「お尻で呼吸する」技術が現実に 〜腸管換気法の可能性と限界〜
医療ドラマのような話が、本当に実現しようとしています。
東京医科歯科大学の研究チームが発表した「腸で呼吸する」技術。一見すると冗談のような話ですが、これは真面目な医療研究です。ドジョウが腸で呼吸する仕組みを人間に応用し、重症呼吸不全の患者さんを救おうという試みが、着実に実用化へ向かっています。
ドジョウの知恵を医療に
研究の着想源は、自然界にありました。
ドジョウなどの底生魚は、酸素が不足すると水面に浮かび上がり、空気を飲み込んで腸から酸素を取り込みます。この生物学的な仕組みに注目したのが、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の武部貴則教授らの研究グループでした。
名古屋大学、京都大学との共同研究で開発されたこの技術は、EVA法(Enteral Ventilation via Anus:腸管換気法)と名付けられています。2021年5月、国際的な医学誌Medに論文が掲載され、世界の医療関係者から注目を集めました。
2つの方式、実用化に近いのは液体式
EVA法には2つのアプローチがあります。
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