見出し画像

配給を信じた裁判官は、なぜ餓死したのか——自給率38%の国の現実

正直今の高市政権を見ているといよいよ国民が飢える段階になっても配給制に移行してくれるか不安ですが、配給制があるとしたらどのような方式になるでしょうか? また配給制でどのような問題が発生すると考えられますか?

1947年、一人の裁判官が餓死した。

闇市の食料は違法だからと拒み、配給だけで生きようとして、栄養失調で亡くなった。東京地裁の現役判事、33歳。

法を最も真面目に守った人間が、配給を信じたがゆえに、誰よりも早く死んだ。

「もし国民が飢える段階になったら、政府は配給制に移行してくれるのか」。今の政権を見ていると、いざという時に踏み切ってくれるか不安だ、と。

その不安は、正しい。でも、本当に怖いのは、そこではない。

この裁判官を殺したのは、「配給が無かったこと」ではない。配給はあった。切符も、通帳もあった。ただ、それを信じて待った先に、十分な"モノ"が無かった。それだけだ。

そして——ここからが、本当に背筋が寒くなる話だ。

彼が餓死した当時、日本は、食料の大半を自国で作っていた。それでも、配給は回らず、人は死んだ。

では、いまの日本はどうか。カロリーベースの食料自給率は、38%。 日本で食べられているもののうち38%が国内産で、残りの62%は海外からの輸入に頼っている。

戦時中の飢えは、「国内にある食料を、どう分けるか」という分配の問題だった。いまの日本が直面しうるのは、「分けるべき食料の6割が、そもそも入ってこない」という、次元の違う問題だ。

配給とは、国内にあるモノを分ける仕組みにすぎない。その中身が、まるごと輸入の上に乗っているとしたら——配給という制度は、いったい何を配るのか。

「切符はあるが、米はない」

あの裁判官を殺したこの現実は、自給率38%の国では、もっと早く、もっと深く訪れる。しかもこの構造は、マイナンバーで"効率化"された現代の配給で、さらに悪化する。

なぜ、配給を信じた人ほど死ぬのか。そして、誰が生き延びたのか。

  • もし配給があるとしたら、どの方式になるのか(歴史上の3つの型と、現代日本がほぼ確実に選ぶ形)

  • 現代型配給が抱える、5つの致命的な問題(特に、停電でシステムが落ちた瞬間に起きること)

  • 戦時中の配給は、いつ始まり、なぜ「切符はあるのに米が無い」状態に陥ったのか

  • そして最大の問題——自給率38%という数字すら「上げ底」である理由と、輸入が止まった時に本当に起きること

  • この全てを踏まえて——飢えの時代に、個人は何を握っておくべきか

80年前、闇市に手を伸ばせた者と、配給を信じて待った者の間に、生死の線が引かれた。

その線が、どこにあったのか。そして今、あなたがどちら側に立つために、何が必要なのか。

ここから先は、その具体的な話です。

①「配給してくれるか」より「遅れる」が問題

ここから先は

2,381字

メンバーシップ ¥ 1,000 /月

「正解」が誰にも分からない時代の、生存戦略メンバーシップです。 ニュースを見ていて、「結局、何が起き…

Thinkerプラン

¥1,000 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?