中道改革連合「ジャパンファンド」の危うさを検証する
2026年2月3日、ニコニコの選挙公約プレゼンを見た。中道改革連合の岡本三成氏が「ジャパンファンド」構想を語っている。コメント欄は絶賛の嵐だった。「プレゼン上手すぎる」「さすが元ゴールドマン」「安心しました」。
安心した、という言葉が気になった。
岡本氏の主張
要約するとこうなる。
国の中に「活用されていない資金」が100兆円単位である。これを安心安全に運用すれば、増税なしで財源が生まれる。根拠はGPIFの成功だ。年金運用は25年で180兆円の利益を出した。直近5年だけでも100兆円。このノウハウを使えばいい。
食料品の消費税をゼロにする財源も、ここから出せる。500兆円を1%高い利回りで運用すれば年5兆円。恒久財源の完成である。
プレゼンは確かに上手かった。数字の出し方、間の取り方、自信に満ちた語り口。ゴールドマン・サックスで執行役員まで務めた人だ。当然だろう。
だが、上手いプレゼンほど疑ってかかる必要がある。
「活用されていない資金」とは何か
岡本氏は「国債や預金のようなもの」と曖昧に言った。100兆円単位で眠っている金。本当にあるのか。
公明党の公式Q&Aを見ると、財源として想定されているのは3つ。年金積立金、外国為替特別会計(外為特会)、日銀保有のETF。
外為特会。ここが本丸らしい。
しかし外為特会は「活用されていない資金」ではない。為替介入の実弾だ。円安が進んだときにドルを売って円を買う。その原資である。2024年だけで累計15兆円超の円買い介入が行われた。過去最大の規模だ。この金を取り崩せば、いざというとき打つ手がなくなる。
元財務官の渡辺博史氏はロイターの取材にこう答えている。「外貨準備が乏しければ、それ以上介入できないのではと心配する人もいる」。市場はこの規模を見ている。減らせば足元を見られる。
しかも外為特会の剰余金は、すでに毎年一般会計に繰り入れられている。2024年度は過去最高の約5.3兆円。うち約3.2兆円が一般会計に、1兆円は防衛費に充てられている。眠っているどころか、とっくに起きて働いている金だ。
みずほリサーチの酒井才介氏は「新規の打ち出の小槌として使えるわけではない」と指摘する。
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