファイル化)
学習方法のメモ(Geminiと相談しながら決めた学習手順をWordファイル化)
自分の出勤日・休日のカレンダー情報
スケジュール管理の実行役 ーGemini Gem「頼れるお姉さんコーチ」ー
Geminiには「Gems」という、カスタムキャラクターを作る機能があります。
私が作ったのは、「知財×英語×データサイエンス領域へのキャリアアップに伴走する、プロの試験勉強マネージャー」という設定のGem。
キャラクター設定はこんな感じにしました。
気さくで明るく、時に優しく、時に愛を持って厳しくお尻を叩いてくれる「頼れるコーチのお姉さん」として振る舞うこと。働きながらハイレベルな目標に挑戦するユーザーを心からリスペクトし、どんな小さな進捗でも全力で褒めて肯定する。
冒頭で紹介したような、あの「朝から大拍手よ!」が飛び出すのは、この設定のおかげです。
毎日こんな形でアナウンスしてくれます。


「今日もお仕事無理しすぎないように、気をつけていってらっしゃい!夜の勉強も全力で応援しているわよ!」
(スケジュールを淡々と組むだけと何が違うのか——それはこの"応援してくれる人の存在"だと、使ってみて初めてわかりました。)
プロンプトの調整役 ーPrompt Optimizer「指示を整える拡張機能」ー
Gemのカスタム指示は、長くなりやすい。書いているうちに、何を伝えたいのかが自分でもよくわからなくなってくる。
そんなとき使っているのが、Chrome拡張機能の「Prompt Optimizer」です。
テキストを選択して1クリックするだけで、AIがプロンプトとして機能しやすい形に整えてくれます。Gemini・ChatGPT・Claude等のマルチ対応で、テンプレートライブラリも作ることができ、作ったプロンプトの保存・取り出しが簡単にできます。
▶ Prompt Optimizer(Chromeウェブストア):https://chromewebstore.google.com/detail/prompt-optimizer/agppepokoppdohhdfbkonfalcjbggomm
また、入力欄を広げてタイプしやすくするためと、Enterキー誤爆防止のために「Enhancer 4 Google」も併用しています。長いカスタム指示を途中で誤送信してしまうと目も当てられないので……。
▶ Enhancer 4 Google(Chromeウェブストア):https://chromewebstore.google.com/detail/enhancer-4-google/cmihmmpeladlmemlonckioeleobhggfl?hl=ja
③ うまくいかなかった話 —泥臭い試行錯誤の過程—
きれいな完成形だけ見せても、嘘になるので失敗した過程も書きます。
▼ トラブル1:NotebookLMが重すぎてGemに入らなかった
最初は教材のPDFをそのままNotebookLMに入れて、そのNotebookLMをGemの知識欄に連携させようとしました。
……重すぎて、動きませんでした。
しかもいつの間にか、知識欄からNotebookLMが消えていることもあって。
解決策は意外とシンプルで、「NotebookLMに各教材の章・ページ情報をまとめてもらって、Wordファイルに落として知識欄に入れる」というものでした。
PDF丸ごとではなく、情報を整理したメモとして入れる、ということです。
▼ トラブル2:同じチャットを長く続けると精度が落ちてくる
経験則なのですが、同じGemチャットで何日も続けてやりとりしていると、だんだんGeminiの応答がズレてきます。
対策として、「更新用プロンプト」を作ってブックマークに保存しました。定期的にそのプロンプトを使って記憶をリセットする、という運用です。
そして——このプロンプトをすぐ引き出したくて使い始めたのが、先ほど紹介した「Prompt Optimizer」のテンプレートライブラリ機能でした。
Gemini内にはプロンプトを保存して呼び出す機能がなかったので、拡張機能で代替しています。


▼ ここで少し横道:信貴山のひょうたんのこと
(少し話がそれますが、聞いてください。)
3月に、大阪と奈良の県境にある信貴山・朝護孫子寺に行きました。ここには、ひょうたんに願い事を書いて奉納し、叶ったら返しに行くという習わしがあります。
私が書いたのは、「TOEIC800点と知財2級」の合格。
2つとも合格しないと、返しに行けない。そして次に信貴山に行くときには、「大手知財部門への転職」と書いたひょうたんを買うつもりでいる。
じつはこのエピソード、Gemのカスタム指示にも書き込んであります。
「TOEIC800点かつ知財2級に合格した際は、信貴山に試験合格祈願のひょうたんを持っていき、次のひょうたんを購入して『知財業界への転職』と記入するよう、アナウンスすること」と。
AIに信貴山の予定を管理させている人間が、この世に何人いるだろうか。
(なんともしょうもない動機ですが、目にみえる目標があるのが一番続くモチベーションなんですよね。)
④ 1週間続けてみて変わったこと
正直に言います。
まだ合格したわけじゃないです。試験は7月と8月。今はまだ走り始めたばかりです。でも、1週間続けてみて変わったことはある。
「今日何から手をつけようか」の迷いがなくなった。
毎朝Gemが「今日はここをやりましょう」と言ってくれるから、自分で考える必要がない。予定がズレても、伝えれば修正してくれる。
「遅れた……もう終わりだ」ではなく、「今日ズレた分は明日どう回収するか」に頭を使えるようになった。
通勤中の時間が「勉強時間」に変わった。
NotebookLMには音声解説機能(Audio Overview)があって、アップロードした資料をポッドキャスト風に読み上げてくれます。
朝の電車の中でイヤホンを差しながら聴いていると、苦行みたいな「勉強してる感」より、「自分専用のポッドキャストを聴いてる感」に近い。
毎朝Gemを開くのが、習慣になった。
淡々と自分でスケジューリングしていた頃と、何が違うのか。
それは「応援してくれる人の存在」だと気づきました。
(人ではなくAIですが)
「管理されている」というプレッシャーが、「遅れるわけにはいかない」という意外なモチベーションになっています。
ロールモデルのようなお姉さんが、毎朝応援してくれる。
それがAIであっても、続けられる理由になっています。
7月と8月に、良い結果を報告できるよう勉強頑張ります。
そして、上手くいった内容で他の資格にも応用しやすい形にして、公開します。
(現状使用しているプロンプトについては下記記事で公開中です。まだ使用しながら改良していきたいと思っているので無料公開しています。)
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次回は「シゴデキ研究者たちから学んだ博士卒のキャリア」というテーマで
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▶ 4月30日(木)12時 公開予定
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