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寺地はるな【水を縫う】「〇〇らしく」に苦しくなったことがある人へ。自分らしさを静かに問いかける物語

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あなたは「〇〇らしく」という言葉に苦しくなったことはありませんか?

「男の子らしく」

「女の子なんだから」

「母親らしく」

「もういい年なんだから」

私たちは生きていると、たくさんの「〇〇らしく」という言葉に出会います。

その言葉に救われることもありますが、ときには自分を縛る鎖のように感じることもあります。

今回紹介する寺地はるなさんの『水を縫う』は、そんな「自分らしさ」について静かに問いかけてくれる作品です。

読み終えたとき、自分自身や大切な人を見る目が少し優しくなるような一冊でした。


【あらすじ】

高校生の清澄は、刺繍が大好きな男の子です。

姉の水青が結婚することになり、清澄は姉のためにウェディングドレスを作りたいと考えます。

一見すると突飛な挑戦にも思えますが、その決意をきっかけに家族それぞれの思いや過去が少しずつ明らかになっていきます。

母、父、姉、祖母。

同じ家族でありながら、それぞれが抱えている悩みや価値観は異なります。

そして物語は、「普通とは何か」「自分らしさとは何か」を静かに描いていきます。


【印象に残ったこと】失敗する権利、雨に濡れる権利

私が特に印象に残ったのは、祖母が母・さつ子に向かって言う言葉です。

「あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる権利がある。」

この言葉に思わず立ち止まりました。

さつ子は息子の清澄を大切に思っています。

だからこそ傷ついてほしくない。

失敗してほしくない。

幸せになってほしい。

そんな親としての愛情があるからこそ、先回りして守ろうとしてしまうのです。

けれど祖母は、その優しさが時に相手の人生を奪ってしまうこともあると伝えます。

失敗すること。

傷つくこと。

遠回りすること。

それもまた、その人自身の人生なのだと。

この一言には、親子関係だけでなく、人と人との関わり方そのものが詰まっているように感じました。


【私の気づき・感想】「自分らしく生きる」とは何だろう

この作品を読んでいて何度も胸が締め付けられました。

なぜなら登場人物たちが抱えている苦しさに、とても共感できたからです。

清澄は「男の子らしくない」と言われます。

他の登場人物たちも、「女らしく」「母親らしく」「普通であること」を求められてきました。

けれど、そもそも「らしさ」とは誰が決めるのでしょうか。

私はこれまで、「こうしなければ」「こうあるべき」と考えてしまうことがよくありました。

周りと比べてしまったり、期待に応えようとしたり。

知らないうちに、自分自身を縛ってしまうこともありました。

だからこそ、この作品の登場人物たちが抱える息苦しさが他人事には思えませんでした。

そして物語が進むにつれて、登場人物たちは少しずつ前を向いていきます。

劇的な変化ではありません。

突然強くなるわけでもありません。

それでも、自分の気持ちに正直になり、自分の足で歩こうとします。

その姿がとても印象的でした。

タイトルの『水を縫う』という言葉も素敵です。

本来、水は縫うことができません。

けれど、できないと思われることに挑戦し、自分らしい形を見つけようとする。

登場人物たちもまた、水のようにしなやかでありながら、確かな強さを持っているように感じました。

穏やかだけれど力強い。

そんな物語でした。


【おすすめしたい人】

この本は、こんな方におすすめです。

・「自分らしさ」が分からなくなっている人

・周囲の期待や価値観に苦しくなっている人

・家族を描いた温かい物語が好きな人

・心を静かに整えたい人

・読後に優しい気持ちになりたい人

読む人の心にそっと寄り添ってくれる作品です。


【結び】あなたらしさは、誰かに決められるものではない

私たちは知らず知らずのうちに、「普通」や「らしさ」に縛られて生きています。

けれど本当に大切なのは、自分自身がどうありたいかを考えることなのかもしれません。

『水を縫う』は、そんなことを静かに教えてくれる作品でした。

もし今、「自分らしさって何だろう」と迷っているなら、ぜひ手に取ってみてください📚

Amazonのアソシエイトとして、めいは適格販売により収入を得ています。

きっと読み終えたあと、自分にも他人にも少し優しくなれると思います。

この記事が参考になったら、ぜひ「スキ」やコメントをいただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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