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千葉県がんセンター、繰り返される取り違え事故に回避策はあるか

10年前にも同じことが起きていた

千葉県がんセンターで、別の患者の検査結果を使って診断が行われ、本来は経過観察で済んだ60代男性が前立腺を全摘出されました。電子カルテへのデータ貼り付けミス。2025年に起きた事故が、2026年2月6日に公表されています。

千葉県の公式発表によると、経緯はこうです。前立腺がんの疑いがある患者Aに対して生検が行われ、結果は「がんはない」でした。腫瘍マーカーは高値だったものの、経過観察が妥当な状態だった。ところが生検担当医師が、患者Aの電子カルテに患者Aの結果を貼り付けた後、別の患者Bの「がん」を示す結果も誤って同じカルテに貼り付けてしまった。電子カルテは最新情報が画面の上部に表示されます。主治医は患者Bの結果を患者Aのものと認識し、高リスクの前立腺がんと診断。ロボット支援下前立腺全摘術が行われました。

このニュースを見て真っ先に思い出したのは、2015年12月に同じ千葉県がんセンターで起きた事故でした。

あの時は、乳がんが疑われた30代と50代の女性2人の病理検体を取り違え、本来不要だった30代女性の右乳房が全摘されています。2015年の事故は検体そのものの取り違え、今回は電子カルテへの結果貼り付けの取り違え。エラーの発生箇所は違いますが、「病理の結果が別の患者のものとすり替わり、不要な全摘手術が行われた」という結末は同じです。

さらに調べると、日本医療機能評価機構のデータベースには、別の病院で前立腺の検体取り違えにより、がんのない患者に前立腺全摘手術が行われた事例も報告されていました。摘出後の病理標本にがんが見つからず、そこで初めて取り違えが発覚した。

同じ病院で、同じ種類の事故が、10年の間隔を置いて繰り返されている。


ネットの声と現場の距離

ニュースのコメント欄には見慣れた言葉が並んでいました。「ダブルチェックを徹底すべき」「AIを導入すべき」「患者も自分で結果を確認すべき」。

どれも正しそうに聞こえます。聞こえるんですが、医療の現場を少しでも知っていると、そのどれもがすんなり飲み込めません。

まず「患者が確認すべき」について。今回取り違えられたのは病理組織検査——生検の結果です。採取した組織を顕微鏡で見て、がんかどうかを判定する。その報告書を渡されて、「これは本当に自分の検体ですか?」と聞ける患者がいるでしょうか。いません。検体が自分のものかどうかを判別する手段が、患者側にはそもそもない。

がんセンターの専門医から「がんです」と言われれば、信じます。それが間違っているわけでもない。セカンドオピニオンを受けたとしても、持っていくのは同じ取り違えられた結果です。患者の自助努力で防げる話ではありません。

ダブルチェックの現実

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