残クレでマイホーム?国が推進する「残価設定型住宅ローン」が危険すぎる理由
国土交通省が「残価設定型住宅ローン」の普及を後押しするというニュースが飛び込んできました。住宅金融支援機構を通じて金融機関向けの保険を提供し、月々の返済額を抑えることで「住宅価格が高騰する状況でもマイホームに手が届くようにする」のだそうです。
正直に言います。これは気が狂っているとしか思えません。
市場が拒否した商品を国が売らせる
実は残価設定型の住宅ローン自体は、以前から存在していました。住宅ローンアナリストも「以前からあるものの、なかなか広がらない」と指摘しています。
なぜ広がらなかったのか。金融機関がリスクを取りたがらなかったからです。
住宅ローンの返済期間は最長35年と長期にわたり、住宅の価値は多くの要因で変動するため、将来価値の予測が極めて困難。残価より住宅価値が下がった場合、その差額は金融機関が負担することになります。だから金融機関は保守的な姿勢を取っていた。市場原理がブレーキをかけていたわけです。
さらに深刻なのは、日本の住宅市場の構造的問題。総務省のデータによると日本の住宅は木造が約5割で、国税庁の減価償却の計算上、木造住宅の寿命は約30年とされています。築30年で資産価値がほぼゼロになるという前提の市場で、残価設定など成り立つはずがありません。
今回の政策は、その市場の警告を無効化するものです。国が保険を提供することで、金融機関のリスクを肩代わりする。「さあ、これで安心して売れるでしょう」と。
民間発の商品が自然に普及したのではありません。市場が拒否したものを、国策で無理やり流通させようとしている。これが今回の施策の本質です。
「買えない人に買わせる」という発想の危うさ
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