見出し画像

抗生物質を"積む"より、命を救う備え

日々、有益な情報を発信していただきありがとうございます。 パパさんの情報を基点にどう備えれば生き残れるか考え続けています。 個人輸入で抗生物質を買って ・ペスト(黒死病)←レボフロキサシン ・コレラ&赤痢←シプロフロキサシン は備えたのですが、他に考えられる疫病はあるでしょうか? 今が追加で個人輸入できる(物流のタイムリミット的な意味で)最後のチャンスだと感じているので、医師であるパパさんの意見をいただけませんか?

ご質問、ありがとうございます。
そして、ここまで真剣に「生き延びる設計」を考えておられること、頭が下がります。

その上で、医師として、正直にお答えします。

抗生剤を積み増すより、断然に勧めたいものがあります。
むしろ、引き出しいっぱいの抗生物質は、安心感の割に、本当の守りは驚くほど薄いです。理由を、順にお話しします。

①なぜ「抗生物質の積み増し」を、医師は勧めないのか

理由は、4つあります。

  • 自己診断が、不可能だから。ペストも、コレラも、赤痢も、素人が他の発熱・下痢と見分けることはできません。違う病気に違う薬を飲めば、効かないどころか、本当の治療のタイミングを逃して命を落とす。薬があることが、むしろ「受診が遅れる」リスクになります

  • 2剤とも、同じ系統だから。レボフロキサシンもシプロフロキサシンも、ニューキノロン(フルオロキノロン)系です。自己判断では扱いきれない副作用を持つ。同じ系統を2つ持つことは、「備え」としても脆い

  • 耐性菌を生むから。不適切な使用は、菌に耐性をつけさせます。いざ本当に必要になった時、効かなくなる。これは個人の問題を超えた、公衆衛生の話です

  • そして、最大の盲点。最も起こる可能性が高いパンデミックは、「ウイルス」です(インフルエンザ、新型コロナの類)。抗生物質は、ウイルスには一切効きません。つまり、抗菌薬の引き出しは、最も確率の高い脅威に対して、何の役にも立たない

抗生物質は、医師の診断のもとで使ってこそ武器になる。自己判断で積めば、武器ではなく、地雷になりかねません。

②では、医師が「断然に勧めるもの」とは何か

ここから先は

1,378字

メンバーシップ ¥ 1,000 /月

「正解」が誰にも分からない時代の、生存戦略メンバーシップです。 ニュースを見ていて、「結局、何が起き…

Thinkerプラン

¥1,000 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?