ジェネリックも来ない国へ〜MFNが完成させた薬の締め出し構造〜
2026年4月、米国政府機関の文書に日本が明記された。最恵国待遇(MFN)薬価政策の参照国として。製薬業界が「終わった」と言い始めている。外来で処方したくても「日本未承認です」と弾かれる場面は、現場ではもう珍しくない。
参照国になるとは何か
MFN政策の仕組みは単純だ。米国内の薬価を、先進国の中で最も安い国の価格に合わせる。日本の薬価は米国の3〜5分の1程度。だから日本が参照されると、米国の薬価が日本水準まで引き下げられる。
製薬企業にとって何が起きるか。米国は世界の医薬品利益の約70%を占める市場だ。その収益が、日本で薬を売るという行為によって削られることになる。
日本に薬を出すことが、米国での稼ぎを傷つける。そういう構造になった。
新薬だけの話ではない
「どうせ特許が切れればジェネリックになる」という見方がある。新薬が来なくても、いずれ安い後発品で使えるようになる、という話だ。
これが成り立たない。ジェネリックの承認申請には、先発品が日本で承認されていることが前提になる。
先発品が日本で発売されていなければ、そもそも申請の根拠がない。日本未承認のまま特許が切れても、ジェネリックは生まれない。
先発品が来なければ、ジェネリックも永遠に来ない。米国や欧州では標準治療になっている薬が、日本では先発もジェネリックも「存在しない」という状態が積み重なっていく。
意思決定はすでに始まっている
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