【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中健一編#20
あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?
今回もこの企画に乗っかってみようかね。
企画ページ本体はこっち。
前回のはコレ。
メイド喫茶でモジモジするオッサンを描いてみたぜ。
で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w
今回は追加の腹ごしらえと、いよいよミスッタチェリヤネンの鑑賞風景を書くぜ。
腹ごしらえ
さて、あんまりにも場違いなところで食ったから食った気がしないぜ。
そんな事を考えながら歩いていると、なんか馴染のある匂いがする。
焼きそばかぁ。
そのくらいがちょうど良いかなぁ。
なんとなく犬みたいに匂いをつたってぷらぷらと歩く。
おお、あったあった。
「いらっしゃいませ〜焼きそば、おにぎりいかがですかー」
元気よく少女が呼び込みしてる。
最近の少女は、普通に可愛らしい感じの子がいるよなぁ。
「焼きそば一つ、くれる?」
「ありがとうございます!ご一緒におにぎりもどうですか?」
「いや、焼きそばだけでいいや」
「わかりました。少々お待ちください」
そう言って焼きそばのパックを持ってきてくれる。
料金を渡して食べる場所が空いてるか見て、適当に座って食べ始める。
うん、焼きそばだ。
当たり前だけれど、いつも通りの焼きそばってのはなんかホッとするよな。
さっきのメイド喫茶はコンセプトがオッサンにはちと厳しすぎた。
まあ、良い経験ってやつかもな。
ふと見上げると目の前で同じ焼きそばとおにぎりをかっくらっている少年が見える。
「おお、ドラム少年じゃん」
名前は覚えられんのだけれど、顔は覚えられるんだよな。
少年はうん?と一瞬考えて
「あ、千円の人!」
おいおいヒトを金で見るんじゃないよ。
「千円のヒトはひでぇな。田中だよ。この後のライブ見に行くから。
少年たちの音を楽しませてもらうよ」
「あざす!」
そう言うと残っている焼きそばとおにぎりをかっこんであっという間に平らげる。
「じゃあ、バンドの準備があるんで!」
そう言ってドラム少年は駆け出して行った。
あ、しまった名前を聞くの忘れた。
ま、いいや。
そんなことを思いながら馴染んだ味の焼きそばを食べた。
再び体育館へ
さて、とりあえず食ったし、体育館に向かうかね。
そう思って廊下を歩いていると声が後ろから聞こえてくる。
「急いで壽賀美!ミスッタチェリヤネン始まっちゃうよ!」
「待ってよ、着替えに時間かかっちゃったんだもん」
「壽賀美がほとんど布団で見えないのにお婆さんの衣装にまでこだわるのが
いけないんでしょうにw」
「だって、脚本担当としてはそこで手を抜いたらダメでしょ!」
うん?脚本担当?
そう思って振り返る。
「おお、脚本少女じゃん」
俺の声を聞いて俺の方を見る脚本少女。
「あ、あのときの」
「舞台、良かったぜ。俺が見た時より断然良くなってた」
「ありがとうございます!!」
「壽賀美、急がないと」
「そうだ。すみませんクラスメイトがバンドやるんです」
「おお、ミスッタチェリヤネンかい?なら俺も急がないとな。
それを聞きに来たんだ」
ちょっと驚く脚本少女。
「え?宇利くんたちと知り合いなんです?」
「まあ色々あってねぇ。お誘いを受けて臆面もなく参上ってところさ」
「なら急ぎましょ。もうすぐ始まっちゃう」
そう言って早足で歩き始める少女たち。
俺もその後に続く。
ライブの始まり
そして体育館につくと、意外にももう生徒でいっぱいになっている。
人気者なんだなぁ宇利少年たち。
そしてすぐに司会っぽい少女がこんな風に言った。
「では、ラストはミスッタチェリヤネンでーす!どうぞ!」
どうでもいいが、この学校女子率高くないか?
ぞろぞろと出てくる4人。
ギターの少年。
宇利少年。
ドラムの少年。
ベースの少年の順に出てくる。
相変わらず名前を覚えられないんだよな。
顔は瞬間的に覚えられるんだけれど。
「どうも〜ミスッタチェリヤネンです!今日は私のトークライブへようこそ!」
ギターの少年が開口一番トークを始めた。
コミックバンドなんかな?
「コラーなんでお前のトークライブやねん!俺らはどうした。ちゃんと言わんかい!」
宇利少年がすかさず突っ込む。
うん、コミックバンドっぽいぞ。
その後も他のメンバーが絡みながらトークが続く。
いつ始まるんじゃいw
「すみません。しゃべればしゃべるほどモテなくなりそうなので曲にいきます。2曲用意してきたので聴いてください。1曲目は勝手にシンドバッドです」
ギター少年がそう言って、演奏が始まる。
しかし、今時の高校生ってサザン聴くんだな。
サザンがさすがなのか、あの少年たちが渋い感性なのかはわからんけど。
歌い出したのはギター少年。
おお、なんか似てる。
あの英語なのか日本語なのか曖昧な発音がよく特徴を捉えている。
巻き舌の方に気を取られがちだけれど、地味に喉の使い方が抜群にうまい。
きっとだけれど、自主練で一人カラオケに行ったりしてたんだろうな。
Bメロのところで微妙にハーモニクスを入れてくる。
アレンジしてくるねぇ。
おお、宇利少年がコーラス入れんのか。
独特な声だからコーラス向きじゃないと思うんだが、ギター少年の色がそれに負けてない。
こりゃナイスチョイスかもな。
「今何時?!」
「そうねだいたいね~♪」
掛け合いも完璧に決まった。
なんか、普段からやってんのかこの二人。
そして、よく聞くとベースもあの難しいラインをキッチリと再現している。
よっぽど練習したんだろうなぁ。
いかんな、年取ると涙腺が緩んで仕方ない。
あ、いま一瞬だけリズムがズレちまった。
そこまで含めて味になっているように聞こえるのはきっと俺が思い入れすぎてんだな。きっと。
でも、そのズレを感じさせたのはドラムのリズムがあまりにも正確だったからかもしれない。
っていうか、ホント楽しそうに演ってるなぁ。
そしてまた涙腺が緩み始める。
いかんなぁ。目をうるませて少年たちの音楽を聞いているとかカッコ悪すぎだろ。
そう思いながらも、涙腺をコントロール出来ないまま、俺は少年たちの音楽に耳を傾け、その姿を見つめていた。
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