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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#21

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
真人が診察結果を聞いて圭子と落ち合う物語。

で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w

今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。


圭子の話

正直に言えば、俺は圭子の話をほとんど覚えていない。
断片的に光景が思い浮かぶだけだ。
たぶん、俺は圭子のことが好きだったんだと思う。
と言うか、今あらためてこのに恋をしていると思う。

だって、こんなにまっすぐに俺を見てくれるヒトは父さんくらいしかいなかったから。

「俺さ、圭子のことをちゃんと思い出したいんだ」
ファーストフードのコーヒーをすすりながら頷いた。

「私もさ、真人のこともっと知りたい」
「そうか、俺たちは会って間もないんだったっけ」
「だから、無理に思い出をほじくり返さないでも良いと思うんだ、私」
「大切な思い出だろ?」
「そんなの今からいくらでも作れる。そう思わない?」

ホント、このは強いんだな。
素直にそう思った。

「そう思うよ」
俺は気持ちをそのまま言葉にした。

予想外の奴ら

そんな風に俺と圭子はお互いを見つめ合っていた。

そして、事態は予想もしない方向に動き始める。

「ああ、まったく今日もうざってぇ日だったぜ」
「まあ、俺たちみたいな落第生にとっちゃ一生そういう日が続くんだろう」
「気が滅入るようなこと言うなよ。はぁ」

高校生らしい集団が隣のブースに座ってきた。

なんとなく見覚えがある気がするな。

そんな風に思って彼らを見た。
目が合う。

「あ、おめぇ、あんときの!」
一人の男子高校生が俺の顔を見てわめき始めた。
圭子の目つきが変わる。
臨戦態勢って感じだ。

俺はポカンとしながら圭子に聞く。
「彼らのことを知ってるのか?」

「何言ってやがる?!」
キレ気味にもう一人の男子高校生が俺に言った。
そして、最初に俺に声をかけた男子高校生がもう一人を制止してこう言った。

「あんときは、悪かった。世話をかけさせた」
そう言って頭を垂れる。
「もう少しで俺たちは最低なやつになるところを止めてもらった」

俺は戸惑う。
俺は圭子の話だと、圭子の友人を不良高校生から救ったって話だったと思う。
それが彼らなのか?
この明らかに義理人情で動いているような古風な若者が?

「ごめん。ホントにごめん。俺、どうも記憶喪失ってやつらしくって、この一月くらいの記憶が無いんだ」

驚いて俺の顔を見る高校生たち。
「良かったら、話を聞かせてもらえないか?」

彼らの話

「き、記憶喪失?」
「ああ、まあ、脳に物理的な損傷があるわけじゃないらしいから、何かのきっかけで記憶が戻るかもって医者に言われてる」
「何があったんだよ」
圭子がこれに答える。
「単純に言えば交通事故。ただ、その原因がちょっと普通じゃないんだ」
圭子が思い出したくないものを思い出すような表情で語る。

「真人は私に会いに来た。そして、そこに道路に飛び出す子どもがいた」
息を潜めるように圭子の話を聞く男子高校生たち。
「たぶん、反射的な行動だったと思う。真人は道に飛び出して子どもを歩道に突き飛ばしたんだ。そして、真人はその車にはねられた」
改めて俺の左手のギプスを見る男子高校生たち。
その子どものことは覚えてる。断片的だけれど。
でも、その後俺はその子どものケアは出来なかった。
意識飛んじまってたからね。

だとしたら、その子はどうなったんだろう?
そして、その運転手はどうなったんだろう?

俺は何も分かっていない自分を悔いた。
左手に痛みが走る。
まるで、考え無しに多くのヒトを巻き込んでしまった自分を戒めるように。

圭子が心配そうに俺を見ている。
俺はなんてちっぽけなんだろう。
目の前の圭子。
この男子高校生。
誰も幸せに出来てないじゃないか。

「ごめんな」
俺は目の前の男子高校生と圭子を見て言った。

「今の話だと俺は君たちも、圭子も、その子どもも、運転していたヒトも誰一人救えなかったってことだよな」
「どういうことだよ」
「だって、君たちは自分の罪の意識だけ植え付けられて今ももんもんとしている。圭子は自分の力で友人を守れない無力感を感じていると思う。事故にあったかもしれない少年は恐怖に打ち震えていたはずだ。そして、運転していたヒトは俺をはねたことで社会的な制裁をうけてしまうかもしれない」

俺は泣いていたと思う。
「俺は……俺は。無力でちっぽけで……」
「違う!!」
圭子が叫ぶ。
「そうだ絶対に違う!」
男子高校生も叫ぶ。
店が少しざわついた。

そして、男子高校生が俺に向かって呟いた。
「あんた、優しすぎるよ」

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参考にした話

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

なんか、どうしても感情的な言葉になっちまうな。

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