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西伊豆の温泉宿での一夜【第1話】深夜の露天風呂


西伊豆の断崖に作られた露天風呂――月明かりと波の音だけが照らす夜。
偶然の出会いに、彼は二人の女性の大胆さと無防備さに翻弄される。
背徳的で妖しい一夜の体験が、彼の心と二人との関係にどんな影響をもたらすのか。


西伊豆の海岸沿い、その断崖に張り付くように作られた露天風呂に、俺はいた。

時刻は午前二時を回った頃だろうか。 海岸線には店の灯り一つなく、あるのは夜の闇を照らす月明かりと、その光にきらめく漆黒の海だけだ。潮風が肌を撫で、磯の匂いが深く鼻腔に入り込む。波は絶え間なく、まるで巨大な生き物が呼吸しているかのように規則的な音を立てて、岩肌に打ち寄せている。その音だけが、この孤独な空間で唯一の癒しだった。湯船に浸かった身体から力が抜け、まどろみかけていた。

​だが、突然、その静寂が破られた。

​「キャッ!」

「うわっ、ビックリした〜」

「誰も居ないと思った…」

信じられない、という戸惑いが、全身を硬直させた。若い女性の声。しかも、彼女たちは戸惑う俺の目の前、月明かりの下で、その妖しい裸体をさらしている。湯気と月光が彼女たちの輪郭を朧げに縁取り、まるで夢を見ているかのような非現実感に襲われた。

​陽子「あの〜入っても大丈夫ですか?」

​彼女の声は、悪びれる様子もなく、むしろ楽しんでいるように聞こえた。

​大和「え?男湯だし、俺いますけど良いんですか?」

​俺の問いかけに、陽子は挑発的な笑みを浮かべた。

​海夏「…もう見ちゃったでしょ?」

​その瞬間、理性の箍が外れ、本能が警鐘を鳴らし始めた。 ここは公共の場所だ、と頭では理解しているのに、目の前の光景から目を逸らせない。彼女たちは笑いながら湯船に浸かり、湯の暖かさに恍惚とした表情を浮かべる。

​海夏「あ〜気持ち良いね〜、海に手が届きそうだよ」

陽子「本当だ、凄い」

​彼女たちは俺を透明人間のように扱う。それは、俺の存在を無視しているのではなく、むしろ受け入れている、歓迎しているかのような、不思議な雰囲気だった。彼女たちの無防備さ大胆さに、俺の心拍数は異常なまでに高鳴り下腹部には否応なしに熱が集まっていく。

​(まずいな…、出るに出られなくなった…)

​湯の熱さだけでなく、動揺と緊張でのぼせてきた。このままでは恥をかくという焦燥感と、この状況から逃げたくないという抗いがたい欲望が、俺を湯船に縛り付ける。

​海夏「ねえ、彼氏さん、ずっと大人しいよね」

陽子「彼氏〜どうかした?」

​「何でもないですから…」と絞り出した声は、情けないほどにか細かった。

​海夏「あ…私たちの裸見てヤバくなったとか?」

陽子「海夏〜駄目だよ~それ言っちゃ」

海夏「だって〜、可愛いんだもん」

​そう言うと、水面に波紋を立てながら、海夏は俺に滑らかに近寄ってきた。その肌の滑らかな感触が、太もも越しに伝わってくる。

​(拒絶できない。いや、したくない。

​大和「あ、あの…まずいっすよ」

海夏「良いじゃん別に減るもんじゃないし。彼氏、童貞?」

大和「…い、いえ」

​俺の小さな抵抗と嘘は、彼女には通用しない。

​海夏「ふふ、そうなんだ、…触りたい?」

​彼女の手が、湯の中で俺の太ももをゆっくりと這う。 濡れた肌の生々しい温度が、理性を完全に焼き尽くす。俺は一瞬にして思考を停止し、ただ固まるしかなかった。

​陽子「海夏、ここホテルから丸見えだからそれ以上はヤバいよ」

​陽子の現実的な一言で、俺の凍り付いていた思考が再起動する。ホテルの窓。見えているかもしれない誰かの目

​海夏「確かに…、彼氏〜私たちの部屋来る勇気ある?」

波の音潮風、そして月明かり。すべてが、この背徳的な誘いの背景として静かに存在している。俺は、この状況に溺れてしまうのか、それとも僅かに残った理性で引き返すのか


次回予告

熱い夏の夜、偶然訪れた温泉宿で、彼は二人の女性と距離を縮める――。
海夏の大胆さと陽子のやさしさ、初めて経験する胸の高鳴りに戸惑う彼。
一夜の出来事が、彼らの関係にどう影響するのか――。


本作品はフィクションです。登場人物・団体名等はすべて架空のものです。
著作権は著者に帰属します。無断転載・複製を禁じます。


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