早稲田に複数合格する(予定)生徒が、これからすること【受験勉強の現場をユルく語る #06】
今、実際に指導している受験生の勉強の進捗状況や、今後の方策を少しお話ししてみたいと思います。個人の環境、学力、目標までの距離感が違いますので、真似をしてもうまくいくとは限りませんが、ある程度の見通し・考え方は伝わるんじゃないかと思っています。
まず今回話すのは、地域トップの進学校に通う受験生です。
志望校は早稲田大学。学部にこだわりはないですが、第一志望は法学部で、次に商学部、文学部、文化構想学部、教育学部です。さらに人間科学部も受験することを考えているようです。
今月に入って両親と話し合いをしながら、明治大学の法学部と経営学部あたりの受験も検討しているようです。まだ最終決定ではありませんが、ターゲットはほぼ絞られています。
この生徒の学力は比較的安定していて性格も淡々としているので、本番にも弱くはないと思っています。問題なのは、ちょっと性格がのんびりしているので、時間がなくなってしまうかもしれないという程度です。
これまで何をしてきたかを話します。
彼は高校受験に合格し、4月に入学するまでの1ヶ月の間で志望大学を選びました。つまり、中3の時点で志望大学を決めています。高校の合格発表が終わって、4月の入学式までの間に早稲田大学や慶応義塾大学、青山学院大学、一橋大学、東京大学などの大学を回って実際の雰囲気を見て、調べて、その上で早稲田大学法学部を選びました。
もうこの時点で合格はほぼ決まったようなものです。あとは私がしっかりと観察しながら計画を立て、適宜変更しながら、落ち着いて歩き続けるだけでした。
中学の頃から高校英文法に少しだけ触れていて、高校1年が終わるころには文法と基本的な英文解釈・構造分析の技術を身につけていました。
英検は生まれてから一度も受験したことがありません。早稲田合格には関係がありませんし、全く必要がないからです。
2年の前半には『英文読解の透視図』を一通り終了し、後半からはMARCHの過去問に入りました。60~70%の正解率だったと思います。
そして実際に早稲田大学の過去問に入ったのは3年の5月ぐらいです。教育学部から始めて、夏には商学部と教育学部の20年分を終えています。 そして現在は法学部と文学部、そして文化構想学部に進んでいます。
日本史に関しては、2年の段階で通史を終えることを目標にしていて、3年の4月から過去問に入っています。初めの頃は通史の補強という意味で駒沢大学の過去問で多くの経験を積みました。今は教育学部と文学部、商学部の過去問を20年分終えています。
問題は国語です。
彼は国語が特に苦手で、漢字もろくに書けないと言っていいほど苦手なんです。ですから、日本史の用語も覚えるのに今でも苦労しています。そういった理由で、少なくとも現代文だけは得点調整で大幅な原点を食らわないように、早めから最も力を入れていました。高1の時には、漢字・語彙テストを毎日のように行いました。
高2でやっていたのは『ちくま評論入門』と『ちくま評論選』です。これをじっくり、10ヶ月近くの時間をかけて学びました。現代文で使った市販の参考書はこれだけです。
こんな風に2年半やってきました。そして先日、駿台ベネッセの10月記述模試の返却がありました。
まずは英語です。
偏差値は72ほどですが、これは記述問題であるということと、内容が若干簡単であるということを前提に評価します。私はベネッセ系の模試で参考にするのは校内順位だと話していて、今回は280名中16位でした。過去の早稲田慶應受験者はこのぐらいの校内順位で合格していきましたが、彼には常に10位以内という目標を提示しています。よって、まだ若干の不安が残ります。
そして日本史ですが、偏差値は78でした。
校内でトップを取るということを目標にしていたので、今回はそれをクリアできました。早稲田大学各学部の細かい問題や正誤問題、そして文化史の対応力はまだ中途半端なので、今後はそちらを補っていかなければならないと思っています。しかし英語同様、日本史の方も比較的安定してきていますので、大きな心配はありません。
さて最大の問題である国語です。
今回の記述模試の偏差値は66でした。さすがにこれは陥没しすぎなので、本人には「落ちるとしたら国語で落ちる」と前々から伝え、危機感を煽っています。
2年の頃に苦労して読んだ『ちくま評論選』のおかげか、現代文の方は様々学術分野、 特に早稲田大学で出題されるような文化人類学や哲学のような重厚な内容が読めるようになっているのは心強いですし、結果も出ています。
さらに漢文の方も、ゴールデンウィークの10日間の短期集中攻略で一気に仕上げました。それ以降は漢文の学習はほぼやっておらず、模試等の復習で十分カバーできています。
足を完全に引っ張っているのは古文です。
早稲田大学の各学部の古文は、他の大学とはレベルが圧倒的に違っていて、他の大学の古文の問題で練習を積むことはできないと私は思っています。
ですから彼が受験しない学部の古文も含め、これから古文を一気に上げる集中期間に入る予定です。策は練ってあります。
最後に、彼がこれから何をするかという話を簡単にしたいと思います。
英語は過去問+学部形式特化問題集です。計画通り進めていけば、過去問は12月31日には法学部・文学部の20年分が終わる予定です。その後1か月以上は復習に費やします。
ただし、人間科学部の受験が追加されると、また特殊な、極めて特殊な対策が必要になってきますので、そちらの方も追加することになるかもしれません。その判断と舵とりがが私の仕事です。
受験予定である明治大学の法学部や経営学部に関しては、徹底的に時間にこだわって演習をさせるつもりです。特に法学部を、70分のところを必ず60分以内で解答した上で9割を取る立ち回りを身につけてもらいます。彼にとって明治大学の2つの学部の英語は大きな負担ではありませんので、代わりに時間というハードルを設けて取り組んでもらいます。
早稲田教育・商学部の形式とレベル感はほぼつかんでいます。法学部はこれから英作文演習にとりかかりますが、過去問だけではなくオリジナルの法学部用英作文問題を、自主的に添削・採点できるツールを使って鍛えてもらいます。 彼は文法が盤石なので、そうやって経験を積めば英作文は心配ないでしょう。
これからやらなければいけないのは文・文化構想学部の問題3と5です。一通りの過去問演習を終えた段階からの仕上げになりますので、12月末ぐらいになるかもしれません。そこから2月12日を目指して最後の調整をしていきたいと思っています。
日本史の方は、慶応大学の商学部を過去20年ほど終了しています。 なぜ慶応商学部を使ったかというのを話をすると長くなるので、また別なところでまた話す機会があるかもしれません。さらに先述のように、早稲田大学の教育・文・商学部の過去問を20年分経験しています。これも使い方などを説明するのはまた別の機会に。
これからは文化構想学部や法学部、人間科学部が残っています。そして軽めの明治大学の過去問をミックスしたスケジュールを組んでいます。若干不安な文化史に関しても、マニアックな知識まで踏み込む余裕ができそうです。
そして彼が最も慎重に、そして一歩ずつ着実に、しかし十分戦えるまでに力をつけなければいけない古文です。
彼が古文を苦手とする原因は、古文のスキーマを持っていない、あるいは足りないことだと判断しています。
先ほども言いましたが、他の大学の過去問は簡単すぎて早稲田古文対策には使えません。ですから他大過去問は読み込みに使うと割り切って、早稲田大学のあらゆる学部の古文問題だけを集中して演習していきます。
以上のように、彼の残り3か月のプランは大筋で定まっていますが、受験校の変更等により、若干のアレンジは臨機応変に施していくつもりです。
こんなふうに軽い感じでざっくりと、一人の受験生の進捗状況を報告するような記事を書いてみました。しかし、残り3ヶ月の指導・ナビゲーションの方針を再確認するという意味で、私自身にとってとても役に立ったと感じています。
今年私がリアルで見ている生徒は、今回の早稲田法学部志望の彼と一橋志望の生徒の2人です。オンラインではさらに2人の受験生が頑張っています。そういった生徒たちの学習状況や、今後の方策について、 簡単に話をするような記事をまた書いてみよう思います。
こんな文章の中でも、みなさまにとって何か一つでも参考になることがあれば幸いです。
