アラフィフになって振り返る中学受験(前編)
前回の記事で、私は中学受験をさせてもらえなかったこと、弟は塾に通わせてもらい中高一貫の私立の学校に進学したこと、父が公立に通う私に暴言を繰り返したことなどを書きました。
今なら馬鹿にしてくる父に「それを言うんだったら、私にも塾に通わせて私立中学を受験させるチャンスを与えなさい。私がそのチャンスをものにできなかったときに、あなたは初めてその言葉が口にできるのよ」と言い返せるのに!きーっ、悔しいっ!
さて、そんな私と弟もアラフィフになった。
これを読んでいる方は、私と弟が今はどうなっていると思われるだろう?
父が話していたように、弟はエリートになり、私はそうでないものとして別世界で生きるようになったと思われるだろうか。弟は私の上に立つ人間となり、私は弟の駒になって生きていると思われるだろうか。
それとも、逆転現象が起きて、私と弟の立場が入れ替わったなんて想像したりしてます?
正解は……。
姉弟、とても仲よくしております。
弟とはLINEをよくするのですが、実は私たち姉弟は「ちいかわ」好き。
先日もそれはそれはかわいいウサギのスタンプを送ってくれました。
「きゃー、かわいい。もっと送って~」とお願いしたら、たくさん送ってくれる優しい弟です。
弟も私も好きな人と出会い、結婚して、かわいい子供に恵まれました。
昨日も、子供服のことでLINEしました。
「これ、◯◯(私の娘)が昔に着ていた服なんだけど、△△ちゃん(弟の娘)着る?」
「めっちゃ喜んでる。今度、遊びに行くから試着させてって」
弟は父の望む通り、京大に入り、大学院に進学して博士号をとりました。
弟の研究は難しすぎて私にはよくわからないけれど、その研究で賞もとりました。授賞式での弟の凛々しい顔は、姉からみても「賢そうだな」と思いました。
……この男がちいかわ好きなんて、誰が信じるだろうか。いや誰も信じまい。
父と違って、弟は私のことを馬鹿にしたことは一度もありません。むしろとても慕ってきます。
仕事が辛かったんでしょう。一度「お姉ちゃん」と死にそうな声で電話がきたことがあるんですが、心がぎゅっと掴まれたように苦しくなった私もまた、弟が大好きなんだと思います。
これは父の予想を裏切ったんじゃないかな。
金銭的に裕福なのは私のほうだったりします。私が弟より稼げるということではなく、私の夫が稼いでいるからなんですけど。
ただ、その夫も京大出身なので、ある意味、父の予想通りな部分もあるかもしれない。
でも、これはあくまで私の勝手なイメージですが、今の時代なら女は稼ぐ男性にずっと愛され続けることよりも、自分で勉強して自分で稼ぐほうが容易かも。
私は自分が中学受験していないことを全く後悔していないです。
あれほど父の言葉に傷ついたのに、今では「全く気にすることなかったな」と笑えてしまうぐらい。
だって、私と弟、二人とも同じように幸せだもの。
大人になって楽になったと思うことはいろいろあるけど、その最もたるは、親もあんまり深く考えずに思いつくまま好き勝手に言ってると気づいたことですかね。
娘が小学生のとき、塾や学習系の習い事には通わせませんでした。
小学生のときは学校の勉強だけでいい。中学も近くの公立中学に進学すればいい。
塾で勉強する時間があるなら、学校が終わったあとは近所のお友だちと遊んで、休日は家族でいろんなところに行って美味しいものをいっぱい食べて、楽しい思い出を作ることにしました。
その記憶が、大人になって苦しいことがあったとき、自分の今いる場所が辛くなったとき「それでも私がいるこの世界は美しい」と考えられる力になることを願って。
私の夫も公立育ちだったので中学受験は必要ないと考えていたことも幸いでした。
何より当の娘が勉強が嫌いで嫌いで(笑)
勉強したくない、中学受験したくないという娘の意思を尊重しました。
誤解なきよう書いておきますが、中学受験が悪いとは思いません。
実際、私の周囲の中学受験経験者は、ほぼみんな子供に受験させてます。
それは彼らが中学受験してよかったと思っている何よりの証拠でしょう。
さて、もう一つ。
私が中学受験をしなかったことが人生において不利になることはないと思うのは、自分の経験以上に私の元彼たち、もしくは私の周囲の男性たちを比較して導いた考えでもあります。
それについては、気が向けば後編に書こうかなと思います。
