見出し画像

「ナフサ価格落ちたな!危機終わったやろ! 」←これがアカン理由、全部説明する

今回の話題
・ADNOCの"夜逃げ輸送"
・撃たれたBarakah号
・そして石油メジャーが揃って言う「2027年」

まず結論から

6/3のロイターでこんなニュースが出た。

「アジアのナフサ価格、3月のピーク$1,300から$788まで急落」 「ADNOCがオマーン経由で輸出再開、供給逼迫が緩和」
https://jp.reuters.com/world/korea/ZF72VSFSRVIGDPZAFAUIDJ5Y2A-2026-06-03/

これだけ見たら「お、危機終わったんか、よかったよかった」で終わる。
実際そう読ませる書き方になっとる。

→ でもこれ、終わってへん
← 「半開きで止まってる」だけや
← しかも石油メジャーのトップ2人が「2027年まで戻らん」って言うとる

なんでそう言えるのか、ナフサって何なのか、誰でも分かるように順番に解説するわ。

最後まで読んだら「あ、これ緩和ちゃうやん」ってなるはずや。

ADNOCのソハール作戦って何や

ADNOC(アブダビ国営石油)はUAEの国営石油会社。

ルワイスっていう製油所からナフサをアジアに送っとった。月100万トン。これが止まった。理由はホルムズが危険すぎて誰も通れへんから。

出典:日経新聞(2026/3/25) 米欧石油メジャー、中東で設備に被害甚大 再稼働に3〜5年のケースも

ドローン攻撃でルワイス製油所も火災を起こしとった。

そこで5月、ADNOCが考えたのがこれ:

  1. ルワイス製油所からナフサを短距離タンカーに積む

  2. オマーンのソハール港(ホルムズの"外")まで運ぶ

  3. ソハール沖で別のアジア向けタンカーにヌルッと積み替え(STS = Ship-to-Ship)

  4. アジア向けタンカーはホルムズを通らずに日本へ

実際、5/30ごろに Minerva Pisces と Torm Gwyneth っていう2隻がソハールでADNOCのナフサを積んでアジアに向かっとる。

ポイントは、アジア向けタンカーがホルムズを通らんこと。

→ 通らんなら戦争リスク保険要らん
→ 保険料が普通に戻る
← アジアの買い手から見ると「ホルムズ通過料」がチャラ
← だからアジア渡し価格が落ちる

これ要するに保険料のズルや。
リスクの高い区間と低い区間を分けて、安い保険を使い回す financial engineering。

……でもここで気づくやろ。「ルワイスからソハールに運ぶ短い区間、それホルムズ通っとるやん」って。

そう。通っとる。隠れて。

実はホルムズを"隠密"通過しとった ―― 夜逃げ輸送の実態

ここが今回の一番のキモや。

ここから先は

3,767字 / 1画像
この記事のみ ¥ 300
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

「正解」が誰にも分からない時代の、生存戦略メンバーシップです。 ニュースを見ていて、「結局、何が起き…

Thinkerプラン

¥1,000 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?