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石川賢の黙示録 「魔獣戦線」(ネタバレあり)

はじめに

この作品は永井豪の「デビルマン」と比較されることもありますが、「デビルマン」ほど一般に知れ渡ることなくきました。
70年代に流行った(?)黙示録ものの一つですが、石川賢らしく、バイオレンス味たっぷりです。
また、独特の世界観が一部のクリエイターを魅了し、オリジナルアニメが作成された時は、色々な監督が手を挙げたとか…

それではいってみましょう。


主な登場人物

来留間 慎一(くるま しんいち)
この物語の主人公。
狂信的な科学者、源三に実験のためにつくったと言われる息子。
実験の結果、動物達と母親の身体と細胞レベルで融合する。

天外 真理阿(てんがい まりあ)
この物語のヒロイン。
予知能力の一族の娘。
13使徒達に「手を出すな」と言われている存在。

天外 富三郎(てんがい とみさぶろう)
真理阿と同じ予知能力の一族の者。
金への執着が凄い。
まだ、あまり能力が目覚めていないが、攻撃を避けるなどの直近の出来事への感は鋭い。

天外の祖父(てんがいのそふ)
予知能力の一族の者。
慎一に真理阿と富三郎を託す。
真理阿と富三郎の直接の祖父であるかは作中では語られていない。

来留間 源三(くるま げんぞう)
13使徒と呼ばれる科学者集団の一人。
“神”の復活に備え、新人類をつくる研究をしている。慎一の父親。

来留間 静江(くるま しずえ)
源三の妻にして、慎一の母親。
源三に実験台にされ、慎一を救うため、死亡するが落雷による奇跡が起こり、慎一の身体と細胞レベルで融合する。

あらすじ

国際科学研究所の来留間 源三博士は、自身の肉体を使って、他生物と細胞融合する事に成功する。
源三の息子、慎一は母と父の研究材料である動物達と暮らしていた。そんなある日、科学庁をクビになったという源三が、これからは自宅で研究を続けるという。
ある日、不良高校生にカツアゲされ、子供ライオンまで取られた慎一は、ゴリラや親ライオンを連れて、取り返しに行く。
そこでは、源三の仲間の科学者の息子達が、動物達を操り、慎一を失神させてしまう。
その後、人体実験される慎一は、実験がうまくいかず、代わりに慎一の母親、静江が次の実験材料にされる。
実験に失敗した慎一は、殺されるところを静江が助けようとする。間一髪のところで、落雷による研究所の崩壊で、源三達は研究所から去っていく。
落雷による電気の影響で静江と慎一の肉体は融合していった。

時が経ち、東北村科学研究所では、例の実験が続けられていた。脱走した魔獣を捕らえようとハンター達が動き出した。
また、人の心を読み、予知をする天外一家が一族の長老に命を狙われていた。そこに、成長した慎一が源三達の居場所を調べて欲しいと寄ってくる。殺し屋達を始末した慎一に天外の祖父は「東に行け」と伝える。そして、富三郎に慎一を連れてくるように命令する。
逃亡し、飛行する魔獣を見つけた慎一は、魔獣を狩るために訪れたハンター達を倒すが、慎一は傷つき、富三郎に助けられる。ハンター達を気にかけ、追いかけてきたバルビア博士達を尻目に慎一と富三郎は、鷹に変身した慎一の背に乗り、現場を後にする。

天外一家に匿われた慎一は、天外の祖父から、十三人の使徒と終末の戦いについて聞く。話が終わらぬうちに、同じ一族の者に殺された天外の祖父は、富三郎と真理阿と一緒に行くことを慎一に頼む。
そこにバルビア博士の三獣士の1人、天魔ファーマムが現れる。ファーマムにおびき出され、森に入った三人だったが、もう一人の猿の魔獣に追い詰められる。しかし、真理阿の不思議な力で事なきを得る。

蜘蛛型の魔獣が止まっしまっているファーマムを連れて行く間、三人は休んでいた。蜘蛛型の魔獣を尾行した富三郎はバルビア博士の居場所を突き止めるが、蜘蛛型の魔獣に捕まってしまう。
捕まえた富三郎から慎一のことを聞いたバルビア博士は、富三郎を囮に慎一達を捕らえようとする。
富三郎と真理阿を捕らえた蜘蛛型の魔獣は、慎一を蜘蛛の巣に捕らえる。蜘蛛の巣に捕らえられた慎一にバルビア博士は、慎一のことを思い出したと伝える。バルビア博士は慎一に攻撃され、研究所を爆破して逃げようとする。蜘蛛型の魔獣を倒した慎一は富三郎と真理阿を連れ、バルビア博士を追いかける。
バルビア博士を建造された方舟3号の船体に磔にした慎一は、バルビア博士から“神”の正体について知らされる。それは地球そのものだというのだ。
源三は逃げてきた方舟3号に磔にされたバルビア博士の脳から、慎一の存在を知らされる。
残りの11人の科学者に慎一の存在を知らせる源三。

その後、13使徒の一人シャフト博士は月の重力を利用して、洪水を起こす「ムーンパラソル計画」を実行していた。源三からの護衛を断るシャフト博士は30人の子供を自分の肉体に飼っていた。
洪水後の街で略奪をするシャフト博士の息子達。
そこに慎一達も現れる。シャフト博士の息子達と戦い、満身創痍になった慎一を13使徒の一人、ユダ博士が救う。
ユダ博士は、実験の犠牲になった自分の息子達への愛情から13使徒に反抗することにしたのだ。「君には無限の吸収能力がある。」というユダ博士だった。シャフト博士はユダ博士の武器から13使徒の中に裏切り者がいると知り、自ら攻めてくる。
その情報を予知したユダ博士を疑った慎一は、真理阿がユダ博士に実験されているのを知る。

そこにシャフト博士のムーンパラソルによる攻撃で、洪水が起こり、ユダ博士の居城は破壊される。シャフト博士の子供達が慎一達を襲撃する。次々と能力の進化を遂げていく慎一。そして、ユダ博士の子供は一人、シャフト博士の子供に倒される。そして、シャフト博士の子供に真理阿が殺される。

その瞬間、地球の地下にいる“神”が目覚めてしまう。死ぬ間際に慎一に真理阿は「私は聖母マリアであり、神が目覚めるスイッチで、また、神を育てる者である」と告げる。
軍神アダムとイヴが目覚め、地上を破壊する中、慎一は自身の無限の吸収能力にかけ、真理阿を食べ、大いなる光に包まれる。そこに天使の様な者が現れ、戦闘になりそうな描写で物語は幕を閉じる。

まとめ

この時代の作品にありがちな打ち切りエンドですが、まあ、石川賢作品にはあるあるの、「これから決戦だ!」ラストでしたね。
作品は後に、オリジナルアニメでアニオリの結末を迎え、また、編集部に続編を頼まれた時にはリブート(?)ともいえる「5000光年の虎」を書かれました。
そして、正当な続編も2000年代初期に書かれましたが、もう「虚無戦記」だろ、なラストでしたね…

やはり、この1970年代の暗い世相を反映した作品は「デビルマン」なんかも含めて、後の時代では再現できないのでしょうかね…
この獣対獣の戦いは多くの後発に多大な影響を与えたと思います。
ちゃんとした結末が無いと気持ちが悪い方には、良くない作品かもしれませんが、この時代の荒々しさを感じて欲しいです。


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