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価値観の公理が違う相手に何を言っても届かない理由

人気キャバ嬢・ゆいぴすの発言が炎上した。就活番組で「私はあなたの年収を1日で稼ぎます」と年収400万円の男性を一蹴した件だ。批判は「稼いでれば偉いという風潮がおかしい」という方向に集中したが、その批判はすでにズレている。

問いの立て方が間違っているのだ。これは価値観の善悪の話ではない。そもそも議論が成立する土俵にいるかどうかの話だ。


公理系の断絶

ゆいぴすは「稼ぎ=価値」という一本の尺度で生きている。その尺度の中では、彼女の発言は正確だ。矛盾していない。問題は態度でも品性でもなく、前提となる公理系が違いすぎることにある。

数学で言えば、異なる公理系の証明を戦わせているようなものだ。別の言語で話しかけているといってもいい。どちらが正しいかの前に、土俵が違う。

批判している側も同じ構造の罠に嵌まっている。「お金だけが人の価値じゃない」は正論だが、その正論は相手の公理系に届かない。届かないのは誠意が足りないからでも説明が下手だからでもない。受け取る回路がない。

さらに言えば、批判者の多くも「稼ぎ以外の価値」という別の単一尺度に置き換えているだけかもしれない。多変数で考えているつもりで、軸が入れ替わっただけの同じ構造を繰り返している。

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