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辞めるか続けるか迷う医師のための判断軸|働き方を見直す整理のしかた

「もう無理かもしれない」

そう思っているのに、辞めるとも続けるとも決めきれない。

医師として働いていると、そういう時期があります。
通常業務に加えて当直があり、外来、手術、指導もある。
責任は重く、簡単に弱音も吐けない。
気づいたときには、体力だけでなく、考える力まで削られていることがあります。

私自身、燃え尽き症候群を経験し、やる気をほとんど失った時期がありました。苦しかったのは、忙しさそのものだけではありません。「このまま続けるべきか、もう辞めるべきか、働き方を変えればいいのか」——その整理ができなくなっていたことです。

医師は普段、患者さんの状態を整理し、原因を考え、治療方針を決めています。けれど、自分自身のことになると、その判断力をうまく使えなくなることがあります。専門的なトレーニングを積んでいても、自分の感情が混じった問題には、同じ思考プロセスを向けることが難しくなるのです。

このnoteでは、「辞めるか続けるか」で苦しんだときに、何をどう整理すればよいかを、医師の働き方に即してまとめます。

感情に飲まれた状態から少し距離を取り、自分の状態を切り分ける視点、判断を急がないための考え方、働き方を見直すための整理手順として読める内容にしています。今の働き方に限界を感じている。でも、感情だけで辞める決断はしたくない。そんな方に向けて書きました。


医師が「辞めたい」と感じるのは甘えではない

医師として働いていると、「もう続けられないかもしれない」と感じることがあります。それは甘えではありません。

負荷の高い業務、当直、責任、対人対応、指導——こうしたものが積み重なると、心身だけでなく判断力も落ちます。責任感が強い人ほど「まだ頑張れるはず」と自分を後回しにしやすく、限界のサインを見逃しがちです。

特に燃え尽きを経験すると、やる気が出ない、集中できない、何も決められない、という状態に入りやすくなります。ここで厄介なのは、仕事が嫌なのか、今の働き方がつらいのか、自分でも分からなくなることです。

いきなり「辞めるか続けるか」を決めなくていい、というのがこのnoteの基本的な立場です。本当に必要なのは、最初に結論を出すことではありません。先にやるべきなのは、原因を分けることです。

つらさの原因は大きく三つに分けられます。仕事内容そのものがつらいのか、働き方や勤務量がつらいのか、人間関係や役割負担がつらいのか。この三つを分けずに考えると、全部が嫌に見えます。すると、本当は調整できる問題まで「辞めるしかない」に見えてしまいます。

医師は普段、症状を整理し、原因を見立て、優先順位をつけて判断しています。この考え方は、自分の働き方を見直すときにも使えます。
感情だけで決めるのではなく、何が負担なのか、どこが限界なのか、何なら変えられるのか、何を変えても残る苦しさは何かを整理していく。

すると、「仕事自体が嫌なのではなく、当直の負荷が大きすぎた」「専門分野は嫌いではないが、今の条件では続けられない」といった形で、問題の正体が見えやすくなります。

好きな分野がある人ほど無理をしやすい点も忘れてはなりません。
専門分野が好きであることは大きな強みですが、好きであることと今の条件で続けられることは同じではありません。
むしろ、好きだからこそ無理を続けてしまうことがある。
情熱がある人ほど、自分の消耗を正当化しやすいからです。だから必要なのは「好きだから耐える」ことではなく、好きだからこそ続けられる形に整えることです。



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