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平井和正のボディスナッチャー 「デスハンター」(ネタバレあり)

はじめに

「幻魔大戦」などでおなじみの平井和正の代表作の一つ、「デスハンター」について書きます。

“死霊狩り”とも題されたこの作品。タイトルだけ見ると、ゾンビものと思われがちですが、こちらは宇宙からの生物が人間を乗っ取って、という話なので、この記事のタイトルにつけた「ボディスナッチャー」か「遊星からの物体X」が近いものになります。

また、作画は「エイトマン」などでおなじみの桑田次郎です。

それではいってみましよう。


主な登場人物

田村俊夫(たむら としお)
この物語の主人公。
元カーレーサー。
その強靭な生命力をかわれ、デスハンターとなる。

リュシール・ブルーエ
元パレスチナ解放戦線のゲリラ。
彼女もその強靭さをかわれ、デスハンターに。

林石隆(りん せきりゅう)
元スパイ。
彼もそのスパイ時台の能力と生命力をかわれ、デスハンターに。

シャドウ
CIAのデスハンター組織のトップ。
任務のためなら、人命もいとわない非情な男。

あらすじ


カーレーサーの俊夫は事故に遭い、ケガをおったが、その超人的な回復力と手術により助かる。
しかし、荒い運転により、会社から解雇されてしまう。荒れて酔っぱらい、ケンカをした俊夫をシャドウと名乗る男が500万ドルの仕事に勧誘する。仕事の内容は言えないが、カリブ海の島に行くというシャドウに俊夫はついていった。

その仕事への適性試験として、島のジャングルで一カ月生き延びるというテストを受けた俊夫だが、獰猛な動物達だけでなく、落とし穴などの罠もはびこる中で、リュシールという元ゲリラの少女と元スパイの林という男と仲間になる。

そして、次なる試験は拳銃一丁で、戦車やマシンガンで武装した兵士と戦うというものであった。俊夫は片目、片腕を失いながらも、かろうじて生き残る。
義眼(赤外線)、義手(常人の何倍もの力)を手に入れた俊夫は、この仕事に誘ったシャドウに復讐するべく、原子炉に立て籠もった。しかし、林とリュシールを連れたシャドウに話を聞くことを約束する。

シャドウの話では、宇宙からの侵略者がいるというのだ。それは緑色の液体の様な生物で、人間に取り付き支配するという。それを“デス”と名付けた。
それでも、シャドウを許せないという俊夫にシャドウは、日本に帰って、一週間後に気が変わらなかったら、ここに戻って来て、自分を殺して構わないと言う。

日本に戻った俊夫は、姉と恋人のマリアンヌを人質にとられ、ゲリラグループのいる場所へと向かった。そこでは、なぜかゲリラグループの者達が、人間の仕業とは思えぬ方法で殺されていた。
唯一生き残ったと思われるマリアンヌに話しかけた俊夫は、マリアンヌが例の宇宙からの侵略者だと知る。
なんとか、マシンガンでマリアンヌの動きを止めた俊夫だが、その時に、林が登場する。緑色の液体がマリアンヌの死体から出てきた時、焼夷弾で焼き尽くすように俊夫に指示する林。マリアンヌに取り憑いた侵略者“デス”を倒した俊夫は、カリブ海の島へと帰って行った。

しばらくの訓練のうち、日本に“デス”がいると突き止めたデスハンター本部は、俊夫を日本に派遣する。コズミック電機の技術者、加賀美とその一家、総勢5人がデスの容疑者だが、シャドウは全員を皆殺しにするのを要求する。

誰が“デス”なのか、疑心暗鬼でいる俊夫だが、シャドウの命令に背いて、“デス”のみを殺すことにこだわる。しかし、それをシャドウに知られてしまった俊夫は、シャドウから24時間以内に命令を実行することを言われる。
他国のスパイも絡む中、結局、加賀美技師以外の家族は全て“デス”であった。加賀美技師の妹、良子は“デス”でありながら、加賀美技師の命を心配した。俊夫は良子を殺すことを躊躇するが、代わりに林が良子を殺す。

一週間の洗脳訓練の後、俊夫は非常なデスハンターへとなっていった。そんな中、かつての仲間に捕まったリュシールが拷問の末、瀕死の重傷で運び込まれた。死にかかっているリュシールに対して、感情を全く動かさない俊夫。
そして、謎の警報が鳴り、デスハンターの隊員達が我先に避難しようと殺し合いを始める。平気で仲間を殺す俊夫に林が挑む。かろうじて林は俊夫を倒した。失神して、ベッドに寝ていた俊夫の元に良子の目をしたリュシールが現れる。

その後、たくさんのデスハンターの仲間が正体不明の“デス”に殺されていく。対抗策としてシャドウはデスハンターのみを避難させ、島ごと爆破することにする。リュシールの元へ行くため、俊夫は島に残ることを決意する。そんな俊夫を殺害するように、林に命令するシャドウだったが、林はその命令を断る。命令を断った林はシャドウのヘリに撃たれる。撃たれた林を担ぎ、キャンプに戻る俊夫。医者に林をあずけて、リュシールを探す。その後、包帯のかけらから、リュシールを見つける。

リュシールは、かつて良子に取り憑いていた“デス”だった。その“デス”は自分たちの目的は人類を征服する事ではないと言う。そして、俊夫にも“デス”を植え付けたと。そして、島は林の努力も虚しく、爆破されてしまう。

時が経ち、俊夫はデスハンターに追われる身となっていた。争いに巻き込まれた新聞記者の木村は、シャドウに妻子を人質に取られ、俊夫を捕まえなければ、妻子の命と日本を消滅させると脅される。
俊夫に、仲間になるなら連絡してこいと言われた電話番号に電話した木村は、その連絡先の新興宗教団体「宇宙救済協会」へと向かう。そこで俊夫と会った木村は、俊夫をシャドウの元へとおびき出すことにする。その後、木村は妻子ともども、シャドウに殺される。

シャドウの元へ行った、俊夫とリュシールはシャドウ達、デスハンターに囲まれる。“デス”こそが地球生命の祖であり、人類は“デス”を受け入れ新人類になるべきだと言う俊夫に、デスハンター達は容赦のないマシンガンの弾を撃ち尽くす。
しかし、その後、灰になった二人は、そこから復活し、「シャドウ、お前の時代はもう終わりだ。」と言い放ち、去っていく。

感想

平井和正らしいというか、宗教的な結末でしたね。まさかの善悪逆転。
「誰が“デス”なのか?」というサスペンス要素もあり、途中は緊迫感の溢れる作品でした。
筆者は後に韓国の漫画家、梁慶一の書いたリメイク作品を読みましたが、こちらは圧倒的な現代的な画力で素晴らしかったのですが、最後までは描かれませんでした。
シナリオは最高なので、この結末まで書いて欲しかったです。




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