病院キャンセル料の合法化、なぜ現場で使えないのか
厚労省が「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正を出しました。2026年3月27日付、適用は6月1日から。
SNSでは「やっとキャンセル料が合法的に取れるようになった!」と沸いています。医療コンサルタントの解説投稿がバズっていたので読みました。
冷めた感想しか出てきません。
改正の中身
保険診療において、予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料を徴収できることが明文化されました。条件は3つ。
診察日の直前のキャンセルに限る
事前に説明し、書面で同意を得ること
料金は「社会的に妥当適切」であること
あわせて「お世話料」「施設管理料」「雑費」といった曖昧な名目での費用徴収が改めて禁止されています。Wi-Fi利用料やオンライン診療のシステム利用料なども「療養の給付と直接関係ないサービス」として整理されました。
制度の字面だけ見れば、たしかに前進です。
改定全体の中での位置づけ
2026年度の診療報酬改定は本体+3.09%。内訳は賃上げ対応が+1.70%、物価対応が+0.76%で、残りが政策改定分の+0.25%と経営環境悪化への緊急対応です。改定の3本柱は「物価高騰・賃上げ」「医療機関の機能分化」「医療従事者の減少への対応」。基本診療料の引き上げ、物価対応料の新設、ベースアップ評価料の拡充など、現場の経営に直結する大きな改定が並んでいます。
キャンセル料の話は、この改定パッケージの中の選定療養の整理のさらにその一項目です。近視進行抑制薬の選定療養追加やオンライン診療のシステム利用料の明確化と並ぶ、いわば「おまけ」の部分。それだけが切り取られてSNSでバズっている状態は、やや過剰な反応に見えます。
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