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【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ田中真人編#26

あんたも誰かの企画に乗っかって何か書くことってあるかい?

今回もこの企画に乗っかってみようかね。

企画ページ本体はこっち。

前回のはコレ。
結婚ってのは相手の命をいただくということなのかと言う哲学に揺れる若者の物語。

で俺の持ちキャラはこいつ。
CV:大塚明夫を想像しながら読むと腹がよじれると評判w

今回も息子の真人視点の物語だ。
真人はCV:梶裕貴で読んでみてくれよな。


父さん

「父さんはおじいちゃんとおばあちゃんに母さんと結婚させて欲しいって言うのにどんな事を話したの?」

突然の問に怪訝な表情を浮かべる父さん。

「なんだ?プロポーズでもするのか?」
「いや、しちゃったんだけれどね。……いやもう二度したことになるのかな?」

父さんは一度目をパチクリしたけれど、次の瞬間には「そうか」と言った。
そして「あの病院にお前を連れてきてくれたヒトか?どんなヒトだ?」と聞いた。
「圭子っていうんだけれど、強いヒトだと思う」
「なら真人も強くならんとな」
どことなく微笑みながら父さんはそう言った。
やっぱ、親子なんだよなぁ。思考の進め方が俺と全く同じ様に感じた。

「で、父さんはおじいちゃんとおばあちゃんになんて言って結婚をさせて欲しいって言ったの?」
「別に、普通さ」
「その普通がよくわからなくってさ」
「ストレートだよ。かおりさんと結婚させてくださいって言っただけ」
「そしたらどう言われたの?」
「よろしくお願いします。だったかな。緊張していたんでよく覚えてないけれど、拒絶はされなかった」

ちょっと拍子抜けだ。

「それまでにおじいちゃんとおばあちゃんに会ってたの?」
「いや、それが初対面」

おじいちゃんとおばあちゃん。
肝が座ってたんだな。
なんとなくおじいちゃんとおばあちゃんの父さんの印象みたいなものを聞いてみたくなった。

考えてみたら、おじいちゃんとおばあちゃんも80近い。
聞く事が出来る時間は限られているんだ。

「父さんは、なんで母さんと結婚しようと思ったの?」
父さんはじっと俺を見た。
「……本気なんだな」
ぼそりとそう言った。
「本気だよ」
俺はそう答えた。

それから父さんはひとつため息をついて、話した。

「母さんとの出会いは本当の偶然だった」
俺は父さんの話に耳を傾ける。
「たまたま街を歩いていた俺がお年寄りが転んでいるのを助け起こしている母さんを見かけたんだ。
最初は親子なのかなと思って見てたんだけれど、どうも会話を聞いていると見ず知らずの関係らしかった。
しかも、ホントに転んだ瞬間に出会ったらしくって、ひたすらにご老人のことを気にして、怪我がないかとか、保険証持ってるかとか、近くの病院はどこだとか調べようとしてた。
その頃はスマホも無い。ガラケーと奮闘してたっけ」

俺は父さんの話に聞き入っていた。
親の出会いの経緯なんて聞く機会はそうそうないだろ?

「で、当然その頃はそんなにネットが普及していないから、なかなか見つからない。
なので、母さんは周りのヒトに聞きまくってた」
「で、父さんにも聞いたんだ」
「そうだな。たまたま父さんはその辺りで仕事してたこともあって、そのへんの地理をある程度把握していたから、場所を教えた」
父さんがちょっと下を向いて考える。

「なぜかって考えるとちょっと言葉が見つからないんだけれど、父さんは母さんとの御老体をその病院まで案内したんだよ。
その道すがら、御老体は母さんにとっての赤の他人であることや、自分がまだ学生だから、一回くらい授業をブッチしても問題ないからとか、そんな事を話していた」

なんか父さんらしいなと思った。
自分の事情より相手の事情のことの方が記憶に残っているんだ。

「で、病院にたどり着いて、これでなんとかなるなと思って立ち去ろうとしたんだけれど、母さんはそこにとどまるって言うんだ」
「それで父さんはどうしたの?」
「やれやれ、って思ってその日は休ませてもらうように部長に電話した」
「ちょっとよくわからない」
「そらそうだ。俺もよくわからないまま、その御老体に付き添ってた」

今度は天井を見つめるようにして父さんが言う。

「たぶんだけれど、もうその時に母さんに恋をしていたんだと思う」

息子にこんな事を言う父親ってそうはいないと思う。
その意味で、俺はホントに愛されて育てられてきたんだと逆に実感した。

「幸い、御老体は軽症で済んでいた。
ほっと胸をなでおろして、手続きが済んだところで俺は帰ろうとした」
「帰らなかったんだ」
「ああ、母さんが家まで付き添うって言い始めたんで、もう今日は休みをもらったからとことん付き合うかって思って御老体を家に送り届けた。
御老体のご家族はえらい驚いてたな。
俺たちも若かったからご自宅への連絡とかをすっ飛ばして病院に連れて行っちまったからな」

父さんは続けた。

「御老体を家に送り届けた頃はもう夕方になっていた。
俺たちは最寄りの駅に歩いていた」

なにか大切なものを手に持っているように父さんは手を見て語る。

「いろんな話をした。
どんな話かはもう覚えてないけれど、すごく幸せな気分だったことだけは覚えている。
だから自然に次いつ会えるかって聞いてたんだ」

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参考にした話

#すっぱいチェリーたち
#歌えないオッサンのバラッド

あかん、相手のご両親への挨拶までたどり着かなかった。
でも、コレ書いとかないと「家族になることの意味」みたいなこと書けないしなぁ。

以下待て次号!

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