スキがあんたにとってどれだけ大事なことかって話 ─ 中国輸入で全部見失った俺の失敗談
あんたはなんかうまい話にのっかって、ノマドワーカーになってやるなんて考えたことはないかい?
モニタの向こうで流れてくる成功談を見て、「まあ、ちょっと勉強して試せば、自分にも出来るかもしれない」ってさ。
例え頭の中で「危ねぇ!!!」と警鐘がカンカン鳴り響いていたとしてもだ。
それほど、俺たちは日々の生活ってのが、世界的に見ればいかに恵まれているのかなんてスコーンと忘れちまって、お手軽お気軽な儲け話ってやつに乗っかりがちだよな。
俺も、最初はそう思ってた側の人間なんだ。
いや、ある意味今も変わらんかも知らん。
今回は、特に“お手軽な副業”に心が揺れるあんたに向けた回だ。
ちっと俺の失敗談から学びを受け取ってくれよな。
俺と中国輸入の出会い
俺が最初に目にしたのは1冊の本だった。
そこには、どうやって中国輸入で利益を出すのかについてのノウハウってやつが詰まっていた。
いや、詰まっている様に見えた。
何しろ、世界を相手に商売を考えられるって現実が目の前に転がっている。
俺にはその本の特典を得られるためのメールを出すのになんのためらいもなく、メールを打ったんだ。
それが俺の挑戦の始まりだった。
始めた頃の俺は、とにかく「自分が興味を持てるもの」を仕入れて売ろうとしていた。
見ていてワクワクするガジェットとか、「これ、好きな人は絶対いるだろ」ってニッチなアイテムとかさ。
ところが、そこで最初の壁にぶち当たる。
自分の「スキ」が向く商品って、ことごとく商標権的にアウト気味なやつばかりだったんだ。
ロゴが怪しいとか、デザインがグレーとか、「これ堂々と売っていいのか?」ってものばかり。
それで、俺は発想を変えた。
「よし、“スキ”じゃなくて、“機能”と“ターゲット”で考えよう」と。
どんな機能があって、どんな人に刺さりそうか。
そこからシナリオを組んで、「この層には、この機能の、この価格帯」みたいな、いかにも“ビジネスっぽい”やり方に切り替えていった。
そのときの俺は、ちょっとしたマーケターになった気分だったよ。
利益が出始めた瞬間に見えた景色
ちゃんとターゲットを決めて、機能から逆算して商品を選ぶ。
写真を整えて、説明文も工夫して。
そうやって試行錯誤しているうちに、少しずつ利益が出始めた。
「お、いけるかもしれないな」
そう思ったのも束の間だった。
同じようなやり方をしている連中が、わらわらと湧いて出てきたんだ。
気づけば、俺がそれなりに手応えを感じ始めた商品には、似たような商品、似たような価格、似たような説明文が並び始める。
気づいたら、そこはあっという間にレッドオーシャンになっていた。
「これは、いつまでも同じやり方じゃダメだな」
そこでようやく、次の現実が見えてくる。
オリジナルを作らなきゃいけないという現実
レッドオーシャンの中で消耗戦をやっていると、いやでも理解させられる。
「結局、どこかのタイミングで“自分のオリジナル商品”を作らなきゃダメなんだな」と。
差別化しようとすると、どうしても
・オリジナルの企画
・型や仕様のカスタマイズ
・専用パッケージやブランディング
みたいな方向に進まざるを得ない。
つまり、「ちょっとした副業」のつもりで始めたはずが、いつの間にか「それなりの投資とリスクを伴う事業」に変わっていく。
しかもそのどの要素を見ても俺の人生にヒントが転がっている気がしない。
俺じゃない誰かが必要とされている気がした。
つまり、そこに俺の「こだわり」を生む何かが見つけられなかったんだ。
でも現実はそんな俺を待ってちゃあくれねぇ。
在庫を回さないといけないんだ。
回転が止まったら、仕入れた在庫が重しになる。
だから常に、「次に売れるもの」「今よりもう少し利益が出るもの」を探し続けなきゃいけない。
そうしているうちに、俺の「スキ」は、どこかに押し出されていった。
最初は「これ、面白いな」「これ、好きだな」から始めたはずなのに、
気づけば「利益が出るかどうか」「ライバルがすぐ増えないかどうか」しか考えられなくなっていた。
決定打になった出来事
そんなふうに、好きでもないのに“それなりに回るから”という理由だけで続けていた頃だ。
俺の中国輸入人生を終わらせる、決定的な出来事が起きた。
偽アカウントを大量に作った誰かが現れて、
買っては返品、買っては返品を、延々と繰り返し始めたんだ。
もちろん、表向きは「普通の購入者」として振る舞う。
でも、実態としては、明らかに不自然な返品パターン。
つーか、住所がめちゃくちゃで、存在しない住所が指定されていたから、宛名不明で返品される。
そのための梱包のコストや再検品のコストだけが重くのしかかる。
商品そのものというより、「仕組みの穴」を狙い撃ちするような行動だった。
当然、俺のところには赤字だけが積み上がっていく。
プラットフォームに相談もした。
「こういう不正な買い方をされていて、明らかにおかしいんです」と。
でも、返ってきた答えは「事実上、対抗手段はありません」というものだった。
形式上のルールはあっても、「守らせる力」がない。
その瞬間、俺の中で、何かがぷつんと切れた。
「ここまでして続ける意味、あるか?」
そう思ったときには、もう中国輸入に対して、何の執着も残っていなかった。
俺の中国輸入への挑戦は、そうしてあっけなく終わった。
何が一番、間違っていたのか
この一連の流れを、今改めて振り返ってみると、
「商標が危ない」とか「ライバルが増える」とか「偽アカにやられた」とか、そういう表面の話よりも前に、もっと根本的なミスがあった気がするんだ。
俺は途中から、「スキ」を完全に置き去りにしていた。
もともとは、自分が興味を持てるもの、自分がワクワクするものを扱おうとしていた。
でも現実の中で、
・権利問題
・競合
・在庫リスク
こういう要素が積み重なるうちに、
「自分のスキなんかどうでもいい。
とにかく“売れるもの”を探さなきゃ」
っていうモードに入っていった。
その結果、俺は「自分で自分を騙す」理屈づくりに必死になったんだと思う。
「この商品は、機能面で優れている」
「こういうターゲットがいるはずだ」
「このシナリオなら売れる筋が立っている」
そうやって、頭の中で「魅力的に見える理由」を組み立てて、
その理屈で自分を納得させていた。
でも、それは本当の意味での「スキ」じゃなかった。
「魅力を補完する理屈」の正体
たぶん俺は、
「何が魅力的に見えたのか」がはっきりしない状態で、
後から「それっぽい理屈」をかぶせていただけなんだと思う。
・人が儲かっているように見えたから
・数字が出ているように見えたから
・“賢そうな手法”に感じたから
そんな曖昧な「魅力の匂い」を、
あとから「機能」とか「ターゲット」とか、もっともらしい言葉で補強していった。
その繰り返しは、実は何ひとつ、新しいものを生み出していなかった。
俺の中で創造性が育ったわけでもない。
俺にしかない視点が深まったわけでもない。
ただ、「理屈で自分を納得させるのが上手くなった」だけだ。
そして、その理屈は、偽アカの返品の嵐みたいな、
たったひとつの外的要因で、あっさり崩れ去った。
そのとき、俺はようやく気づくことになる。
そもそも「スキ」であることを、大前提にしていかなきゃいけなかったんじゃないか、って。
だってそうだろ?
ホントに好きな商品なら、プラットフォームを変えるなりなんなり手段はいくらでも思いつくはずだ。
でもそれを俺はしなかった。
「仕組み」に敗れた。
その敗北感に打ちのめされるがままになっていた。
じゃあ、「スキ」を大前提にするって何だ?
ここで話を急いで綺麗にまとめることも出来る。
「だから、あんたは自分のスキを大事にしとけよ」ってさ。
でも、それではたぶん、また同じ罠にはまる。
「スキを大事にする自分」が、
「ちょっといい話をしている自分」にすり替わるだけだからだ。
俺が本当に知りたいのは、
・どこまでが「スキ」で
・どこからが「自分を騙す理屈」なのか
その境目の話だ。
そして、「スキ」を大前提にするって言葉が、単なるスローガンじゃなくて、毎日の選択にどう結びつくのか、ということだ。
今回は、その入り口として、
俺の中国輸入の話を、あんたに聞いてもらった。
なあ、あんたはどう思う?
あんたの「スキ」を大前提にする覚悟を決めるために、まず何を眺め直していこうか?
何を捨て、何を拾うか。
それがあんたの選択だ。
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